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兄妹だから、愛し合うことは出来ないのです……

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 僕は、リボン伯爵令息の弟として生まれてしまった。

 リボン伯爵令息は、誰もが認めるイケメンだ。そして、何度も言うが、僕はその弟だ。

 つまり、僕は彼と恋愛関係になることは不可能なのである。

 そもそも実の兄弟であることを前提にし、男でもある。

 例えリボン伯爵令息が、ホモだったとしても、僕と恋愛関係になれば、近親相姦になってしまうのだ。

 そう。僕は世界一の不幸ものだ。確かに、ずっとそばにいれられるという良いところはあるが、それよりも、恋愛対象として見られることがないという現実が、あまりにも残酷で、僕には辛くて重いものであった。

 もし、リボン伯爵令息が、ホモであり、そして、実の弟である僕でも良いというのならば、喜んでこの身体をあげよう。

 そして、近親相姦など気にせずに、共に夜の営みをしたい。

 だが、リボン伯爵令息には、というものがあり、実の兄弟はおろか、男子という時点でもう彼とは恋愛関係になれない。

 つまり、僕は彼を諦めなくてはならないのだ。しかし、一度彼を見てしまうと、そこから長い時間、頭から離れてくれないのだ。

 不意に見せる綺麗な笑顔に、とろけるような甘い目。その目で見つめられると、毎回心がキュッと痛む。

 どうしてこの人と付き合えないのだろうって………

 なんでこんな残酷な運命なのだろって………

 僕は、どうすれば良いのだろうか…

 女になることは、出来るのだろうか…

 僕は、そんな想いを、1枚の紙に綴った。どうせ、ラブレターにもならいのだと分かっていながら。そして、それを紙飛行機にし、月夜に照らされる森に向かって投げた。


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