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第1章 魔力要員として召喚されましたが暇なので王子様を癒します
24 約束の贈り物(R)
この世界に召喚された頃は、暑いとも寒いとも感じなかった空気が、いつの間にか陽射しがあっても肌寒さを感じるようになっていた。
艶やかな濃い緑色だった草木はうっすらと色褪せ、日本の晩秋を思わせるような色合いに変わっている。
王族の私的なエリアにあるこの庭園は、手前と左右は建物に、奥は針葉樹に囲まれ、美しく整備された草花の間に、水瓶や炎を持つ精霊の石膏像が配置されていた。
限られた者しか出入りできない庭園に、今日は非番のレヴィに伴われて来ている。
この国は、一年の半分以上は過ごしやすく、真夏のような蒸し暑い時期はない。その代わりに冬は長く、山間部は雪に覆われる時期が続くと聞いた。
もうすぐ長い冬が来る。
時の流れを感じ、来年の今頃、自分はどこで何をしているのだろうかと玲史は空を見上げた。
振り返って、高い塔と城壁を見ると、二羽の白い鳥が飛んでいく。
ここに来た日に見上げた空は茜色だった。立つのもやっとの状態でこの人の後ろを根性で歩いたけれど、今は肩を抱かれゆっくりとした歩幅で庭園を進む。
王子もチェンジで、と本気で思っていたのに、もうこの人を誰にも渡したくない。
視線を戻したら、薄い水色の瞳と絡み合う。怜悧な美貌が薄く微笑み、つられて微笑み返したら額に口付けられた。
褒め言葉を一つ言うのにも赤くなっていた初心な王子様は、こうして人目を忍んで唇で、指で、掌で触れて甘い言葉を囁く。
綺麗に手入れされた花のトンネルを抜けた先に、ガラス張りの大きな温室が見えた。
「立派な温室……」
「他国や辺境から取り寄せた、珍しい植物を集めて育てている」
レヴィが扉に手を当てて開錠すると、広い温室内には所狭しと南国風やアジア風の植物が植えられていた。
「レヴィも植物の研究をしているの?」
「研究はしていない。学園で習った程度の知識だが……」
ぼそぼそと何か言っているが聞き取りにくい。
「え、なんて?」
レヴィの頬に赤みが差した。
「今日は二人きりになりたかったからここに来た」
照れる様子に、玲史まで恥ずかしくなる。
「城に入ると知り合いに捕まる。魔術省に行くとゲンドルがいる。訓練場にはアンディがいる。どこにでも誰かがいて、魔石の間以外でレイジーと二人で過ごす場所がない」
子供が駄々をこねているみたいで可愛い。思わずクスクスと笑いが込み上げる。
「誰かに会えば、必ず貴方か、俺がしばらく相手をしなくてはいけない。俺は貴方と話して、貴方と二人で過ごしていたいのに、いつも邪魔が入る」
不貞腐れたような口調が可笑しくて、声に出して笑う。
「毎晩一緒に寝てるじゃない」
「それとこれとは違う。俺がこんなに必死なのに、貴方がいつも余裕なのは、全くもって腹立たしい!」
レヴィは、グイと抱き寄せて歩く。
余裕なんてあるわけない。最近はもう色々なものが駄々洩れで、先日は王太子様に教育的指導を受けたばかりだ。
せっかく玲史が癒しハグという体面を利用して有耶無耶にしているのに、この王子はあからさまな好意で玲史を鳥籠に誘い込む。
これは子供の独占欲だ、レヴィが飽きたら身を引く。そんな決意さえも今は揺らいでいる。
「そんなにくっついたら歩きにくいよ」
「ならば……」
抱き上げようとしたレヴィの腕を、スっとよける。
「抱っこは無しね。手をつなごう」
乾いた硬い手を取ったら、レヴィが不服そうな顔で強く握り返し、その手を引き寄せて、玲史の目を見ながら手の甲に口付けた。「これは俺のだからな」と言っているような仕草に、胸の奥がギュッと引き絞られる。
