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私を忘れられない?

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 「ごめんなさい。別れよう…」

 私の彼氏は浮気をして、婚約も破棄をした。結婚ムードに浮かれていた私に渇をいれるような出来事ではあるが、私は彼を懸命に愛していたはずだった。

 しかし、私の彼氏はその私の愛に答えず、他の女に目移りをした。

 何故そうなってしまったのだろうか。

 「じゃあ、俺はもう出ていくよ。」

 ええ、早くそうしてください。もうこれでスッキリです。

 彼は新しい彼女がいて、私と別れても、幸せにまま。いや、むしろもっと幸せになるのかもしれない。でも、私は愛していた人がいなくなり、孤独になる。そして、不幸になる。

 浮気をした彼が悪いはずなのに、何で私がこんな目に会わなきゃいけないの?こんな彼をオーケーした私が悪かったの?

 せめて、私も浮気相手の一人や二人、いれば良かったのに…

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 そして、婚約破棄をして1ヶ月程がたったある日。私は、すっかり一人暮らしにもなれ、さらには今度こそ、良さげな男性を見つけることができた。

 徐々に回復傾向にある私の人生の中、何故か、またが、家にやってきた。

 「な、何でいるの…?」

 「ごめん。やっぱり、お前が忘れられなくて…やっぱり、俺にはお前しかいなかったんだ!」

 「何を言っているの?もしかして、あの彼女にも浮気をしたの!?」

 彼は、声が出なくなった。

 「ち、い、いや、違う…」

 「分かりました。ですけど、復縁はしません。私は、あなたみたいなクズとはもう付き合いたくないし、二度も浮気をするようなクズ野郎の顔も見たくありません。さようなら…」

 「ま、待って!」

 私は、玄関のドアを強く閉めた。
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