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第11話 ドリサの街
「おー、あれがドリサかな」
手庇で前方を眺めるラヴィポッド。街を囲う巨大な石の壁、魔族などの外敵から身を守るための街壁が見えてきた。
「怖がられないようにゴーレムちっちゃくしたいけど……」
呟いた視線の先には、ストーンゴーレムの手で気を失ったままのアロシカ。ハニの応急処置によって布が巻かれ、ミイラのようになっている。
「一人じゃ運べないし、このままでもいっか。なんとかなるでしょ」
多少驚かれるかもしれないが、その時はその時。
ストーンゴーレムに乗ってドリサへ近づく。後ろにはフレイムゴーレムがふよふよと浮いて追従していた。
「入口は……あそこっぽいね」
モグラの紋章が描かれた大きな門を見つけ、そちらへ足を運ぶ。
「モグピ族?」
紋章が友人たちに似ていて首を傾げる。ここは人族の街の筈なのに、これではモグピ族の街みたいではないかと。
じーっと見つめていると、紋章が真っ二つに割れた。門が内側から重々しく開かれたのだ。
そして開いた門の先に、一人の男が立っていた。
「来世は休みの日に仕事の連絡がこない職場を選ぼう。っは~、マジ勘弁」
年の頃は二十代半ば程。サラサラした水色のショートヘア。高く通った鼻筋に気怠げな一重の瞼。百九十センチを超える高身長だがスラリとした線の細い体系だからか、実際の身長よりは小柄な印象を受ける。
門番から「正体不明の石の巨人接近」と連絡を受けてすぐに家を出た所為で、ゆったりとした半袖短パンの部屋着姿のまま長い刀身の西洋剣──ロングソードを片手にしていた。
連絡を受けるまで寝ていたのか大きな欠伸をしつつ、服の裾から腕を突っ込んで腹を掻いている。
「ユーエス団長! 暢気なことを言っている場合ではありません!」
「はいはい、わかってるって」
水色髪のドリサ騎士団長──ユーエスは彼を呼び出した門番に諫められると、シッシと手を振って面倒くさそうにあしらう。ゴブリンたちが撤退する程のプレッシャーを放つストーンゴーレムに、散歩でもしているような気楽さで近づいた。
「そこにいる人ー、話に応じる気はありますかー?」
角度的にはストーンゴーレムの手に乗っているラヴィポッドを視認できない。だがユーエスはそこに誰かがいると気づいていた。
ラヴィポッドがおずおずとストーンゴーレムの手から顔を出す。
「あ、ありますっ!」
「……」
ユーエスが僅かに沈黙する。まさか子どもが出てくるとは思っていなかった。
「小っちゃ。子どもがデカブツ連れて何の用?」
「こ、この人の手当てをお願いしたくて」
ストーンゴーレムがユーエスに手を差し出す。
そこに倒れているアロシカを覗き込んでユーエスが苦り切る。
「うーわ、見てるだけで痛くなる」
元は白かったであろう布に血が滲んで赤黒く変色していた。容態を確認すると、手招きして門番を呼ぶ。
「この子薬屋に連れてって。なるだけ早くね」
門番も急を要すると判断してすぐに動き出す。近場にいた兵士に声を掛け、アロシカを担架に乗せて運んで行った。
「さてデカブツと子どもはどうする、か……」
事情もどこの誰かもわからないが重傷の子どもを放ってはおけない。アロシカに関しては治療を受けさせて、色々聞きだすのはその後でいい。
問題は石の巨人と大きな火の玉、そしてそれの主であろう銀髪プリン頭の子ども。
どう対応しようかとユーエスが振り向くと、ラヴィポッドがクレイゴーレムとフレイムゴーレムを小さくしているところだった。ストーンゴーレムはラヴィポッドが掴める大きさの石人形に。フレイムゴーレムは火が消え、小さくなった仮面と腕甲が折り畳められてコンパクトに。
「あー……そういう感じだ?」
呆気に取られていると、ゴーレムをポッケに入れたラヴィポッドが口を開く。
「あ、ありがとうございました。ではこれで……」
逃げるように立ち去ろうとするラヴィポッド。パンパンに膨らんだバックパックに腕を通して「ぬおお……」と力一杯立ち上がろうとするが持ち上がらない。
見兼ねたユーエスがバックパックを持ち上げて片方の肩に掛け、ラヴィポッドの首根っこを掴む。
「な、なにするんですか……」
嫌な予感がしたラヴィポッドが抗議する。
