20 / 30
オリジョン、学校の遠足に行く7
しおりを挟む
スコールの過ぎ去った後の山の天気は、余計な塵芥を流し去り、空気が澄んでいた。
足元は所々泥化してぬかるんでいたが、靴の中もまだ湿っぽいので、滑って転ばなければ問題はない。
とりあえず元の道まで戻り、頂上を目指すか、下山するか迷っていたら、上から級友が下りて来るのが見えた。
『リ~ン!!
あんた、どこ行ってたのよ!
心配して探しちゃったんだからね!!』
リンの友達らしい。
『ちょっと、どうしてオリジョン と一緒なの?!
どう言う事?!!』
まあ、そこ、気になるよな。
『ごめん、ごめん、
私がちょっと調子が悪くなって、オリジョンくんが気にしてくれたの。
で、雨も降ったから、止むのを待ってたのよ。』
これは先に打ち合わせしておいた内容だ。
その友達は納得いかなげな顔だったが、それ以上突っ込んではこなかった。
『体調は大丈夫なの?
歩ける?
私、先生に言付けてくるから、ゆっくり下山してて!
オリジョン、リンに付いててあげて。
無理させないでよ!!』
『・・・・・、良い友達だな。』
俺に対する評価はかなり低そうだけどな。
二人でゆっくり下山する。
鳥のさえずりや、虫の音が聴こえ、静かだった。
『あのね、オリジョンくん。』
ポツリとリンが話し出す。
『うちのお母さん、離婚しててね、お針子をして私を育ててくれてるんだ。』
まあ、良く聞く話ではあるかな。
『で、金貸しのデンタさんに借金があって、【お妾さん】にならなきゃいけなくなって。』
金貸しのデンタは黒い噂が絶えない奴だな。
『お母さんだけでなく、そのう、私にもって、、、。』
うん?
そのエロ爺は、こんな子供にも妾になれって言ったのか?!
『なんか、色々考えちゃって、、、。』
俯きトボトボ歩く姿が切なかった。
『ごめんね、こんな話されても困るのに。
忘れて!!』
『いくら?』
『えっ?』
『借金、いくらあるの?』
『私たちでは、どうにもならない位だから。
聞かなかった事にして!!』
『リン、教えて?
どのくらいの借金なのさ?』
他人に無関心でいようとしたけれど、やっぱりそれは無理だった!
足元は所々泥化してぬかるんでいたが、靴の中もまだ湿っぽいので、滑って転ばなければ問題はない。
とりあえず元の道まで戻り、頂上を目指すか、下山するか迷っていたら、上から級友が下りて来るのが見えた。
『リ~ン!!
あんた、どこ行ってたのよ!
心配して探しちゃったんだからね!!』
リンの友達らしい。
『ちょっと、どうしてオリジョン と一緒なの?!
どう言う事?!!』
まあ、そこ、気になるよな。
『ごめん、ごめん、
私がちょっと調子が悪くなって、オリジョンくんが気にしてくれたの。
で、雨も降ったから、止むのを待ってたのよ。』
これは先に打ち合わせしておいた内容だ。
その友達は納得いかなげな顔だったが、それ以上突っ込んではこなかった。
『体調は大丈夫なの?
歩ける?
私、先生に言付けてくるから、ゆっくり下山してて!
オリジョン、リンに付いててあげて。
無理させないでよ!!』
『・・・・・、良い友達だな。』
俺に対する評価はかなり低そうだけどな。
二人でゆっくり下山する。
鳥のさえずりや、虫の音が聴こえ、静かだった。
『あのね、オリジョンくん。』
ポツリとリンが話し出す。
『うちのお母さん、離婚しててね、お針子をして私を育ててくれてるんだ。』
まあ、良く聞く話ではあるかな。
『で、金貸しのデンタさんに借金があって、【お妾さん】にならなきゃいけなくなって。』
金貸しのデンタは黒い噂が絶えない奴だな。
『お母さんだけでなく、そのう、私にもって、、、。』
うん?
そのエロ爺は、こんな子供にも妾になれって言ったのか?!
『なんか、色々考えちゃって、、、。』
俯きトボトボ歩く姿が切なかった。
『ごめんね、こんな話されても困るのに。
忘れて!!』
『いくら?』
『えっ?』
『借金、いくらあるの?』
『私たちでは、どうにもならない位だから。
聞かなかった事にして!!』
『リン、教えて?
どのくらいの借金なのさ?』
他人に無関心でいようとしたけれど、やっぱりそれは無理だった!
272
あなたにおすすめの小説
きっと幸せな異世界生活
スノウ
ファンタジー
神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。
そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。
時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。
女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?
毎日12時頃に投稿します。
─────────────────
いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……
ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。
そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。
※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。
※残酷描写は保険です。
※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
異世界でのんびり暮らしたいけど、なかなか難しいです。
kakuyuki
ファンタジー
交通事故で死んでしまった、三日月 桜(みかづき さくら)は、何故か異世界に行くことになる。
桜は、目立たず生きることを決意したが・・・
初めての投稿なのでよろしくお願いします。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる