召し使い、主人の彼氏を盗む

天災

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No.3

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 ◆◆◆◆◆

 今日は、パーティーがあった。それも、ムルーサの。ムルーサ・ステナは今日で18歳となる。もちろん、私も18歳となる。

 そして、パーティーの一時間前、ステナ家の召し使いの集合があった。

 「今日はパーティーでさらに仕事が増えるわ。皆、頑張ってちょうだい。」
 「かしこまりました。」
 「それと、リアス。貴方はトイレの掃除をしなさい。」
 「はい…」

 また、嫌がらせだ。

 「あのリアスって子、ムルーサさんに相当嫌われてるわね。」
 「可哀想。でも、助けたら私も対象になるかもだし…」

 周りの召し使いにも、有名になっていた。

 (もう嫌。どうすれば…)

 ◆◆◆◆◆

 パーティーは、賑わっていた。

 「お宅のムルーサ嬢はもう18歳になりますのん?」
 「いやぁ。早いものですなぁ。」

 贅沢な食事に飲み物。さすが、貴族のパーティーといったところである。

 一方、私は清掃服に着替えてひたすらトイレの清掃をしていた。

 「あぁ。いいなぁ。私も美味しいものが食べたい。」

 パーティーの日は、特別に召し使いも休憩時、食事が許されている。だが、私は清掃を担当するため、パーティーには参加できないのだ。

 「あら?清掃員さん?こんな時にまで…」

 一人の男性貴族が声をかけてきた。

 「お使用ですか?どうぞ。」
 「貴方は、パーティーに参加しないの?」

 私は、顔を下げて言った。

 「ムルーサ様にトイレの掃除を任せれていて…」
 「もしかして、ずっと?」
 「はい。かれこれ5時間ほど」
 「5時間!?」

 すると、男性貴族は急にこの場を離れ、パーティーに戻った。
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