(あー可愛い。好き。参った。バカップルだな俺達、付き合ってないけど)
手をつないで進んでいくと、温室の行き止まりに、黒紫の実がなる丈の低い木が群生していた。
「目に良い薬草を取り寄せたが一足遅かった。貴方の目が治ってしまったから、言い出せなかった」
これは、ブルーベリーのサプリによく入っている、ビルベリーではないだろうか。確か、アントシアニンの含有量が5倍とか何とか……。他にも効能効果があったはずだ。
「ありがとう。かなり珍しい樹木だよね。栽培も難しいんじゃないかな。探してくれてたんだね」
「レイジーには、もう必要ないものだけどな」
張り切って探して取り寄せたのに、必要なくなって落ち込むレヴィも可愛い。
「でもこれ、実も普通に美味しいはずだよ」
完熟した黒い実を取って、レヴィの口に入れてやる。
「甘酸っぱくて美味い……」
意外そうな顔で、自分もひと粒摘まむ。
「レイジーも」
口元に寄せられ、唇で挟んで受け取る。だが、果実を噛んだ途端、酸味と渋みが口に広がった。
「べ……これまだ熟してないよ。黒いのじゃないとだめだよ」
「ああ、すまない。綺麗な紫だったから。では、こちらを」
今度は、黒くてふっくらと瑞々しい粒を取って玲史の口に入れる。
互いに口に入れることを何度か繰り返しているうちに、レヴィの指の動きが怪しくなってきた。
「んん……」
果実と一緒に、指を玲史の口の中に入れて、舌の上で果実を潰す。口の中に指を入れたまま、舌の上を、裏を、ゆっくりと撫でた。昨夜、レヴィの屹立で喉奥を突かれたことを思い出し、体の奥がゾクリと震える。
緩くなった口の端から零れた果汁を、レヴィがジュッと音を立てて啜り、指を引きぬく。溢れる唾液と甘酸っぱい果汁を飲み込んだら、ゴクリと飢えたような音が鳴った。
「レイジー」
低く甘い声で呼び、両手で玲史の髪を掬いながら頭を上向かせる。
「レヴィ」
玲史の鼻にかかった掠れた声は、発した本人が引くくらい甘ったるい。
頭を傾けさせ、反対に顎を傾けたレヴィが、玲史に覆いかぶさり濡れた唇を奪った。
確かめるように上唇と下唇をなぞり、輪郭を辿って隙間に入り込む。熱を持った舌に上顎の粘膜を舐られ、背筋がゾクゾクと震えた。熱い舌に隅々まで愛撫され、震えは背筋から全身に広がる。
「んふ……」
舌が痺れるほどに吸われ、唇は離れていった。
落ち着く間もなく、玲史のシャツをズボンから引き出し、胸の上まで捲り上げた。露わになった胸の蕾に、チュウと吸い付き、舌先で転がす。それだけで、ズボンの中はもう大変なことになっている。
「あ、ちょっ……胸、弱いから……」
頭を引き離そうとしたら、甘噛みしながら、もう片方の乳首を強く抓られた。
「ひぁ……」
こんな真昼間に、公共の場でしていいことではない。
「ダメ……部屋に……部屋に戻ろ……」
「待てない」
すっかり赤く充血した蕾を指で強く抓り、もう片方は唇で優しく食む。痛みと快感で腰が勝手に動く。
「ここじゃ……ダメだよ」
じわじわとせり上がって来た快感が、突如として尾てい骨から脳天に突き抜けた。
「ああっ……」
下着の中で、熱いものが弾けていた。
「達したのか?」
玲史は、はぁはぁと胸で息を吐く。
「出ちゃった、じゃ、ないか……」
玲史の涙声に、仄暗い笑みを浮かべる。
ズボンの紐を解かれて、下着ごと一気に下ろされた。
「たくさん出たな」
レヴィが、肌にまとわりつく白濁を舐め取る。達したばかりのそこは敏感で、舐められる度に熱が集まっていく。
「やらっ……っく……ぎゅってなるぅ……」
恐ろしい速度で集まっていく血液に、目の前がチカチカして眩暈がする。
「今度は俺と一緒にぎゅってなろう?」
抱き上げられ、軽く振られたら、足からズボンと靴が落ちる。
「部屋……戻る?」
