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第2章 ダンジョン編
第6話 新しい出会い
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「大丈夫!私、1人で行けます!」
ベルティアは、必死になって、断り続けていた。
断っている相手は、昨日1人でミリアの家へ訪れ、占いを依頼した若い男である。
ヴォヴゥレの街へ来たのは初めてで、彼女は、まだ宿を探していなかった。
そんな時、世話好きのミリアが、占いの店兼自宅の2階の空いた部屋に、泊めてくれていた。
この若い男とは、ミリアが占いを行っている1階の場所で出会った。
男の名は、ミリアの占いを求めて来た常連客のゲオンだ。
冒険者と思われる衣装を着たこの男に、彼女は、近くにダンジョンか遺跡が無いか、尋ねた。
ゲオンからの話によると、近くに、古より存在する、呪いのかかったダンジョンがある、という。
そして、そのダンジョン最高のお宝として、金貨1000枚分の価値のある呪いの剣があるという。
金貨1000枚♡!ベルティアは、その報酬額の高さに、心が舞い上がる。
その話を聞いたベルティアは、早速1人で、呪いの剣を求め、ダンジョンへ行こうと決めた。
ゲオンからその話を聞いたのは、昨日のことである。
それから、次の日になり、彼女は、剣を求め、ダンジョンへ向かうことにした。
生きていると、悲しい事に、メシ代などで、沢山のお金がいる。
「お金の苦」からは、誰も逃れることができない。ベルティアも、例外ではない。
ベルティアは、生活のため、ダンジョンへ行こうと思ったのだった。
だが、いざ行こうとしたら、ゲオンがここへ、来てしまった。
そして今、ゲオンがベルティアの護衛のため、ダンジョンへ共に行く、とずっと言い続けている。
断っても、彼は、頑固で譲らない。
「ゲオンさん、大丈夫です!私、強いですから。そのアイテムを取る自信があります!」
「いや!こんな小さなお嬢さん1人を、あんな恐ろしいダンジョンへ行かせることなんて、できないです!
あのダンジョンは、日々動いていて、中の状態が変わるし、それに一番奥へ行った者で、戻ってきた者は、1人もいないんだ。危険だよ。ダンジョンを熟知したゲオンがついていきます!」
ゲオンの言葉は、力に満ちている。
ゲオンは18歳の若者で、そこのダンジョンへ毎日通い、銭を稼いでいるという。そして、かなり強いともいう。
見てみると、かなりのガタイの良さから、日々鍛錬を積んでいることは間違いない。
自分は非力そうに見える小さな少女の外見だ。彼の気持ちも分かる。
だが、ベルティアにとって、実は彼は、単なる「足手まとい」でしかなかった。
ゲオンが粘る中、しばらくの間、ベルティアは、無言で考えていた。
「ベルティアさん?」
ゲオンは、不思議そうに、考えに耽るベルティアを見つめる。
少しして、ベルティアは、真っすぐにゲオンの方を向く。
マリンブルーの瞳を持つクリっとした目の可愛らしさ、顔の端正さに、ゲオンの胸が熱くなる。
ベルティアは、とびっきりの美少女なのだ。
「私、やっぱり行くことをやめようと思います。やっぱり女の子1人でダンジョンは、さすがに危険なのでね。」
ゲオンの灰色の沼の底のような目を見て、笑ってみせる。すると、その瞬間、ゲオンの顔が安堵の表情となる。
「あっ!良かった!!ほんと、1人でダンジョンへ行く、といった時には、俺、どうしようかと思っちまいましたよ。でも、考え直してくれて、良かったっす!」
ゲオンは、本心から胸をなでおろした。
ベルティアには、強烈な強さがあった。
実を言うと、彼女は圧倒的な強さから、他の者ではなしえない冒険の奥底、深淵へと踏み込む日々をずっと送り続けてきた。
そして、ダンジョンの高額アイテムなど、遺跡やダンジョンなどに隠された、普通の人が絶対に取れないようなアイテムを取り、それを売って、旅の資金などに充てていたのだ。
今回は、ゲオンに嘘を言い、先ほど彼から聞き出した情報を元に、1人で次の日の朝早く、ダンジョンへ向かう、という策略だ。
ベルティアが見た感じ、ゲオンなる青年は、かなりの強さなのだが、呪いのダンジョンの奥底までは、行きつけそうにない。
