たいようのいえ

２

私は考えた。　
『どうしたらいいんだろう。どうしたら────』
そして私は思い出した。
『そうだ！けんちゃん達に会いに行こう！』
と。けんちゃん達とは、杉浦家の事。けんちゃんはるなが小さい頃公園のブランコで1人で遊んでいると、話しかけてくれた1つ年上の男の子。
その子と仲良くなって親がいない時は必ずけんちゃんの家に行っていた。けんちゃんのお母さんとお父さんは優しくて笑顔がすてきな人達だった。幼かった私は羨ましかったんだと思う。お母さんの手料理を食べれて、お母さんとお父さんがいる生活が羨ましかったんだ。
だから私は、お母さんに言ったのだ。
『お母さん、私けんちゃんの家みたいにみんなでお母さんの手料理を食べたい。』
お母さんは顔をしかめた。その瞬間に『あ、これ言ったらだめなやつだ。』と感じた。幼かった頃に感じたその気持ちは今も覚えている。まあ、私にとっては思い出深い一家なのだ。
けんちゃん達は隣町に住んでいる。本当は私の家の隣の隣の家だ。でも私はお母さんと隣町に引っ越したから今は隣の隣の家ではなくなった。
けんちゃん達に会えるかどうか聞いてみようと思いるなはLINEをうつ。
『けんちゃん。今度そっちに行きたいんだけど、いいかな？るな。』