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第16話 不安の的中 クリストフ視点(1)
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エリスと婚約して暮らし始めてから、色々な発見があった。
『ねえ、エリス。肉と魚ならどっちが好き?』
『わたしは、お魚が好きです』
『へ~、魚派なんだ。魚料理の仲だと何か好き?』
『……そうですね……。カルパッチョ、が好きです』
『そうなんだ。知らなかったよ』
学院に在籍している時は、グループで5回食事を摂る機会があった。とはいえ食に関する話をしたことは一度もなくて、一緒に暮らし始めてからエリスの食の好みを知れた。
『ねえ、エリス。色は何色が好き?』
『わたしは、みずいろが好きです』
『へ~、みずいろが好きなんだ。それって、なにか理由があるの?』
『物心ついた時には好きでしたので、相性のようなものなのだと思います。みずいろを見ていると落ち着くので、自然とそうなったのかもしれません』
『そうなんだ。知らなかったよ』
学院に在籍している時は、グループで2回写生会をした。とはいえ色に関する話をしたことは一度もなくて、一緒に暮らし始めてからエリスの色の好みを知れた。
『ねえ、エリス。どんな音楽が好き?』
『音楽、ですか。この曲が好き、というものはありませんが、クラシックが好きです』
『へ~、クラシックが好きなんだ。だったら世界的に有名な作曲家をよく聴いてたりするのかな?』
『はい、よく聴いていました。好きな作曲家様のひとりです』
『そうなんだ。知らなかったよ』
学院に在籍している時は、グループで1回オーケストラを聴きに行った。とはいえあの時は僕に用事が発生してしまい、途中で抜けてしまったから音楽に関する話をできなかった。
僕だけが居ない時の話をするのは、とてつもなく不愉快だったからね。あのあともそういった話は一度もなくて、一緒に暮らし始めてからようやくエリスの音楽の好みを知れた。
ふふふふふ。
こんな風に婚約をしてから色々な発見があって、毎日が楽しい。もっともっと、たくさんのことを発見していきたいな。
エリス。
もっと色んな君を見せてくれ――。
――そう、思っていた――。
その時、までは――。
『ねえ、エリス。肉と魚ならどっちが好き?』
『わたしは、お魚が好きです』
『へ~、魚派なんだ。魚料理の仲だと何か好き?』
『……そうですね……。カルパッチョ、が好きです』
『そうなんだ。知らなかったよ』
学院に在籍している時は、グループで5回食事を摂る機会があった。とはいえ食に関する話をしたことは一度もなくて、一緒に暮らし始めてからエリスの食の好みを知れた。
『ねえ、エリス。色は何色が好き?』
『わたしは、みずいろが好きです』
『へ~、みずいろが好きなんだ。それって、なにか理由があるの?』
『物心ついた時には好きでしたので、相性のようなものなのだと思います。みずいろを見ていると落ち着くので、自然とそうなったのかもしれません』
『そうなんだ。知らなかったよ』
学院に在籍している時は、グループで2回写生会をした。とはいえ色に関する話をしたことは一度もなくて、一緒に暮らし始めてからエリスの色の好みを知れた。
『ねえ、エリス。どんな音楽が好き?』
『音楽、ですか。この曲が好き、というものはありませんが、クラシックが好きです』
『へ~、クラシックが好きなんだ。だったら世界的に有名な作曲家をよく聴いてたりするのかな?』
『はい、よく聴いていました。好きな作曲家様のひとりです』
『そうなんだ。知らなかったよ』
学院に在籍している時は、グループで1回オーケストラを聴きに行った。とはいえあの時は僕に用事が発生してしまい、途中で抜けてしまったから音楽に関する話をできなかった。
僕だけが居ない時の話をするのは、とてつもなく不愉快だったからね。あのあともそういった話は一度もなくて、一緒に暮らし始めてからようやくエリスの音楽の好みを知れた。
ふふふふふ。
こんな風に婚約をしてから色々な発見があって、毎日が楽しい。もっともっと、たくさんのことを発見していきたいな。
エリス。
もっと色んな君を見せてくれ――。
――そう、思っていた――。
その時、までは――。
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