姉のものを奪う令嬢

天災

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 「それでは、行ってきます。」

 姉は、今日もパーティーへ出掛ける。

 「行ってらっしゃいませ!」

 姉への嫉妬がバレないよう、全力で笑顔を作る。

 「さぁてと。一人で本でも読むかな。」

 ゴトッ

 二階から、何かが落ちる音が聞こえた。

 「何ですの?」

 そして、二階に上がると、姉の部屋の扉が開いていた。

 「まぁ、焦っていたのかしら。」

 姉の部屋に入るのは何年ぶりであろうか。

 姉と喧嘩をして、こっそり姉の部屋に入ってイタズラをした幼少期が懐かしい。

 「何が落ちたのかしら。」

 すると、床にある何かを踏んだ。

 「キャ!」

 それは、沢山の封筒が入った鞄であった。

 「何?これ。」

 恐る恐る開いてみると、手紙が入っている。

 ーローマリーへー

 早く君に会いたいよ。

 今度、庭でランチでもしないかい?

 目の前が湖でね。とても美しいんだ。

                 ーウェルー

 ーローマリーへー

 君が恋しい。

 今度遊ばないかい?

 返事は何時でもいい。

          ーパネル・ハウリームー

 沢山の男の手紙が入っているのだ。
 
 
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