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エンターテイメント
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オッドテクノロジー社の外観は楕円形のドームとなっている。
デザインは全てクリスタルカラーとシルバーで統一されている。
また、従業員は最高幹部以外、AIロボとなっており、
執行役員の一部でさえ最新のAIロボだ。
この国のAIロボは
基本的な見た目は雪見だいふくのような白くて丸い体に
可愛い目が二つついている仕様だが、
用途によってその姿からあらゆる形に変化する事が出来る。
例えば、新サービスを作っている技術開発局の入り口には
警備特化型に姿を変えたAIロボが何体も常に監視している。
このロボはとても筋肉質で身長は二メートルを超え、
且つ、地球の警察のようにしっかり制服を着ている。
立ち入り禁止区域にこんながたいの良いロボがいたら
誰も近づきたいとは思わないだろう……。
そんな厳重管理されている部屋にキースとオッドは新サービス開発の為、
ずっと寝泊まりし仕事をしていた。
「兄さん、例のプログラム出来たよ」
「キース、さすがだな。期限前の仕上がりだ。
それではさっそく起動し、意識を転送してみよう」
静かな起動音と共に新プログラムが立ち上がる。
頭に繋がれた一つのコードから、
システム本体に意識が転送されていく。
それはまるで、インターネット接続と変わらない状態だ。
このプログラムの名はオッドテクノロジー社の新サービスである、
『エデンプログラム』
人々の意識をデータ化し、
肉体以外に乗り物やアバターに意識を転送することが出来る。
今まで出来なかった自分自身が飛行船になり銀河を超えた宇宙旅行も可能になるし、
ゲームの中のアバターに意識を転送することで
その中で自分自身がゲームキャラクターとして遊ぶことも出来る。
人々に仕事、労働が無い今、全力で遊ぶことが人々の『仕事』だ。
そう、まさに、これはエデン。
理想郷だ。
「キース、次に私の意識をゲーム内のアバターに転送してくれ」
「了解」
キースは操作用のクリスタルレッドのレバーを動かし、
一度システム本体に転送された意識をさらにゲーム内のアバターに転送していく。
「兄さんどうだい?」
「うん、大丈夫だ。
アバターが自分自身と何ら変わりない感覚だ。
次に敵のキャラクターを出現させてみて欲しい」
オッドの指示とほぼ同時にキースは早々と操作をする。
「了解、ドランゴンいくね」
「おい、最初から……」
苦笑いをするオッドを置き去りにしたまま、
目の前に漆黒のドランゴンが現れ、
物凄い勢いで炎を吐き出す。
それを上手く躱すオッド。
ドラゴンは続けてオッドを踏みつけようと攻撃を仕掛けてくる。
間一髪避けた次の瞬間、
ドラゴンが地面目掛けて放った炎を身体全体に浴びてしまった。
「兄さん、大丈夫!?」
オッドからの応答が無い。
「兄さん……!?」
続けざまに呼びかけるが応答が無い状態が続く。
心配になったキースは、とっさに修正プログラムの起動を試みたその時、
「ハハハハ! 冗談だよ。生きているよ。さすがキースのプログラムだ。
熱いという感覚は強くあるが本当に死なない。
今までのゲームとはまるで違う。
自分自身がこのゲームの中でリアルに楽しむことが出来る」
冗談交じりの発声と共に聞こえたのは、心から歓喜した言葉だった。
「もう! 心配したよ。何か不具合があったのかと思ったじゃないか……。
でも、そう言ってもらえて嬉しいよ、兄さん。
作った甲斐があった。
それでは意識を肉体に戻すよ」
頼む、というようにオッドは頷いた。
キースは再度レバーを動かし、
転送されていた意識を身体へと戻した。
「兄さん、明日にはこのレバーも必要無くなるよ、
この操作自体も全てAIにやらせるようにするからさ」
「お得意のオートメーション化だな。
楽しみにしているよ。
あと、例のSNSサービスのアップロードも頼む」
「あれは既にアップロード済みだよ。
意識とSNSを繋いで、記事や自分の記憶にある映像なども、
ふと思うだけでネット上に投稿出来るよ」
少し得意気な様子のキースの言葉に、オッドも感心した様子だった。
「仕事が早いな。サービスのリリースは来月だ。
プロモーションに関しては、ベインに任せるよ」
