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しおりを挟むカランコランカラン
「オッヒッサーー!」
この声は、お客さんではない。
「遅くないですか?上原さん。」
彼は店員の上原 トモミツさん。店員の中では唯一の30代だが、マイペースな生活っぷりはそれを思わせなかった。とはいえ、悪い人ではない。
「ごめんなさいねぇ。お酒ちゃんがなかなか私を解放してくれなくて。」
彼は、立派なおじさんである。
「飲みすぎですよ!お身体、大丈夫なんですか?」
「相変わらず優しいわねぇ。エリナちゃん!大丈夫よぉ。仕事に支障は出さないわ。」
(もう既に出している気がするが…)
こんな人だが、コーヒーを淹れる腕はプロ並みである。実は、アメリカの超高級カフェで働いていたものの、マイペースさや奇抜な性格でお客さんに迷惑をかけることが何度かあったそうで辞めさせられたという。
なぜ、そんな人が八百妖堂に来たのかは分からない。だが、1つだけ理由が分かっていた。実は、彼もあやかしを目視することが出来るのだ。
上原さんが八百妖堂に始めてきたときも、あやかしのお客さんに堂々と話し掛けていたのだ。
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