「今逃げようとしたよね。ダメだよ。おチビちゃんみたいな珍獣は連れてかないと上司に怒られるから」
「じょ、ジョウシさんって怖いんですか?」
「厳しい人だから怖がってる奴は多いね」
ラヴィポッドが青褪めて「あばば……」と震え出した。荷物があるため逃げ出すこともできず、ユーエスに連行される。
持ち上げられてされるがままのラヴィポッド。道中ぷらぷらと揺れながら、ドリサの街並みを忙しなく見回していた。
白、グレー、茶、赤、橙、青など色とりどりな縦長の家が隙間なくびっしりと立ち並んだカラフルな街並み。基本は三角屋根だが楕円形の屋根もあり形は様々。
大通りに面した家屋はその殆どが飲食店や雑貨店として営業しており、店先には天幕が張られテラス席が設置されていたり雑貨が陳列されていたりと賑やかで活気に満ちている。
「お上りさん」
ユーエスが呟く。
キョロキョロと初めての都会に魅入られているラヴィポッドには聞こえなかった。
◇
「それでそれで! 当たり屋が怖かったんですけど火魔術撃たれたときにビビッときたんです! これ全部食べれたらクレイゴーレムが進化するかもって! そしたらストーンゴーレムがまだ石食べれることもわかったりして……」
ぺちゃくちゃ。大きな身振り手振りを交えて怒涛の勢いで語るラヴィポッド。
対面で執務机に腰掛け、腕を組んだ強面の男が渋い顔をしていた。閉じた片目に残った裂傷痕、オールバックにした金髪、歴戦の猛者が如き風格を漂わせる男こそドリサの領主──ダルム・ドリサ。
(この娘がドリサへ来た経緯、エユの村を占領していたゴブリンが魔王軍の所属であったことを聞き出せたまでは良かったが……)
部屋に入ってくるなりダルムの顔を見て失神しそうになるラヴィポッドからなんとか事情を聴くことができた。
その後ラヴィポッドが乗っていた石の巨人と、背後に飛んでいた火の玉について聞いたが最後。クレイゴーレムが岩石を吸収してストーンゴーレムに進化したところから話は始まり、進化についてラヴィポッドなりの考察を挟みつつ事細かに語りだしたのだった。
(ゴーレムについて聞いたのは間違いだったか。だが重要な情報が混ざっているのも事実……)
失われた魔術とまで言われるゴーレム錬成についての情報は貴重。聞き漏らす訳にいかないが、時折含まれるラヴィポッドの長編サクセスストーリーが鬱陶しい。つい真剣に聞いてしまう。
ダルムがラヴィポッドの隣に座る人物に物言いたげな視線を向ける。ラヴィポッドを連れてきた張本人、騎士団長ユーエスはソファに座ったまま寝ていた。
魔王軍の話が出たあたりで人払いをしたため部屋には三人のみ。聞き取りを誰かに押し付けることも出来ず、かといって「要点だけを話せ」と話を遮ればラヴィポッドが失神することは容易に想像できた。結果、何もできず今に至る。
「……って感じです!」
漸くラヴィポッドが語り終え、ダルムは記録用のペンを置く。
「そうか。情報提供、そしてエユの村人を救ってくれたこと、感謝する」
「むっふん」
気を良くしたラヴィポッドが胸を張る。
「疲れたろう。今日は帰っていい」
「……今日は?」
つまり後日またお呼び出しがあるのかと警戒する。
「あることを頼みたいと思っている。話が固まり次第連絡しよう」
ラヴィポッドの意思は聞かない。確定事項のようだ。
「わ、わたしはすぐ王都に行かなきゃなので他の人に頼んでいただければ……泊まる場所もないですし」
ラヴィポッドは泊まる場所がなくとも土魔術で仮説住宅を建てて野宿できる。見張りをゴーレムに任せれば安全性も高い。実際に家を出てからここまでそうして来た。多少ではあるが持ち合わせもあるため宿も取れる。
何としてでもダルムの頼みを断りたくて適当なことを言っていた。
「お前さんはまだ若い。そう急ぐこともないだろう。衣食住についてはユーエスに面倒見させるから安心していい」
どうしても頼みを聞いてもらいたいダルムも譲らない。ついでに暢気な顔で寝ているユーエスへラヴィポッドの世話を押し付ければ、多少気分も晴れやかになるというもの。
ラヴィポッドが不安そうにユーエスの寝顔を覗き見る。
「ん、なんか言った?」
二人の視線を受けてか、ユーエスが折好く目を覚ました。
「しばらくこの娘をお前に任せる」
「……マジで?」
ダルムから端的に告げられ、ユーエスが目を丸くする。
「逃げようとするだろうからしっかり見張っておけ」
