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第19話 ついに訪れる、その時 アデライド視点(2)
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この世界は『満月を君と』という乙女ゲームの世界であること。
わたしは里村七海という名前の別の世界の人間で、死んだことによってアデライドとして生まれ変わったこと。
エリク様はずっと推しだったこと。
ストーリーの都合上エリク様は破滅する可能性を至るところに仕込まれていて、バッドエンドを回避するために行動していたこと。
あの時は制約によって口に出来なかったことを、しっかりと伝えた。
「わたしはアデライドだけど、アデライドではない。だから先ほど、誓いのキスはできなかったんです」
「…………そうだったんだね――そうだったのですね。僕を護ってくださり、ありがとうございました」
目を丸くしてこの世界の真実やわたしの正体に関する話を聞いていたエリク様は、驚きながらも片膝をついて頭を下げる――この国で最大級の謝意を示す行動を取ってくださったのでした。
「まさか、そんなことになっていただなんて。貴方様には感謝してもしきれません」
「これは、わたしが勝手にやったこと。わたしの我が儘のようなものです。これ以上のお礼は要りませんよ」
自分がやりたくてやり続けていた行動、だからそれらをもらう資格はない。そうお伝えするとエリク様は意を汲んでくださり、立ち上がってくれた。
「今の貴方様はもう、完全に『人』です。何にも縛られない、自由な人生を楽しんでくださいね」
「はい、そうさせていただきます。……すぐに、そんなお言葉をくださるだなんて。だから、だったんですね」
? エリク様は不意に、くすりと微笑んだ。
「?? ??? エリク、さま……?」
「ではお返しに、こちらも一つ告白をさせていただきます。実はですね。貴方が転生されて初めてお会いした時に正体不明の違和感を覚え、次にお会いした時には『もっと話していたいな』と思うようになっていたんですよ」
…………。
え……?
「目の前にいるのは、よく知っているアデライド。なのに、次々と新しい発見があったんですよ。良さに、気付いていったんですよ」
温もりを覚えるほどに、とても優しい目をする時がある――。包まれているような安心感がある――。
などなど、抱いていたものを教えてくださった。
「なのでもっと一緒に居て知りたくなっていて、こんな感情を幼馴染に対して抱いているのが不思議でたまらなかったんです。ですがようやく、理解できました。僕がお喋りをしていたのは里村七海様という女性だったから、なのですね」
「……………………」
予想だにしない情報が飛び出して、おもわず言葉を失ってしまう。
……まさか、わたしが驚く側になるなんて……。
目を丸くしたまま、そんなことを思っていると――…………。エリク様は更に、わたしの目を丸くさせることを仰るのでした。
「里村七海様。僕は、貴方様との仲を深めたいと思っております」
わたしは里村七海という名前の別の世界の人間で、死んだことによってアデライドとして生まれ変わったこと。
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「わたしはアデライドだけど、アデライドではない。だから先ほど、誓いのキスはできなかったんです」
「…………そうだったんだね――そうだったのですね。僕を護ってくださり、ありがとうございました」
目を丸くしてこの世界の真実やわたしの正体に関する話を聞いていたエリク様は、驚きながらも片膝をついて頭を下げる――この国で最大級の謝意を示す行動を取ってくださったのでした。
「まさか、そんなことになっていただなんて。貴方様には感謝してもしきれません」
「これは、わたしが勝手にやったこと。わたしの我が儘のようなものです。これ以上のお礼は要りませんよ」
自分がやりたくてやり続けていた行動、だからそれらをもらう資格はない。そうお伝えするとエリク様は意を汲んでくださり、立ち上がってくれた。
「今の貴方様はもう、完全に『人』です。何にも縛られない、自由な人生を楽しんでくださいね」
「はい、そうさせていただきます。……すぐに、そんなお言葉をくださるだなんて。だから、だったんですね」
? エリク様は不意に、くすりと微笑んだ。
「?? ??? エリク、さま……?」
「ではお返しに、こちらも一つ告白をさせていただきます。実はですね。貴方が転生されて初めてお会いした時に正体不明の違和感を覚え、次にお会いした時には『もっと話していたいな』と思うようになっていたんですよ」
…………。
え……?
「目の前にいるのは、よく知っているアデライド。なのに、次々と新しい発見があったんですよ。良さに、気付いていったんですよ」
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「……………………」
予想だにしない情報が飛び出して、おもわず言葉を失ってしまう。
……まさか、わたしが驚く側になるなんて……。
目を丸くしたまま、そんなことを思っていると――…………。エリク様は更に、わたしの目を丸くさせることを仰るのでした。
「里村七海様。僕は、貴方様との仲を深めたいと思っております」
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