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十二章 友チョコと本命チョコと甘いキス
105話
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それこそトラック一台分みたいなチョコが机とか下駄箱にあるんだろうし。いや、焔さんも男性といえば男性だから……でも、焔さんはバレンタインデーに無縁そう。
「柊焔、貴方の方が年上なので敬語は不要です」
「……これは癖のようなものなので」
「そうでしたね」
どうしよう。あまりにも二人が落ち着きすぎて、一人だけテンション高い私が恥ずかしい。
紅蓮会長、執筆って言ってたけど仕事なのかな。昨日は一緒に過ごすというから、それなりに身構えていたけれど……やっぱり焔さんがいるから口説かない、とか?
しかし、癖で敬語ってすごい。私なんか敬語使うの難しいのに。年上の前でちゃんと敬語で話せてるかいつも不安に思ってるし。
「自分は仕事部屋にいますので、何かあれば声をかけてください。それでは」
そういうと紅蓮会長はバタンとドアを閉め、自分の部屋に入っていく。私は焔さんと二人きりになる。
「朱里様。チョコ作りを始めましょう。とはいっても、チョコを溶かして冷やし固めれば簡単に出来るのですが。ですが、それよりも大事なことがあります」
「大事なこと?」
「愛情です。気持ちを込めてこそ、料理は美味しくなるというもの。今回はバレンタインデーということもあり、好きという気持ちをたっぷりと入れたチョコを作りましょう」
あまり料理をしない私からしたら、焔さんの言葉一つ一つがためになる。たしかにそういう気持ちは大事だと思う。
好きという気持ち、か。なんだか改めて言葉にすると、とても照れくさい。なんだか初めて黒炎くんを好きって気持ちに気付いた感情に似てるかもしれない。
「僕の弟を愛してくれてありがとうございます」
「え? 今、なんて」
「……いえ、なんでも。それでは始めましょうか」
ふと小さく呟いた焔さんの言葉は、私には聞こえなかった。
「出来た~!」
「上出来ですよ、朱里様。これで黒炎も喜ぶと思います」
ハート型のチョコ。真ん中には、LOVEの文字をチョコペンで書いた。我ながら恥ずかしいというか、王道のものを作ってしまった。
あとはトリュフを作り、可愛くデコったりもした。初めてにしては良く出来た気がする。これも焔さんのお陰だ。
「柊焔、貴方の方が年上なので敬語は不要です」
「……これは癖のようなものなので」
「そうでしたね」
どうしよう。あまりにも二人が落ち着きすぎて、一人だけテンション高い私が恥ずかしい。
紅蓮会長、執筆って言ってたけど仕事なのかな。昨日は一緒に過ごすというから、それなりに身構えていたけれど……やっぱり焔さんがいるから口説かない、とか?
しかし、癖で敬語ってすごい。私なんか敬語使うの難しいのに。年上の前でちゃんと敬語で話せてるかいつも不安に思ってるし。
「自分は仕事部屋にいますので、何かあれば声をかけてください。それでは」
そういうと紅蓮会長はバタンとドアを閉め、自分の部屋に入っていく。私は焔さんと二人きりになる。
「朱里様。チョコ作りを始めましょう。とはいっても、チョコを溶かして冷やし固めれば簡単に出来るのですが。ですが、それよりも大事なことがあります」
「大事なこと?」
「愛情です。気持ちを込めてこそ、料理は美味しくなるというもの。今回はバレンタインデーということもあり、好きという気持ちをたっぷりと入れたチョコを作りましょう」
あまり料理をしない私からしたら、焔さんの言葉一つ一つがためになる。たしかにそういう気持ちは大事だと思う。
好きという気持ち、か。なんだか改めて言葉にすると、とても照れくさい。なんだか初めて黒炎くんを好きって気持ちに気付いた感情に似てるかもしれない。
「僕の弟を愛してくれてありがとうございます」
「え? 今、なんて」
「……いえ、なんでも。それでは始めましょうか」
ふと小さく呟いた焔さんの言葉は、私には聞こえなかった。
「出来た~!」
「上出来ですよ、朱里様。これで黒炎も喜ぶと思います」
ハート型のチョコ。真ん中には、LOVEの文字をチョコペンで書いた。我ながら恥ずかしいというか、王道のものを作ってしまった。
あとはトリュフを作り、可愛くデコったりもした。初めてにしては良く出来た気がする。これも焔さんのお陰だ。
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