見透かされたラヴィポッド。ギクリと肩を竦ませる。
ダルムはラヴィポッドの性格を概ね把握していた。死と隣り合わせの戦場と、狸ばかりの社交界を生き抜いた経験の為せる業。根気強くラヴィポッドのサクセスストーリーを聞いたことも大きい。
(娘の言う「当たり屋」がエユの村に派兵した騎士たちのことだとすれば、話を聞く限りユーエス以外にストーンゴーレムとフレイムゴーレムを同時に制圧できるものがいない。それに……)
ダルムの猛禽類を想起させる鋭い視線がラヴィポッドを射抜く。
逃げようとしていたことがバレた後ろめたさでラヴィポッドが顔を背けていたのは幸運だった。目があえば泡を吹いて倒れていただろう。
(底が知れないのはこの娘の方か)
二体のゴーレムはどうとでもなる。だが失われた魔術を現代に取り戻した人物の実力は未知数。加えラヴィポッドはまだ幼い。その潜在能力はどれほどか。
何より。
(娘とゴーレムの存在が魔王軍に露見しているのは、まずいな)
ダルムの目の傷が疼く。とある魔族との戦闘で負った傷。ラヴィポッドが魔族側に引き抜かれでもすれば、次の戦は魔族側に大きく傾きかねない。
ドリサで匿うことができればよいが、他の貴族にゴーレムのことが知られれば独占だなんだと口煩い輩が出てくるのは必定。ラヴィポッド本人も王都に用があるらしいので留めることはできないだろう。
ならばせめてドリサにいる間は魔族からの干渉を跳ね除けねば。ドリサにおいて最も安全な場所は騎士団長ユーエスの側。
「頼んだぞ」
ダルムはこれが最善だと確信しているが、頭を抱える騎士団長と縮こまって視線を彷徨わせる少女を見て、自身の判断に一抹の不安を抱いた。
◇
「チビ、奢られる側なら遠慮しようね」
ラヴィポッドの前に積みあがった空の食器を見てユーエスが冷や汗をかく。小さな体のどこにこれだけの料理が収まるのか。ちょうど夕食時だからとレストランに寄ってみれば、財布への思わぬ大打撃。
(ダルムさんにツケとこ)
大打撃をダルムへと受け流す。ラヴィポッドとの食事代を経費として申請することを心に決めた。
「うぷっ。で、でもそっちの方がたくさん食べてますし」
ラヴィポッドが膨らんだお腹を摩《さす》りながら物申す。確かにユーエスの前にはラヴィポッドよりも高く食器が積み上がっていた。
「僕は自分の金だから」
「お店に入ったときは遠慮しなくていいって……」
「限度ってもんがあんの」
ユーエスはやけくそ気味にフォークを刺し、ステーキを口に運ぶ。
(マナの総量が多い、質が高いほど変換と維持にエネルギーを多く消費する。こんだけ食べるってことは……)
優れた魔術師には大食いの傾向がある。二人とも例に漏れず人並み外れた食欲を持っていた。
(ダルムさんが僕に見張りを任せたのはそういうことかな)
ユーエスが寝ている間に、ラヴィポッドの資質を見抜いたのだろう。
「すいませーん。これと、これと……あとこっちもお願いします」
「わ、わたしもそれ食べたいです」
「こら」
「ひぃ!」
メニュー表を指さして追加注文するユーエス。便乗したラヴィポッドに冷ややかな目を向けるが、あまりにも怯えたので可哀想に思えてきた。
「……ま、腹減ってるなら仕方ないか。今度ダルムさんに会ったら礼言っときな」
ぶんぶん頷くラヴィポッドを見て薄く笑い、ラヴィポッドの分も注文する。どうせ支払いはダルムにツケるのだから。
ウェイターは何度目かの追加注文に引き攣った笑みを浮かべて厨房へと消えていった。
◇
「あー……食ったね~」
「美味かったですね~」
満足そうに歩くラヴィポッドとユーエス。二人は領主邸宅の敷地内を歩いていた。ユーエスの住む騎士宿舎が併設されているからだ。
するとそこへ高校生くらいの勝気な目をした少女が通りがかった。きつい訓練を終えたばかり。汗で湿り、細くなった金の毛先が顔に張り付いている。短い髪、晒された健康的な首にタオルを巻いて額の汗を拭う。
そしてふと二人に気づき、呆然と立ち止まった。
「ユー、エス?」
やたらパンパンに膨らんだバックパックを背負うユーエスと、隣で幸せそうにお腹を押さえるラヴィポッドを交互に見る。
「あ、ルムアナちゃん。訓練終わり?」
様子のおかしい少女──ルムアナへ、ユーエスが気さくに話しかける。
「え、ええ」
「お疲れさま」