「ああ、この後にな」
胸が苦しくて切なくて、どうしていいか分からない。
温かくて明るい所に下ろされ、目を開けたらガラスの壁だった。
「枠につかまって」
ガラスの枠に手を付いたら、太腿の間に、火傷しそうなほど熱いものが差し込まれた。
切羽詰まった様子で、いきなりトップスピードで腰を動かす。
「レイジー……レイジー……」
玲史の名前を呼びながら、後ろから夢中で突き上げる。
ガラスにしがみつく玲史の下半身は真っ裸だ。こんな明るくて、いつ人が来るとも知れない場所からは早く逃げ出したいのに、必死なレヴィの求めに本気で逃げられない。
その時、こちらに背中を向けて作業をしている庭師の姿が目に入った。
「人がいる……」
そこに、麦わら帽子をかぶって草刈り鎌を持った子供が駆け寄り、こっちを指差して見ている。
「いや……見られたっ……」
玲史は身を捩るが、レヴィは構わず、足が浮くくらいに激しく腰を動かす。
「やだ……やだよぅ、見られてる……」
「見せてやったらいい」
庭師は、何か言いながら子供と二人でこちらを見ている。
「や、許して……こんなの、だめ……」
羞恥心と罪悪感で体中が熱い。嫌なはずなのに、快感が一気に駆け上がる。玲史の先端からは透明な蜜が今まで以上に溢れ、今にも弾けそうなほど張りつめていた。
「あっ、あっ……いや……」
「このガラスは、魔力強化されていて、外からは見えない」
「何、それ……早く、言ってよ」
だが、見えないと知っても、優し気な庭師とあどけない少年の眼差しが向けられていることには羞恥心が拭えない。敏感な部分を、熱くて硬いものでゴリゴリ削られ、背徳感さえ快感に塗り替えられていく。
「達く……も、だめ……」
「ああ、俺も……」
ひと際強く腰を打ち付けられ、目の前が真っ白になった次の瞬間、二人分の飛沫がガラスに飛び散った。
膝が震えて立っていられない玲史の為に、上着の上に座らせて、レヴィが洗浄魔術を施す。
甲斐甲斐しく事後の世話をするレヴィを見ていると、強引にされたことを怒る気も失せる。
覚えたばかりの快楽を、18歳の若者に制御しろと言う方が無理なのかもしれない。
玲史自身、今まで気付かなかったが、強引にされると頭のネジが飛んで、訳が分からなくなってしまうようだ。
レヴィが何を見て余裕があるなどと言うのか、玲史には益々分からなくなる。
ビルベリーは目に良い点にばかり注目されがちだが、確か原生国では昔から薬のように使われてきたはずだ。実だけではなくて葉にも薬効成分があるのだ。サプリメントの営業担当がリーフレットを持って来ていたが、続きはウェブでと言われてそれきり見ていなかった。
「エキスを抽出して、ジュースに混ぜてセティ殿下に届けたらどうかな」
籠にビルベリーの実を摘み取りながら、レヴィに提案する。
この国で一番の働き者であろう王太子の健康管理の一環として、美味しい健康ドリンクがあったらいいのではないかと考えた。
先日の忠告に対するご機嫌取りだと思われるだろうか。
「兄上だったら、きっと喜ぶ」
レヴィが嬉しそうに言うから、機嫌取りだと思われても構わない。
籠いっぱいに収穫する頃には、指先が紫に染まっていた。
温室から出たら、庭師と子どもがこちらを見てる。
「お仕事お疲れ様です」
「レヴィ殿下、ナヴィ様、こんにちは」
庭師の挨拶に続き、子供も元気に挨拶をする。
「うるさくして申し訳ございません。息子が中に入りたがって騒いでしまいまして」
「この温室は防音の魔術が施されているから問題ない」
そんな会話を聞いて、何となくホッとする。中は見えないと言われても、やはり気になっていたのだ。
「レヴィ、この実を分けてあげてもいい?」
「特に問題はない」
片手に乗るくらいのビルベリーの実を、ハンカチに包んで渡す。