「わかりました。さっそく取り掛かります」
ベインは感情が無いとも思えるような表情で返事をした。
デザインは全てクリスタルカラーとシルバーで統一されている。
また、従業員は最高幹部以外、AIロボとなっており、
執行役員の一部でさえ最新のAIロボだ。
この国のAIロボは
基本的な見た目は雪見だいふくのような白くて丸い体に
可愛い目が二つついている仕様だが、
用途によってその姿からあらゆる形に変化する事が出来る。
例えば、新サービスを作っている技術開発局の入り口には
警備特化型に姿を変えたAIロボが何体も常に監視している。
このロボはとても筋肉質で身長は二メートルを超え、
且つ、地球の警察のようにしっかり制服を着ている。
立ち入り禁止区域にこんながたいの良いロボがいたら
誰も近づきたいとは思わないだろう……。
そんな厳重管理されている部屋にキースとオッドは新サービス開発の為、
ずっと寝泊まりし仕事をしていた。
「兄さん、例のプログラム出来たよ」
「キース、さすがだな。期限前の仕上がりだ。
それではさっそく起動し、意識を転送してみよう」
静かな起動音と共に新プログラムが立ち上がる。
頭に繋がれた一つのコードから、
システム本体に意識が転送されていく。
それはまるで、インターネット接続と変わらない状態だ。
このプログラムの名はオッドテクノロジー社の新サービスである、
『エデンプログラム』
人々の意識をデータ化し、
肉体以外に乗り物やアバターに意識を転送することが出来る。
今まで出来なかった自分自身が飛行船になり銀河を超えた宇宙旅行も可能になるし、
ゲームの中のアバターに意識を転送することで
その中で自分自身がゲームキャラクターとして遊ぶことも出来る。
人々に仕事、労働が無い今、全力で遊ぶことが人々の『仕事』だ。
そう、まさに、これはエデン。
理想郷だ。
「キース、次に私の意識をゲーム内のアバターに転送してくれ」
「了解」
キースは操作用のクリスタルレッドのレバーを動かし、
一度システム本体に転送された意識をさらにゲーム内のアバターに転送していく。
「兄さんどうだい?」
「うん、大丈夫だ。
アバターが自分自身と何ら変わりない感覚だ。
次に敵のキャラクターを出現させてみて欲しい」
オッドの指示とほぼ同時にキースは早々と操作をする。
「了解、ドランゴンいくね」
「おい、最初から……」
苦笑いをするオッドを置き去りにしたまま、
目の前に漆黒のドランゴンが現れ、
物凄い勢いで炎を吐き出す。
それを上手く躱すオッド。
ドラゴンは続けてオッドを踏みつけようと攻撃を仕掛けてくる。
間一髪避けた次の瞬間、
ドラゴンが地面目掛けて放った炎を身体全体に浴びてしまった。
「兄さん、大丈夫!?」
オッドからの応答が無い。
「兄さん……!?」
続けざまに呼びかけるが応答が無い状態が続く。
心配になったキースは、とっさに修正プログラムの起動を試みたその時、
「ハハハハ! 冗談だよ。生きているよ。さすがキースのプログラムだ。
熱いという感覚は強くあるが本当に死なない。
今までのゲームとはまるで違う。
自分自身がこのゲームの中でリアルに楽しむことが出来る」
冗談交じりの発声と共に聞こえたのは、心から歓喜した言葉だった。
「もう! 心配したよ。何か不具合があったのかと思ったじゃないか……。
でも、そう言ってもらえて嬉しいよ、兄さん。
作った甲斐があった。
それでは意識を肉体に戻すよ」
頼む、というようにオッドは頷いた。
キースは再度レバーを動かし、
転送されていた意識を身体へと戻した。
「兄さん、明日にはこのレバーも必要無くなるよ、
この操作自体も全てAIにやらせるようにするからさ」
「お得意のオートメーション化だな。
楽しみにしているよ。
あと、例のSNSサービスのアップロードも頼む」
「あれは既にアップロード済みだよ。
意識とSNSを繋いで、記事や自分の記憶にある映像なども、
ふと思うだけでネット上に投稿出来るよ」
少し得意気な様子のキースの言葉に、オッドも感心した様子だった。
「仕事が早いな。サービスのリリースは来月だ。
プロモーションに関しては、ベインに任せるよ」
「わかりました。さっそく取り掛かります」
ベインは感情が無いとも思えるような表情で返事をした。
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