「ありがと……ユーエス、あなた子どもがいたの?」
ルムアナは返事こそしているものの、どこか上の空だった。
対するユーエスはおかしな勘違いに微笑む。
「……僕に子どもはいないよ。この娘はラヴィポッドちゃん。今日ドリサに来たばかりでね、ダルムさんに頼まれて少しの間面倒見ることになった」
「お父様に……」
ルムアナ・ドリサはダルム・ドリサの次女。貴族の御息女が訓練に参加して汗水流しているのは、それがドリサ家の方針だから。貴族、騎士から一介の使用人までが文武両道を体現するドリサは他貴族からも一目置かれていた。
「何故ユーエスが子守りをしなければならないの? メイドに任せればいいじゃない。どこかの貴族なのかしら? それにしたって……」
常に重要な職務に当たる騎士団長。その彼に子守りを任せるのだから、ラヴィポッドはどこぞの要人なのではないかと勘繰る。ただ要人ならば騎士団長がついているとは言え二人でうろつかせはしないだろう。ラヴィポッドが付き人を従えていないのはおかしい。考えるほど理由がわからない。
ルムアナはそれとなく視線を向けただけだが、父親譲りの目つきはきつく見えたようで、
「ひぃぃ」
ラヴィポッドがユーエスの陰に隠れた。
「僕も理由は聞いてないから何とも。気になるならダルムさんに直接聞くしかないね」
(なんとなく察しはついてるけど)
ユーエスはラヴィポッドが優れた魔術師であることを見抜いていたが、ダルムの意図を完全に読めてはいない。誤解を招かぬよう明言を避ける。
「そう……」
思考の渦に飲まれたルムアナ。
「じゃ、おやすみ。明日は僕も訓練に参加するからお互い頑張ろうね」
「おやすみなさい。今度こそユーエスから一本取ってみせるわ」
「一応僕『九英傑』なんて呼ばれてるから、負けるわけにはいかないよ」
九英傑。ここニムイディット王国でも最高峰、英雄の領域に達した九人を人はそう呼ぶ。ユーインはそこに名を連ねる超越した実力の持ち主だった。
ルムアナが勝てないのは当然といえばそれまで。だがいつかユーインに追いつきたいと、剣に志を乗せて日々訓練に励んでいた。
自室へと向かうユーエス。
ルムアナは近くにいても遠く感じるその背を見送り……ついていくラヴィポッドに気づいて眉をピクリとさせた。
「ちょっと待ちなさい」
ユーエスとラヴィポッドが「なんですか?」と目を丸くして振り返る。
「まさかとは思うけれど、同じ部屋で寝るつもりじゃないでしょうね」
憧れの人と、子どもとはいえぽっと出の女が一つ屋根の下。百歩譲って他に泊まる場所がないのならまだわかる。しかし他に部屋はいくらでもあるし、ルムアナは一歩たりとも譲る気はない。
「? そうだけど……」
首を傾げたユーエスとラヴィポッドが顔を見合わせる。ルムアナの気など知らない二人は「何か問題が?」とでも言いたげだ。
ユーエスは十歳の子どもを女性として意識していない。ではラヴィポッドはどうかといえば恋愛のれの字も知らないガキンチョだった。
(この二人に言ったところで埒が明かないわ)
事細かにルムアナの心境を説明するのは気恥ずかしい。それに説明することで二人が変に意識しだすきっかけを与えたくない。
「ついてきなさい。お父様のところへ行くわよ」
「今日休みなんだけど……」
「ま、またあの怖い人に会うんですか……」
「いいから!」
惚けた顔を見て何かを諦めたルムアナは、二人を引き連れて父の元へ直談判に向かった。
◇
「ならん」
一刀両断。
ダルムはルムアナの言い分をバッサリと切り捨てた。
拳を強く握りしめて部屋を出て行ったルムアナ。乱暴に閉じられたドアの音にラヴィポッドがビクッと驚く。
「や、やっぱりわたし早く王都に行きたいので……」
「ならん」
ラヴィポッドが流れで逃げ出そうとしたが、それも駄目らしい。
「あの女の人怒ってましたね」
「どうしたんだろ」
よくわからないが話は済んだと判断して部屋を出ようとするラヴィポッドとユーエス。部屋を出る間際、ラヴィポッドがドアの前でふと何かを思い出して振り返った。
「あ、あの……」
「どうした?」
先を促すダルムの顔が怖いのかもじもじと口を開き、
「ご、ごちそうさまでした!」
頭を下げて夕食代のお礼をした。
ダルムはごちそうさまなどと言われる心当たりがなく、怪訝に目を細める。
(今じゃない今じゃない……!)