「これ、健康に良い実だよ。食べ過ぎるとお腹が緩くなるから、家族で分けて食べるんだよ」
恐縮する庭師と喜ぶ少年を見ながら、レヴィと玲史は連れ立って王城へと戻った。
艶やかな濃い緑色だった草木はうっすらと色褪せ、日本の晩秋を思わせるような色合いに変わっている。
王族の私的なエリアにあるこの庭園は、手前と左右は建物に、奥は針葉樹に囲まれ、美しく整備された草花の間に、水瓶や炎を持つ精霊の石膏像が配置されていた。
限られた者しか出入りできない庭園に、今日は非番のレヴィに伴われて来ている。
この国は、一年の半分以上は過ごしやすく、真夏のような蒸し暑い時期はない。その代わりに冬は長く、山間部は雪に覆われる時期が続くと聞いた。
もうすぐ長い冬が来る。
時の流れを感じ、来年の今頃、自分はどこで何をしているのだろうかと玲史は空を見上げた。
振り返って、高い塔と城壁を見ると、二羽の白い鳥が飛んでいく。
ここに来た日に見上げた空は茜色だった。立つのもやっとの状態でこの人の後ろを根性で歩いたけれど、今は肩を抱かれゆっくりとした歩幅で庭園を進む。
王子もチェンジで、と本気で思っていたのに、もうこの人を誰にも渡したくない。
視線を戻したら、薄い水色の瞳と絡み合う。怜悧な美貌が薄く微笑み、つられて微笑み返したら額に口付けられた。
褒め言葉を一つ言うのにも赤くなっていた初心な王子様は、こうして人目を忍んで唇で、指で、掌で触れて甘い言葉を囁く。
綺麗に手入れされた花のトンネルを抜けた先に、ガラス張りの大きな温室が見えた。
「立派な温室……」
「他国や辺境から取り寄せた、珍しい植物を集めて育てている」
レヴィが扉に手を当てて開錠すると、広い温室内には所狭しと南国風やアジア風の植物が植えられていた。
「レヴィも植物の研究をしているの?」
「研究はしていない。学園で習った程度の知識だが……」
ぼそぼそと何か言っているが聞き取りにくい。
「え、なんて?」
レヴィの頬に赤みが差した。
「今日は二人きりになりたかったからここに来た」
照れる様子に、玲史まで恥ずかしくなる。
「城に入ると知り合いに捕まる。魔術省に行くとゲンドルがいる。訓練場にはアンディがいる。どこにでも誰かがいて、魔石の間以外でレイジーと二人で過ごす場所がない」
子供が駄々をこねているみたいで可愛い。思わずクスクスと笑いが込み上げる。
「誰かに会えば、必ず貴方か、俺がしばらく相手をしなくてはいけない。俺は貴方と話して、貴方と二人で過ごしていたいのに、いつも邪魔が入る」
不貞腐れたような口調が可笑しくて、声に出して笑う。
「毎晩一緒に寝てるじゃない」
「それとこれとは違う。俺がこんなに必死なのに、貴方がいつも余裕なのは、全くもって腹立たしい!」
レヴィは、グイと抱き寄せて歩く。
余裕なんてあるわけない。最近はもう色々なものが駄々洩れで、先日は王太子様に教育的指導を受けたばかりだ。
せっかく玲史が癒しハグという体面を利用して有耶無耶にしているのに、この王子はあからさまな好意で玲史を鳥籠に誘い込む。
これは子供の独占欲だ、レヴィが飽きたら身を引く。そんな決意さえも今は揺らいでいる。
「そんなにくっついたら歩きにくいよ」
「ならば……」
抱き上げようとしたレヴィの腕を、スっとよける。
「抱っこは無しね。手をつなごう」
乾いた硬い手を取ったら、レヴィが不服そうな顔で強く握り返し、その手を引き寄せて、玲史の目を見ながら手の甲に口付けた。「これは俺のだからな」と言っているような仕草に、胸の奥がギュッと引き絞られる。
(あー可愛い。好き。参った。バカップルだな俺達、付き合ってないけど)
手をつないで進んでいくと、温室の行き止まりに、黒紫の実がなる丈の低い木が群生していた。
