王太子マクソンスの選択ミス

柚木ゆず

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第8話 想定外たち マクソンス視点(5)

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((俺は今、過去に例のない特殊な穢れになっている。触れられたら何が起きるか分からない、恐ろしい存在だ。なら!))

 突進すれば相手は咄嗟に躱そうとする! そこで俺は瞬時に全員の立ち位置を再確認して、最適なルートを見つけるや動き出す。
 これから走るべきは、9時の方向。聖女や厄介そうな守護騎士がいない方向へと、全力で走り出して――

「逃走はできませんよ?」
「なっ⁉」

 ――蹴っているとガブリエルが小瓶を取り出し、それを俺へと投げつける。そうすれば瓶はやがて俺の右脚に当たって割れ、液体が付着して――ぎあああああああああ!!

「熱い‼ なんだこれはあ‼ ぁがああああああああ‼」

 その瞬間焼けるような猛烈な痛みに襲われ、俺はバランスを崩し盛大に転んでしまった。

「これは聖女様の祈りが込められた聖水、悪霊などに大きなダメージを与える水です。お忘れのようですが殿下、貴方様はすでに人ならざるもの。普通は効かないものが効いてしまうのですよ」
「ぐがああああぁぁああ!! あがぁあああああああああああああああ!!」
「……苦しんでいるところ申し訳ないのですが、そろそろルシー様が仰られていた3分となります。マクソンス殿下、リビア・ジョルハールン様も。決断をお願い致します」

 強力な酸がかかったように、痛い! 脚が火であぶられているように痛い!!
 今はそれどころじゃないが、勝手に決められていい問題じゃない! もう逃げられないのだから、決めたくなくても決めるしかない……!
 だから……。だから…………。俺は――

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