冷や汗を浮かべたユーエスがラヴィポッドの首根っこを掴み、
「失礼しましたー!」
そそくさと部屋から出ていった。
後日ダルムは執務室で一人、レストランからの請求書を前に頭を抱えた。
手庇で前方を眺めるラヴィポッド。街を囲う巨大な石の壁、魔族などの外敵から身を守るための街壁が見えてきた。
「怖がられないようにゴーレムちっちゃくしたいけど……」
呟いた視線の先には、ストーンゴーレムの手で気を失ったままのアロシカ。ハニの応急処置によって布が巻かれ、ミイラのようになっている。
「一人じゃ運べないし、このままでもいっか。なんとかなるでしょ」
多少驚かれるかもしれないが、その時はその時。
ストーンゴーレムに乗ってドリサへ近づく。後ろにはフレイムゴーレムがふよふよと浮いて追従していた。
「入口は……あそこっぽいね」
モグラの紋章が描かれた大きな門を見つけ、そちらへ足を運ぶ。
「モグピ族?」
紋章が友人たちに似ていて首を傾げる。ここは人族の街の筈なのに、これではモグピ族の街みたいではないかと。
じーっと見つめていると、紋章が真っ二つに割れた。門が内側から重々しく開かれたのだ。
そして開いた門の先に、一人の男が立っていた。
「来世は休みの日に仕事の連絡がこない職場を選ぼう。っは~、マジ勘弁」
年の頃は二十代半ば程。サラサラした水色のショートヘア。高く通った鼻筋に気怠げな一重の瞼。百九十センチを超える高身長だがスラリとした線の細い体系だからか、実際の身長よりは小柄な印象を受ける。
門番から「正体不明の石の巨人接近」と連絡を受けてすぐに家を出た所為で、ゆったりとした半袖短パンの部屋着姿のまま長い刀身の西洋剣──ロングソードを片手にしていた。
連絡を受けるまで寝ていたのか大きな欠伸をしつつ、服の裾から腕を突っ込んで腹を掻いている。
「ユーエス団長! 暢気なことを言っている場合ではありません!」
「はいはい、わかってるって」
水色髪のドリサ騎士団長──ユーエスは彼を呼び出した門番に諫められると、シッシと手を振って面倒くさそうにあしらう。ゴブリンたちが撤退する程のプレッシャーを放つストーンゴーレムに、散歩でもしているような気楽さで近づいた。
「そこにいる人ー、話に応じる気はありますかー?」
角度的にはストーンゴーレムの手に乗っているラヴィポッドを視認できない。だがユーエスはそこに誰かがいると気づいていた。
ラヴィポッドがおずおずとストーンゴーレムの手から顔を出す。
「あ、ありますっ!」
「……」
ユーエスが僅かに沈黙する。まさか子どもが出てくるとは思っていなかった。
「小っちゃ。子どもがデカブツ連れて何の用?」
「こ、この人の手当てをお願いしたくて」
ストーンゴーレムがユーエスに手を差し出す。
そこに倒れているアロシカを覗き込んでユーエスが苦り切る。
「うーわ、見てるだけで痛くなる」
元は白かったであろう布に血が滲んで赤黒く変色していた。容態を確認すると、手招きして門番を呼ぶ。
「この子薬屋に連れてって。なるだけ早くね」
門番も急を要すると判断してすぐに動き出す。近場にいた兵士に声を掛け、アロシカを担架に乗せて運んで行った。
「さてデカブツと子どもはどうする、か……」
事情もどこの誰かもわからないが重傷の子どもを放ってはおけない。アロシカに関しては治療を受けさせて、色々聞きだすのはその後でいい。
問題は石の巨人と大きな火の玉、そしてそれの主であろう銀髪プリン頭の子ども。
どう対応しようかとユーエスが振り向くと、ラヴィポッドがクレイゴーレムとフレイムゴーレムを小さくしているところだった。ストーンゴーレムはラヴィポッドが掴める大きさの石人形に。フレイムゴーレムは火が消え、小さくなった仮面と腕甲が折り畳められてコンパクトに。
「あー……そういう感じだ?」
呆気に取られていると、ゴーレムをポッケに入れたラヴィポッドが口を開く。
「あ、ありがとうございました。ではこれで……」
逃げるように立ち去ろうとするラヴィポッド。パンパンに膨らんだバックパックに腕を通して「ぬおお……」と力一杯立ち上がろうとするが持ち上がらない。
見兼ねたユーエスがバックパックを持ち上げて片方の肩に掛け、ラヴィポッドの首根っこを掴む。
「な、なにするんですか……」
嫌な予感がしたラヴィポッドが抗議する。
「今逃げようとしたよね。ダメだよ。おチビちゃんみたいな珍獣は連れてかないと上司に怒られるから」