「目に良い薬草を取り寄せたが一足遅かった。貴方の目が治ってしまったから、言い出せなかった」
これは、ブルーベリーのサプリによく入っている、ビルベリーではないだろうか。確か、アントシアニンの含有量が5倍とか何とか……。他にも効能効果があったはずだ。
「ありがとう。かなり珍しい樹木だよね。栽培も難しいんじゃないかな。探してくれてたんだね」
「レイジーには、もう必要ないものだけどな」
張り切って探して取り寄せたのに、必要なくなって落ち込むレヴィも可愛い。
「でもこれ、実も普通に美味しいはずだよ」
完熟した黒い実を取って、レヴィの口に入れてやる。
「甘酸っぱくて美味い……」
意外そうな顔で、自分もひと粒摘まむ。
「レイジーも」
口元に寄せられ、唇で挟んで受け取る。だが、果実を噛んだ途端、酸味と渋みが口に広がった。
「べ……これまだ熟してないよ。黒いのじゃないとだめだよ」
「ああ、すまない。綺麗な紫だったから。では、こちらを」
今度は、黒くてふっくらと瑞々しい粒を取って玲史の口に入れる。
互いに口に入れることを何度か繰り返しているうちに、レヴィの指の動きが怪しくなってきた。
「んん……」
果実と一緒に、指を玲史の口の中に入れて、舌の上で果実を潰す。口の中に指を入れたまま、舌の上を、裏を、ゆっくりと撫でた。昨夜、レヴィの屹立で喉奥を突かれたことを思い出し、体の奥がゾクリと震える。
緩くなった口の端から零れた果汁を、レヴィがジュッと音を立てて啜り、指を引きぬく。溢れる唾液と甘酸っぱい果汁を飲み込んだら、ゴクリと飢えたような音が鳴った。
「レイジー」
低く甘い声で呼び、両手で玲史の髪を掬いながら頭を上向かせる。
「レヴィ」
玲史の鼻にかかった掠れた声は、発した本人が引くくらい甘ったるい。
頭を傾けさせ、反対に顎を傾けたレヴィが、玲史に覆いかぶさり濡れた唇を奪った。
確かめるように上唇と下唇をなぞり、輪郭を辿って隙間に入り込む。熱を持った舌に上顎の粘膜を舐られ、背筋がゾクゾクと震えた。熱い舌に隅々まで愛撫され、震えは背筋から全身に広がる。
「んふ……」
舌が痺れるほどに吸われ、唇は離れていった。
落ち着く間もなく、玲史のシャツをズボンから引き出し、胸の上まで捲り上げた。露わになった胸の蕾に、チュウと吸い付き、舌先で転がす。それだけで、ズボンの中はもう大変なことになっている。
「あ、ちょっ……胸、弱いから……」
頭を引き離そうとしたら、甘噛みしながら、もう片方の乳首を強く抓られた。
「ひぁ……」
こんな真昼間に、公共の場でしていいことではない。
「ダメ……部屋に……部屋に戻ろ……」
「待てない」
すっかり赤く充血した蕾を指で強く抓り、もう片方は唇で優しく食む。痛みと快感で腰が勝手に動く。
「ここじゃ……ダメだよ」
じわじわとせり上がって来た快感が、突如として尾てい骨から脳天に突き抜けた。
「ああっ……」
下着の中で、熱いものが弾けていた。
「達したのか?」
玲史は、はぁはぁと胸で息を吐く。
「出ちゃった、じゃ、ないか……」
玲史の涙声に、仄暗い笑みを浮かべる。
ズボンの紐を解かれて、下着ごと一気に下ろされた。
「たくさん出たな」
レヴィが、肌にまとわりつく白濁を舐め取る。達したばかりのそこは敏感で、舐められる度に熱が集まっていく。
「やらっ……っく……ぎゅってなるぅ……」
恐ろしい速度で集まっていく血液に、目の前がチカチカして眩暈がする。
「今度は俺と一緒にぎゅってなろう?」
抱き上げられ、軽く振られたら、足からズボンと靴が落ちる。
「部屋……戻る?」
「ああ、この後にな」
胸が苦しくて切なくて、どうしていいか分からない。
温かくて明るい所に下ろされ、目を開けたらガラスの壁だった。
