女王の快眠

天災

文字の大きさ
上 下
1 / 1

女王の快眠

しおりを挟む

 女王はここ最近、仕事のストレスで不眠が続いた。

 身分の高い者でも仕事があり、それは決して楽ではない。

 何せ、女王は元々メンタルも弱く、国民からも心配の声をよくあげられた。

 女王は不眠が原因で痩せたり、顔が青くなったりと体の異常は多発していた。

 そこで、そんな不眠に苦しむ女王に一人の男性が名乗りあげた。

 彼は、人に快眠をもたらす方法を知っているというのだ。

 恐る恐る、その男性の言うことに従うことにした。

 「これを使うのですよ。」

 出したのは一本の髪の毛。それも、誰のものか分からない。

 「これを飲み込みなさい。」

 その髪の毛を飲むと、途端にばたりと寝てしまった。

 それも、意識がないように。

 久々に気持ち良く起きることが出来た。

 女王は、とても嬉しくなり、大金を払う変わりに髪の毛を沢山欲しいと言った。

 すると、男性は答えた。

 「なら、罪は貴方に被ってもらいますよ。」

 その言葉の意味を、女王は理解することが出来なかった。だが、女王はそんなことを気にせず、毎日髪の毛を要求した。

 数日後

 快眠を手に入れた女王の元に、逮捕状が出た。

 「どういうことです!?」
 「惚けないでください。貴方は殺人者。数百人の人を殺したのだ!」
 「意味がわかりません!」

 しかし、女王は無理矢理牢屋に連れていかれ、一年後には処刑をされました。





 という話がありました。

 これは、死者の髪の毛を飲み込むことにより、死の感覚を味わい、快眠出来るという方法です。

 誰かが楽をすれば誰が苦しむことがある。

 この言葉は、貴方に届いたでしょうか。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...