「じょ、ジョウシさんって怖いんですか?」
「厳しい人だから怖がってる奴は多いね」
ラヴィポッドが青褪めて「あばば……」と震え出した。荷物があるため逃げ出すこともできず、ユーエスに連行される。
持ち上げられてされるがままのラヴィポッド。道中ぷらぷらと揺れながら、ドリサの街並みを忙しなく見回していた。
白、グレー、茶、赤、橙、青など色とりどりな縦長の家が隙間なくびっしりと立ち並んだカラフルな街並み。基本は三角屋根だが楕円形の屋根もあり形は様々。
大通りに面した家屋はその殆どが飲食店や雑貨店として営業しており、店先には天幕が張られテラス席が設置されていたり雑貨が陳列されていたりと賑やかで活気に満ちている。
「お上りさん」
ユーエスが呟く。
キョロキョロと初めての都会に魅入られているラヴィポッドには聞こえなかった。
◇
「それでそれで! 当たり屋が怖かったんですけど火魔術撃たれたときにビビッときたんです! これ全部食べれたらクレイゴーレムが進化するかもって! そしたらストーンゴーレムがまだ石食べれることもわかったりして……」
ぺちゃくちゃ。大きな身振り手振りを交えて怒涛の勢いで語るラヴィポッド。
対面で執務机に腰掛け、腕を組んだ強面の男が渋い顔をしていた。閉じた片目に残った裂傷痕、オールバックにした金髪、歴戦の猛者が如き風格を漂わせる男こそドリサの領主──ダルム・ドリサ。
(この娘がドリサへ来た経緯、エユの村を占領していたゴブリンが魔王軍の所属であったことを聞き出せたまでは良かったが……)
部屋に入ってくるなりダルムの顔を見て失神しそうになるラヴィポッドからなんとか事情を聴くことができた。
その後ラヴィポッドが乗っていた石の巨人と、背後に飛んでいた火の玉について聞いたが最後。クレイゴーレムが岩石を吸収してストーンゴーレムに進化したところから話は始まり、進化についてラヴィポッドなりの考察を挟みつつ事細かに語りだしたのだった。
(ゴーレムについて聞いたのは間違いだったか。だが重要な情報が混ざっているのも事実……)
失われた魔術とまで言われるゴーレム錬成についての情報は貴重。聞き漏らす訳にいかないが、時折含まれるラヴィポッドの長編サクセスストーリーが鬱陶しい。つい真剣に聞いてしまう。
ダルムがラヴィポッドの隣に座る人物に物言いたげな視線を向ける。ラヴィポッドを連れてきた張本人、騎士団長ユーエスはソファに座ったまま寝ていた。
魔王軍の話が出たあたりで人払いをしたため部屋には三人のみ。聞き取りを誰かに押し付けることも出来ず、かといって「要点だけを話せ」と話を遮ればラヴィポッドが失神することは容易に想像できた。結果、何もできず今に至る。
「……って感じです!」
漸くラヴィポッドが語り終え、ダルムは記録用のペンを置く。
「そうか。情報提供、そしてエユの村人を救ってくれたこと、感謝する」
「むっふん」
気を良くしたラヴィポッドが胸を張る。
「疲れたろう。今日は帰っていい」
「……今日は?」
つまり後日またお呼び出しがあるのかと警戒する。
「あることを頼みたいと思っている。話が固まり次第連絡しよう」
ラヴィポッドの意思は聞かない。確定事項のようだ。
「わ、わたしはすぐ王都に行かなきゃなので他の人に頼んでいただければ……泊まる場所もないですし」
ラヴィポッドは泊まる場所がなくとも土魔術で仮説住宅を建てて野宿できる。見張りをゴーレムに任せれば安全性も高い。実際に家を出てからここまでそうして来た。多少ではあるが持ち合わせもあるため宿も取れる。
何としてでもダルムの頼みを断りたくて適当なことを言っていた。
「お前さんはまだ若い。そう急ぐこともないだろう。衣食住についてはユーエスに面倒見させるから安心していい」
どうしても頼みを聞いてもらいたいダルムも譲らない。ついでに暢気な顔で寝ているユーエスへラヴィポッドの世話を押し付ければ、多少気分も晴れやかになるというもの。
ラヴィポッドが不安そうにユーエスの寝顔を覗き見る。
「ん、なんか言った?」
二人の視線を受けてか、ユーエスが折好く目を覚ました。
「しばらくこの娘をお前に任せる」
「……マジで?」
ダルムから端的に告げられ、ユーエスが目を丸くする。
「逃げようとするだろうからしっかり見張っておけ」
見透かされたラヴィポッド。ギクリと肩を竦ませる。
