もしかすると私は、最愛の婚約者に騙されているのかもしれない

柚木ゆず

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第9話 収監直後のアリーの様子~無駄な小細工~ アリー視点(4)

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「………………ぇ?」

 無意識的に目が見開かれ、時間が停止してしまったような感覚に襲われる。
 両親をも利用してしまう? え……? どういう…………?

「強制労働中の態度も独房内でも態度も、全てが偽り。模範囚を目的とした、他意に満ちた嘘しかない行為。あいにくと我々は、とうに把握しているのだよ」

 ルシィとエリオットの件、汚職を使った脅迫の件、だけじゃない。これまでやってきた全部の悪事が、露見していて……。わたくしの狙いも、把握されていた……。

「反省の色がないどころか、あれやこれやと画策する。そこで今回、親子の再会を実現させたのだ」
「っ! じゃあ……。じゃあ……っ。もしかして……」
「ここまでとは思っていなかったが、ああいったトラブルの発生は計算通り。『罪人アリーにたっぷりと猫をかぶらせたあと、事実を伝える』。それが、バシル殿下よりくだった命なのだよ」

 そんな……。ずっと……。手のひらの、うえ……。だったなんて……。

「言っておくが、減刑はあり得ない。今後何をしても、刑期が変更される事はない。貴様はここが生涯、住居になるのだよ」
「な、なにをやっても……。むだ……」
「ああ、そうだ。昨日丸一日とさっき、無駄な努力ご苦労様」

 看守の男は路傍のゴミを見るような目であざ笑い、その視線達を認識した瞬間――ぷちん。わたくしの中で、何かが切れた。

「よくもぉぉっ!! よくも騙したわねぇええええええええええええええええええええええええええええええええええ!! ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 終身刑は確定事項!! 強制労働も確定事項!! 嵌められていた!! その事実が感情を爆発させ、身体が勝手に動き出す!!
 叫んで! 睨んで! 歯ぎしりをして!
 それからっ! それからぁぁっっ!

「ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 目の前にいる男っ! コイツは許せない!! 殺してやる!!
 勢いのままにヤツへと飛び掛かって――!? 飛び掛かろうとするけど出来ない!? 両手が動かない!?

「手錠に、気づいていないのか、我を失っているらしいな」

 よく分からないけど、今はっ、この男には何もできないみたい!
 だったらっ、先にグエントとチエラアイツらを殺す!! 言いたい放題言って突き飛ばしたりビンタしたり髪を引っ張ったりしたアイツらを!! 許せない!!

 追いかけてっ! 殺す‼

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