高額アイテムを狙う前に、死んでしまうだろう。それが分かっていたので、ベルティアは、わざと嘘をつき、彼を家に帰したのだった。
ベルティアは、必死になって、断り続けていた。
断っている相手は、昨日1人でミリアの家へ訪れ、占いを依頼した若い男である。
ヴォヴゥレの街へ来たのは初めてで、彼女は、まだ宿を探していなかった。
そんな時、世話好きのミリアが、占いの店兼自宅の2階の空いた部屋に、泊めてくれていた。
この若い男とは、ミリアが占いを行っている1階の場所で出会った。
男の名は、ミリアの占いを求めて来た常連客のゲオンだ。
冒険者と思われる衣装を着たこの男に、彼女は、近くにダンジョンか遺跡が無いか、尋ねた。
ゲオンからの話によると、近くに、古より存在する、呪いのかかったダンジョンがある、という。
そして、そのダンジョン最高のお宝として、金貨1000枚分の価値のある呪いの剣があるという。
金貨1000枚♡!ベルティアは、その報酬額の高さに、心が舞い上がる。
その話を聞いたベルティアは、早速1人で、呪いの剣を求め、ダンジョンへ行こうと決めた。
ゲオンからその話を聞いたのは、昨日のことである。
それから、次の日になり、彼女は、剣を求め、ダンジョンへ向かうことにした。
生きていると、悲しい事に、メシ代などで、沢山のお金がいる。
「お金の苦」からは、誰も逃れることができない。ベルティアも、例外ではない。
ベルティアは、生活のため、ダンジョンへ行こうと思ったのだった。
だが、いざ行こうとしたら、ゲオンがここへ、来てしまった。
そして今、ゲオンがベルティアの護衛のため、ダンジョンへ共に行く、とずっと言い続けている。
断っても、彼は、頑固で譲らない。
「ゲオンさん、大丈夫です!私、強いですから。そのアイテムを取る自信があります!」
「いや!こんな小さなお嬢さん1人を、あんな恐ろしいダンジョンへ行かせることなんて、できないです!
あのダンジョンは、日々動いていて、中の状態が変わるし、それに一番奥へ行った者で、戻ってきた者は、1人もいないんだ。危険だよ。ダンジョンを熟知したゲオンがついていきます!」
ゲオンの言葉は、力に満ちている。
ゲオンは18歳の若者で、そこのダンジョンへ毎日通い、銭を稼いでいるという。そして、かなり強いともいう。
見てみると、かなりのガタイの良さから、日々鍛錬を積んでいることは間違いない。
自分は非力そうに見える小さな少女の外見だ。彼の気持ちも分かる。
だが、ベルティアにとって、実は彼は、単なる「足手まとい」でしかなかった。
ゲオンが粘る中、しばらくの間、ベルティアは、無言で考えていた。
「ベルティアさん?」
ゲオンは、不思議そうに、考えに耽るベルティアを見つめる。
少しして、ベルティアは、真っすぐにゲオンの方を向く。
マリンブルーの瞳を持つクリっとした目の可愛らしさ、顔の端正さに、ゲオンの胸が熱くなる。
ベルティアは、とびっきりの美少女なのだ。
「私、やっぱり行くことをやめようと思います。やっぱり女の子1人でダンジョンは、さすがに危険なのでね。」
ゲオンの灰色の沼の底のような目を見て、笑ってみせる。すると、その瞬間、ゲオンの顔が安堵の表情となる。
「あっ!良かった!!ほんと、1人でダンジョンへ行く、といった時には、俺、どうしようかと思っちまいましたよ。でも、考え直してくれて、良かったっす!」
ゲオンは、本心から胸をなでおろした。
ベルティアには、強烈な強さがあった。
実を言うと、彼女は圧倒的な強さから、他の者ではなしえない冒険の奥底、深淵へと踏み込む日々をずっと送り続けてきた。
そして、ダンジョンの高額アイテムなど、遺跡やダンジョンなどに隠された、普通の人が絶対に取れないようなアイテムを取り、それを売って、旅の資金などに充てていたのだ。
今回は、ゲオンに嘘を言い、先ほど彼から聞き出した情報を元に、1人で次の日の朝早く、ダンジョンへ向かう、という策略だ。
ベルティアが見た感じ、ゲオンなる青年は、かなりの強さなのだが、呪いのダンジョンの奥底までは、行きつけそうにない。
高額アイテムを狙う前に、死んでしまうだろう。それが分かっていたので、ベルティアは、わざと嘘をつき、彼を家に帰したのだった。
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