ダルムはラヴィポッドの性格を概ね把握していた。死と隣り合わせの戦場と、狸ばかりの社交界を生き抜いた経験の為せる業。根気強くラヴィポッドのサクセスストーリーを聞いたことも大きい。
(娘の言う「当たり屋」がエユの村に派兵した騎士たちのことだとすれば、話を聞く限りユーエス以外にストーンゴーレムとフレイムゴーレムを同時に制圧できるものがいない。それに……)
ダルムの猛禽類を想起させる鋭い視線がラヴィポッドを射抜く。
逃げようとしていたことがバレた後ろめたさでラヴィポッドが顔を背けていたのは幸運だった。目があえば泡を吹いて倒れていただろう。
(底が知れないのはこの娘の方か)
二体のゴーレムはどうとでもなる。だが失われた魔術を現代に取り戻した人物の実力は未知数。加えラヴィポッドはまだ幼い。その潜在能力はどれほどか。
何より。
(娘とゴーレムの存在が魔王軍に露見しているのは、まずいな)
ダルムの目の傷が疼く。とある魔族との戦闘で負った傷。ラヴィポッドが魔族側に引き抜かれでもすれば、次の戦は魔族側に大きく傾きかねない。
ドリサで匿うことができればよいが、他の貴族にゴーレムのことが知られれば独占だなんだと口煩い輩が出てくるのは必定。ラヴィポッド本人も王都に用があるらしいので留めることはできないだろう。
ならばせめてドリサにいる間は魔族からの干渉を跳ね除けねば。ドリサにおいて最も安全な場所は騎士団長ユーエスの側。
「頼んだぞ」
ダルムはこれが最善だと確信しているが、頭を抱える騎士団長と縮こまって視線を彷徨わせる少女を見て、自身の判断に一抹の不安を抱いた。
◇
「チビ、奢られる側なら遠慮しようね」
ラヴィポッドの前に積みあがった空の食器を見てユーエスが冷や汗をかく。小さな体のどこにこれだけの料理が収まるのか。ちょうど夕食時だからとレストランに寄ってみれば、財布への思わぬ大打撃。
(ダルムさんにツケとこ)
大打撃をダルムへと受け流す。ラヴィポッドとの食事代を経費として申請することを心に決めた。
「うぷっ。で、でもそっちの方がたくさん食べてますし」
ラヴィポッドが膨らんだお腹を摩《さす》りながら物申す。確かにユーエスの前にはラヴィポッドよりも高く食器が積み上がっていた。
「僕は自分の金だから」
「お店に入ったときは遠慮しなくていいって……」
「限度ってもんがあんの」
ユーエスはやけくそ気味にフォークを刺し、ステーキを口に運ぶ。
(マナの総量が多い、質が高いほど変換と維持にエネルギーを多く消費する。こんだけ食べるってことは……)
優れた魔術師には大食いの傾向がある。二人とも例に漏れず人並み外れた食欲を持っていた。
(ダルムさんが僕に見張りを任せたのはそういうことかな)
ユーエスが寝ている間に、ラヴィポッドの資質を見抜いたのだろう。
「すいませーん。これと、これと……あとこっちもお願いします」
「わ、わたしもそれ食べたいです」
「こら」
「ひぃ!」
メニュー表を指さして追加注文するユーエス。便乗したラヴィポッドに冷ややかな目を向けるが、あまりにも怯えたので可哀想に思えてきた。
「……ま、腹減ってるなら仕方ないか。今度ダルムさんに会ったら礼言っときな」
ぶんぶん頷くラヴィポッドを見て薄く笑い、ラヴィポッドの分も注文する。どうせ支払いはダルムにツケるのだから。
ウェイターは何度目かの追加注文に引き攣った笑みを浮かべて厨房へと消えていった。
◇
「あー……食ったね~」
「美味かったですね~」
満足そうに歩くラヴィポッドとユーエス。二人は領主邸宅の敷地内を歩いていた。ユーエスの住む騎士宿舎が併設されているからだ。
するとそこへ高校生くらいの勝気な目をした少女が通りがかった。きつい訓練を終えたばかり。汗で湿り、細くなった金の毛先が顔に張り付いている。短い髪、晒された健康的な首にタオルを巻いて額の汗を拭う。
そしてふと二人に気づき、呆然と立ち止まった。
「ユー、エス?」
やたらパンパンに膨らんだバックパックを背負うユーエスと、隣で幸せそうにお腹を押さえるラヴィポッドを交互に見る。
「あ、ルムアナちゃん。訓練終わり?」
様子のおかしい少女──ルムアナへ、ユーエスが気さくに話しかける。
「え、ええ」
「お疲れさま」
「ありがと……ユーエス、あなた子どもがいたの?」
ルムアナは返事こそしているものの、どこか上の空だった。
対するユーエスはおかしな勘違いに微笑む。
「……僕に子どもはいないよ。この娘はラヴィポッドちゃん。今日ドリサに来たばかりでね、ダルムさんに頼まれて少しの間面倒見ることになった」
