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Abenteurer beginnt

15話

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「ご馳走様でした。エイロスさん美味しかったでした」

「食べっぷりも見ていて良かったから作りがいあったよ。で、何か言いたい事あるんでしょ?拗ねたりしないから教えなさい」

“ズイッ”と私の顔に息がかかるくらいの距離まで近づけるエイロスさん。至近距離のイケメンにドキドキするよりちょっと笑っちゃいそう。

「んと、えっと、朝食なんですけど・・・宿屋でに変更って出来ますか?」

私の発言がエイロスさんにとって予想外だったらしくショックでテーブルに頭を打ち付けた。

「・・・理由を述べよ」

テーブルにうつ伏せの状態で低めのセクシーウィスパーボイスで質問されたので。

「1人で食べる食事って寂しいんですよ。うちって両親共働きで。兄いるんですけど部活の朝練で早いからいつも私1人で朝ご飯食べていて。で、宿屋だとリュリ君にランジュさんにユーリさんもかな?みんなで朝食食べられるからと」

そんな私の返答にエイロスさんは「俺じゃダメなのか?」と少し拗ねたけど納得してくれたみたいでお代わりしたコーンポタージュスープをチビチビと飲んでる私の横で後から来た冒険者達に朝食を出し始めた。

食事も終わり、初めての依頼をどれにするかと依頼ボードに向かい右端のFランクを見ると採取や討伐系の依頼は綺麗に無くなっており、あるのは街の人からの依頼3つのみだった。

1つは鎖を外して逃げ出した犬を探す
2つは溝掃除
3つ目は何と宿屋からで掃除の手伝い

バイトの時間が13時からで今は7時半だからやって2つかなと依頼書を見ていたら優先順位と言う文字が浮き出した。
1番は溝掃除、2番は犬の保護、3番目に宿の掃除。そして今からやると何時ぐらいに終わると言うカウントダウンも現れた。

出来るならやった方が稼ぎ面も少しプラスになるなと、依頼書を3つとも取りエイロスさんと話していたリボルさんの所に向かった。
「リボルさん。この3つの依頼お願いします」と依頼書を渡すとリボルさんは受付に持って行き依頼人に電話してから依頼書と依頼人の家の印がついた街の地図をくれた。

地図を見ると、宿屋から冒険者ギルドまでの道が色付いた。もしかしてこれが『見る』スキルなのか?だったら犬探しながら街を駆け抜けたら道も覚えるし。確か冒険者スキルの中に強化ってあったから足を強化すればあっという間になるな。

まずは溝掃除からと言う事で、ギルドから歩いて5分の所にある依頼人の家に向かった。
依頼人は腰を痛めたおばあちゃんでギルドから来たと伝えるとビックリして余計に腰悪くなりそうな心配が。
依頼してから半年経ていたので取り下げようかなと考えていたとの事だったけど私が来たので凄く喜んでました。
家の周りの溝掃除と言うことで長さで言うと50m程。長靴とマスクに角シャベルにヘドロを溜める袋に軍手を借りていざ掃除。
スキルで早く終わるかなとスキルを確認すると、冒険者スキルの強化と生活スキルのクリーンを使えばよしと足腰腕に強化をかけ、角シャベルにはクリーンをかけた。
スキルボードで魔力の残量を確認すると50減っていた。割合を見ると強化が10でクリーンが20だった。
角シャベルを側溝に差し込むと角シャベルが光り輝く。クリーンが綺麗にしてくれるんだろう。少しの力で角シャベルが進む進む。
溜まってきたら掻き出して袋に入れる。
30分後、側溝は驚くほど綺麗に。
自分自身にもクリーンをかけると綺麗さっぱり汗臭いのも消えました。
おばあちゃんに借りたものを返しっつ確認してもらうと涙を流しながら握手を求められたので握手をした。
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