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第1章 出会い
第3話
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「あんたは、不思議な人だね。
……過去はエルフと住んでいた。宮廷騎士だった。そして、王様だった。いや、女王様かな?正確には過去世でのことなんだろうけどもね。
それにしても不思議だね。あんたといると、不思議な親近感が、泉のように湧き上がってくる。もしかして、過去世では、あんたとあたしは、かなり仲が良かったのかもしれないね。それに。あんた、若いけど、かなり苦労しているようじゃあないか。ため込まずに、いつでも相談しな!」
今、中年女性ことミリアはお得意の占いで、水晶球を用い、目の前にいる少女を占っている。
「占い師、か。ミリアって、凄いんだね。」
少女は、ミリアへ向け、ほほ笑んだ。だが、少しだけ悲し気な笑顔だった。
ミリアは、それに気づいてか気づかなかったのか、言葉を返す。
「何故か、あたしは、生まれ変わるたびに、段々感が鋭くなっていっているって、あたしの占いの師匠から教わったんだ。それで、今世では、占い師になったんだ。何故だろうね。」
ミリアは遠い目をする。
「そうなの。段々鋭く、ね。それはきっと愛からだね。」
少女は優しい声で呟くように、訳の分からない事を言った。優しい目をして、ミリアの皺のある顔を見つめている。
愛しげに自分を見つめるこの不思議な美少女に、ミリアの頭には疑問符が浮いてくる。
あたしは初めてこの娘と会ったのに、なぜ、この娘は、あたしを知っているみたいなそぶりを見せるのか?全くこの娘は、不思議な娘だね?
ミリアが不思議そうな表情で少女を見つめていると、少女は、美しい声で言った。
「……輪廻転生って、本当に不思議だから、色々とあるのかもね。ところで、ねえ、ミリア!私のこと、どう思う?」
いきなり聞いてくる少女に、ミリアは戸惑いを見せた。
「あんたのこと、ねぇ…。会った時、不思議な親近感が湧いた。さっき言った通りだ。」
「他は!?」
「……うぅ~ん、分からないね。」
「そう……。」
ミリアの曖昧な返事に、少女は、再び悲し気な表情となる。なぜこんなにも悲しい顔をするのか、ミリアには、何も分からない。
「そういえば、あんたの名前、まだ聞いてなかったね。」
ミリアの緑の瞳が、少女のマリンブルーの2つの瞳を覗き見た。
ミリアは、自分に関する話題をそらそうと、言葉の切り口を変える。
「私の名は、ベルティア。よろしくね!」
少女は、先ほどとは変わり、ひまわりのような元気な笑顔を見せると、ミリアに握手を求め、ミリアは握手に応じた。
「そうかい。お嬢ちゃんの名前は、ベルティアちゃんなんだね。綺麗な名前だね。」
ミリアが、優しくベルティアのその可愛らしい端正な顔を覗き込むと、
「あの……。私、小さく見えるけれども、こう見えても子供じゃあないのよ。」
ベルティアは、ゆっくりと真実を告げた。
「へぇー。その外見でねぇ……。」
ミリアは、たいそう驚き、しばしの間、ベルティアの金色の長い髪と、くりっとしたかわいらしいマリンブルーの目を、興味ありげに見つめていた。
「子供じゃあないんなら、一体いくつなんだい?」
「な・い・しょっ!」
「あっ!ずるい!あたしは、年を言ったんだから、あんたも言うんだよっ!あたしよりは、若いでしょ?」
「そうね。若いかもね。でも、年を言ってしまうと、この世が永遠じゃあないのが、悲しくなってきちゃう。だから、私はね、永遠の14歳ってことにしておくの!」
「それ、ずるい!」
ちょっとだけムキになるおばさんに、ベルティアは、ただただ、小鳥のように笑い続けているのだった。
……過去はエルフと住んでいた。宮廷騎士だった。そして、王様だった。いや、女王様かな?正確には過去世でのことなんだろうけどもね。
それにしても不思議だね。あんたといると、不思議な親近感が、泉のように湧き上がってくる。もしかして、過去世では、あんたとあたしは、かなり仲が良かったのかもしれないね。それに。あんた、若いけど、かなり苦労しているようじゃあないか。ため込まずに、いつでも相談しな!」
今、中年女性ことミリアはお得意の占いで、水晶球を用い、目の前にいる少女を占っている。
「占い師、か。ミリアって、凄いんだね。」
少女は、ミリアへ向け、ほほ笑んだ。だが、少しだけ悲し気な笑顔だった。
ミリアは、それに気づいてか気づかなかったのか、言葉を返す。
「何故か、あたしは、生まれ変わるたびに、段々感が鋭くなっていっているって、あたしの占いの師匠から教わったんだ。それで、今世では、占い師になったんだ。何故だろうね。」
ミリアは遠い目をする。
「そうなの。段々鋭く、ね。それはきっと愛からだね。」
少女は優しい声で呟くように、訳の分からない事を言った。優しい目をして、ミリアの皺のある顔を見つめている。
愛しげに自分を見つめるこの不思議な美少女に、ミリアの頭には疑問符が浮いてくる。
あたしは初めてこの娘と会ったのに、なぜ、この娘は、あたしを知っているみたいなそぶりを見せるのか?全くこの娘は、不思議な娘だね?
ミリアが不思議そうな表情で少女を見つめていると、少女は、美しい声で言った。
「……輪廻転生って、本当に不思議だから、色々とあるのかもね。ところで、ねえ、ミリア!私のこと、どう思う?」
いきなり聞いてくる少女に、ミリアは戸惑いを見せた。
「あんたのこと、ねぇ…。会った時、不思議な親近感が湧いた。さっき言った通りだ。」
「他は!?」
「……うぅ~ん、分からないね。」
「そう……。」
ミリアの曖昧な返事に、少女は、再び悲し気な表情となる。なぜこんなにも悲しい顔をするのか、ミリアには、何も分からない。
「そういえば、あんたの名前、まだ聞いてなかったね。」
ミリアの緑の瞳が、少女のマリンブルーの2つの瞳を覗き見た。
ミリアは、自分に関する話題をそらそうと、言葉の切り口を変える。
「私の名は、ベルティア。よろしくね!」
少女は、先ほどとは変わり、ひまわりのような元気な笑顔を見せると、ミリアに握手を求め、ミリアは握手に応じた。
「そうかい。お嬢ちゃんの名前は、ベルティアちゃんなんだね。綺麗な名前だね。」
ミリアが、優しくベルティアのその可愛らしい端正な顔を覗き込むと、
「あの……。私、小さく見えるけれども、こう見えても子供じゃあないのよ。」
ベルティアは、ゆっくりと真実を告げた。
「へぇー。その外見でねぇ……。」
ミリアは、たいそう驚き、しばしの間、ベルティアの金色の長い髪と、くりっとしたかわいらしいマリンブルーの目を、興味ありげに見つめていた。
「子供じゃあないんなら、一体いくつなんだい?」
「な・い・しょっ!」
「あっ!ずるい!あたしは、年を言ったんだから、あんたも言うんだよっ!あたしよりは、若いでしょ?」
「そうね。若いかもね。でも、年を言ってしまうと、この世が永遠じゃあないのが、悲しくなってきちゃう。だから、私はね、永遠の14歳ってことにしておくの!」
「それ、ずるい!」
ちょっとだけムキになるおばさんに、ベルティアは、ただただ、小鳥のように笑い続けているのだった。
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