「お父様に……」
ルムアナ・ドリサはダルム・ドリサの次女。貴族の御息女が訓練に参加して汗水流しているのは、それがドリサ家の方針だから。貴族、騎士から一介の使用人までが文武両道を体現するドリサは他貴族からも一目置かれていた。
「何故ユーエスが子守りをしなければならないの? メイドに任せればいいじゃない。どこかの貴族なのかしら? それにしたって……」
常に重要な職務に当たる騎士団長。その彼に子守りを任せるのだから、ラヴィポッドはどこぞの要人なのではないかと勘繰る。ただ要人ならば騎士団長がついているとは言え二人でうろつかせはしないだろう。ラヴィポッドが付き人を従えていないのはおかしい。考えるほど理由がわからない。
ルムアナはそれとなく視線を向けただけだが、父親譲りの目つきはきつく見えたようで、
「ひぃぃ」
ラヴィポッドがユーエスの陰に隠れた。
「僕も理由は聞いてないから何とも。気になるならダルムさんに直接聞くしかないね」
(なんとなく察しはついてるけど)
ユーエスはラヴィポッドが優れた魔術師であることを見抜いていたが、ダルムの意図を完全に読めてはいない。誤解を招かぬよう明言を避ける。
「そう……」
思考の渦に飲まれたルムアナ。
「じゃ、おやすみ。明日は僕も訓練に参加するからお互い頑張ろうね」
「おやすみなさい。今度こそユーエスから一本取ってみせるわ」
「一応僕『九英傑』なんて呼ばれてるから、負けるわけにはいかないよ」
九英傑。ここニムイディット王国でも最高峰、英雄の領域に達した九人を人はそう呼ぶ。ユーインはそこに名を連ねる超越した実力の持ち主だった。
ルムアナが勝てないのは当然といえばそれまで。だがいつかユーインに追いつきたいと、剣に志を乗せて日々訓練に励んでいた。
自室へと向かうユーエス。
ルムアナは近くにいても遠く感じるその背を見送り……ついていくラヴィポッドに気づいて眉をピクリとさせた。
「ちょっと待ちなさい」
ユーエスとラヴィポッドが「なんですか?」と目を丸くして振り返る。
「まさかとは思うけれど、同じ部屋で寝るつもりじゃないでしょうね」
憧れの人と、子どもとはいえぽっと出の女が一つ屋根の下。百歩譲って他に泊まる場所がないのならまだわかる。しかし他に部屋はいくらでもあるし、ルムアナは一歩たりとも譲る気はない。
「? そうだけど……」
首を傾げたユーエスとラヴィポッドが顔を見合わせる。ルムアナの気など知らない二人は「何か問題が?」とでも言いたげだ。
ユーエスは十歳の子どもを女性として意識していない。ではラヴィポッドはどうかといえば恋愛のれの字も知らないガキンチョだった。
(この二人に言ったところで埒が明かないわ)
事細かにルムアナの心境を説明するのは気恥ずかしい。それに説明することで二人が変に意識しだすきっかけを与えたくない。
「ついてきなさい。お父様のところへ行くわよ」
「今日休みなんだけど……」
「ま、またあの怖い人に会うんですか……」
「いいから!」
惚けた顔を見て何かを諦めたルムアナは、二人を引き連れて父の元へ直談判に向かった。
◇
「ならん」
一刀両断。
ダルムはルムアナの言い分をバッサリと切り捨てた。
拳を強く握りしめて部屋を出て行ったルムアナ。乱暴に閉じられたドアの音にラヴィポッドがビクッと驚く。
「や、やっぱりわたし早く王都に行きたいので……」
「ならん」
ラヴィポッドが流れで逃げ出そうとしたが、それも駄目らしい。
「あの女の人怒ってましたね」
「どうしたんだろ」
よくわからないが話は済んだと判断して部屋を出ようとするラヴィポッドとユーエス。部屋を出る間際、ラヴィポッドがドアの前でふと何かを思い出して振り返った。
「あ、あの……」
「どうした?」
先を促すダルムの顔が怖いのかもじもじと口を開き、
「ご、ごちそうさまでした!」
頭を下げて夕食代のお礼をした。
ダルムはごちそうさまなどと言われる心当たりがなく、怪訝に目を細める。
(今じゃない今じゃない……!)
冷や汗を浮かべたユーエスがラヴィポッドの首根っこを掴み、
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後日ダルムは執務室で一人、レストランからの請求書を前に頭を抱えた。
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