「枠につかまって」
ガラスの枠に手を付いたら、太腿の間に、火傷しそうなほど熱いものが差し込まれた。
切羽詰まった様子で、いきなりトップスピードで腰を動かす。
「レイジー……レイジー……」
玲史の名前を呼びながら、後ろから夢中で突き上げる。
ガラスにしがみつく玲史の下半身は真っ裸だ。こんな明るくて、いつ人が来るとも知れない場所からは早く逃げ出したいのに、必死なレヴィの求めに本気で逃げられない。
その時、こちらに背中を向けて作業をしている庭師の姿が目に入った。
「人がいる……」
そこに、麦わら帽子をかぶって草刈り鎌を持った子供が駆け寄り、こっちを指差して見ている。
「いや……見られたっ……」
玲史は身を捩るが、レヴィは構わず、足が浮くくらいに激しく腰を動かす。
「やだ……やだよぅ、見られてる……」
「見せてやったらいい」
庭師は、何か言いながら子供と二人でこちらを見ている。
「や、許して……こんなの、だめ……」
羞恥心と罪悪感で体中が熱い。嫌なはずなのに、快感が一気に駆け上がる。玲史の先端からは透明な蜜が今まで以上に溢れ、今にも弾けそうなほど張りつめていた。
「あっ、あっ……いや……」
「このガラスは、魔力強化されていて、外からは見えない」
「何、それ……早く、言ってよ」
だが、見えないと知っても、優し気な庭師とあどけない少年の眼差しが向けられていることには羞恥心が拭えない。敏感な部分を、熱くて硬いものでゴリゴリ削られ、背徳感さえ快感に塗り替えられていく。
「達く……も、だめ……」
「ああ、俺も……」
ひと際強く腰を打ち付けられ、目の前が真っ白になった次の瞬間、二人分の飛沫がガラスに飛び散った。
膝が震えて立っていられない玲史の為に、上着の上に座らせて、レヴィが洗浄魔術を施す。
甲斐甲斐しく事後の世話をするレヴィを見ていると、強引にされたことを怒る気も失せる。
覚えたばかりの快楽を、18歳の若者に制御しろと言う方が無理なのかもしれない。
玲史自身、今まで気付かなかったが、強引にされると頭のネジが飛んで、訳が分からなくなってしまうようだ。
レヴィが何を見て余裕があるなどと言うのか、玲史には益々分からなくなる。
ビルベリーは目に良い点にばかり注目されがちだが、確か原生国では昔から薬のように使われてきたはずだ。実だけではなくて葉にも薬効成分があるのだ。サプリメントの営業担当がリーフレットを持って来ていたが、続きはウェブでと言われてそれきり見ていなかった。
「エキスを抽出して、ジュースに混ぜてセティ殿下に届けたらどうかな」
籠にビルベリーの実を摘み取りながら、レヴィに提案する。
この国で一番の働き者であろう王太子の健康管理の一環として、美味しい健康ドリンクがあったらいいのではないかと考えた。
先日の忠告に対するご機嫌取りだと思われるだろうか。
「兄上だったら、きっと喜ぶ」
レヴィが嬉しそうに言うから、機嫌取りだと思われても構わない。
籠いっぱいに収穫する頃には、指先が紫に染まっていた。
温室から出たら、庭師と子どもがこちらを見てる。
「お仕事お疲れ様です」
「レヴィ殿下、ナヴィ様、こんにちは」
庭師の挨拶に続き、子供も元気に挨拶をする。
「うるさくして申し訳ございません。息子が中に入りたがって騒いでしまいまして」
「この温室は防音の魔術が施されているから問題ない」
そんな会話を聞いて、何となくホッとする。中は見えないと言われても、やはり気になっていたのだ。
「レヴィ、この実を分けてあげてもいい?」
「特に問題はない」
片手に乗るくらいのビルベリーの実を、ハンカチに包んで渡す。
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