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第3話 マルクとジョルジェットのやり取り~今日までの出来事~ 俯瞰視点(2)
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《前提 サンドリーヌはジョルジェット様のポテンシャルを恐れ、ずっと危険視し、精神的な揺さぶりをかけて並ばれないようにしていた。
その1。教科書やノートを破られたり私物が壊されるなど、去年から犯人不明の嫌がらせが繰り返し発生していたことを周囲に臭わせる。
その2。後日ジョルジェット様がいつも身に着けている大切なネックレスが、何者かによって盗まれてしまった。
その3。ジョルジェット様が階段から突き落とされ捻挫と打撲の怪我をする事件が発生するものの、背後から突如襲われたため犯人の特定に至らない(実際に怪我はせず、捏造の詳細は別紙Aに記しております)。
その4。事件を受けジョルジェット様は警戒を強めたため、サンドリーヌはターゲットをマルク様に変更。寮のお部屋に差出人不明の脅迫状が届くようになる(その内容は別紙Bに記しております)。
その5。今度はマルク様の周辺で異変が起き始める(その内容は別紙Cに記しております)
その6。なにをやっても動揺が見られないマルク様に痺れを切らし、再び強行に出る。マルク様を階段から突き落とし同じく怪我を負わせるも、今回はマルク様の必死の行動によってサンドリーヌは捕らえられてしまう。
その7。それによって1~5までの罪も明るみになり、罪の清算が始まる(清算に関してはわたしの処遇などにお願いがありまして、そちらは別紙DとEに記しております。ご一読お願い致します)。 》
2日以内に送ると言っていた、陥れに関する手紙。それを開いてみるとそんな内容――に加えてビッシリと詳細が記されていたA4サイズの紙が5枚も同封されていたため、マルクとジョルジェットはたまらず言葉を失っていたのです。
「………………なぜだ……? なぜアイツは……ここまで罪を重ねようとしているんだ……!?」
「おかしい……。やりすぎですわ……。なにを考えていますの……!?」
「…………まさか、破滅願望の持ち主だったのか……? い、いや、あり得ない。そいつは絶対に違う」
サンドリーヌは愛しの婚約者を苦しめる、忌々しい怨敵。陥れて学院から追い出すべく動向を監視しており、目標に向け日々励む姿をその目で見てきました。
加えて『家』や『もう一つの家族』を想う姿を確認しているし、ジョルジェットはその様子、成し遂げる意思を実際に見て感じていました。
それらの事実からその予想は即座に否定され、マルク――だけではなくジョルジェットの額にも、玉の汗が浮かび上がりました。
「…………じゃあ、なんなんだ……? アイツはなにを考えているんだ……?」
「…………分かりませんわ……。ほ、本人に聞く――のは無理でしたわね……」
『詳細は明かせません』
中庭で見つかった際そう返事をされていて、答えは絶対に返ってこない。そのため二人は独自に、推測しなければならなくなって――
その1。教科書やノートを破られたり私物が壊されるなど、去年から犯人不明の嫌がらせが繰り返し発生していたことを周囲に臭わせる。
その2。後日ジョルジェット様がいつも身に着けている大切なネックレスが、何者かによって盗まれてしまった。
その3。ジョルジェット様が階段から突き落とされ捻挫と打撲の怪我をする事件が発生するものの、背後から突如襲われたため犯人の特定に至らない(実際に怪我はせず、捏造の詳細は別紙Aに記しております)。
その4。事件を受けジョルジェット様は警戒を強めたため、サンドリーヌはターゲットをマルク様に変更。寮のお部屋に差出人不明の脅迫状が届くようになる(その内容は別紙Bに記しております)。
その5。今度はマルク様の周辺で異変が起き始める(その内容は別紙Cに記しております)
その6。なにをやっても動揺が見られないマルク様に痺れを切らし、再び強行に出る。マルク様を階段から突き落とし同じく怪我を負わせるも、今回はマルク様の必死の行動によってサンドリーヌは捕らえられてしまう。
その7。それによって1~5までの罪も明るみになり、罪の清算が始まる(清算に関してはわたしの処遇などにお願いがありまして、そちらは別紙DとEに記しております。ご一読お願い致します)。 》
2日以内に送ると言っていた、陥れに関する手紙。それを開いてみるとそんな内容――に加えてビッシリと詳細が記されていたA4サイズの紙が5枚も同封されていたため、マルクとジョルジェットはたまらず言葉を失っていたのです。
「………………なぜだ……? なぜアイツは……ここまで罪を重ねようとしているんだ……!?」
「おかしい……。やりすぎですわ……。なにを考えていますの……!?」
「…………まさか、破滅願望の持ち主だったのか……? い、いや、あり得ない。そいつは絶対に違う」
サンドリーヌは愛しの婚約者を苦しめる、忌々しい怨敵。陥れて学院から追い出すべく動向を監視しており、目標に向け日々励む姿をその目で見てきました。
加えて『家』や『もう一つの家族』を想う姿を確認しているし、ジョルジェットはその様子、成し遂げる意思を実際に見て感じていました。
それらの事実からその予想は即座に否定され、マルク――だけではなくジョルジェットの額にも、玉の汗が浮かび上がりました。
「…………じゃあ、なんなんだ……? アイツはなにを考えているんだ……?」
「…………分かりませんわ……。ほ、本人に聞く――のは無理でしたわね……」
『詳細は明かせません』
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