上 下
1 / 1

貴方は溺愛されているので

しおりを挟む

 妹は、どうやら私の彼氏を溺愛している。

 そして、私の彼氏はその溺愛に応えているようだ。つまり、私よりも、私の妹の方が好きである可能性が高い。

 私に対しての対応が冷たくなってきて、私の妹への対応がまるでカレカノのように良くなってきている。

 なるほど。所詮はその程度の男。誘惑されたぐらいで…

 そして、とうとう私は浮気現場を目の当たりにした。

 彼氏が、妹とカフェで楽しそうに会話をしている。お茶会をしているのだ。ボディタッチも何度か見られる。

 あぁ。あいつら、腹立たしい。ならば、こっちから婚約破棄してあげよう。



 そして、夜に彼を部屋に呼んだ。

 「もう、別れよう。婚約破棄しよう。」

 彼氏は、焦った顔をした。

 「何で!?何で!?何でよ!」

 もしかして、バレてないと思っているの?

 「あのさ、最近、妹と仲良いよね。」

 「そ、そう?でも、それを理由に」

 「そして、今日は楽しくカフェでおしゃべり…」

 「な、何でそれを……」

 やはり、あれは本当に妹と彼であったか。

 「ね?婚約破棄したい理由は分かった?あなたのためですよ?溺愛されてるんだったら、私より彼女にしたら?まぁ、私は長女だし、あんた達の顔みたくないから、追放させてもらうけど…この家から…」

 彼氏は、口が完全に塞がった。

 この家には、もうこさせないよ。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。


処理中です...