《連載版》異世界ネイルサロン

海辺野海月

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異世界フェルミニアとは

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 お姉様に連れられて入ったお店はお姉様の雰囲気に似合う木の温もりと白壁がマッチした可愛らしいレストランでした。窓辺に色とりどりのお花が鉢で置かれているのもイメージぴったりです。

「ちょっと待ってておくれよ。」

 そう言って厨房らしい店の奥に行くお姉様。開店前なのかお客さんはいない様なので遠慮なくお店を見回していると直ぐに戻ってきて二階へと続く階段を一緒に上って小さな部屋に案内されました。

「ここで座ってちょっと話そうか。」

 案内された部屋はベットと小さな机と椅子が一つづつ。私に椅子を勧めると、自分はベットの影から背もたれのない椅子を持ってきてそこに座ると「何から話そうかね。」と思案顔。私も何を話したら良いのか分からずウンウンと唸っていたのですが、階段を誰かが上がってくる音におやっと思いドアを振り返れば開いた隙間から黒くて大きな影が見えてビクッとしてしまいました。

「あぁ、ごめんよ。もう持ってきてくれたんだね。」

 スッと立ち上がったお姉様がドアを大きく開けると、そこには大きな熊さんがいました。コック服を着た茶色の熊さんです。大きな手に小さなお盆を乗せてティーセットを運んできたようです。


 ここは某ネズミの国なのでしょうか?しかし、こんなサービスは聞いたことがありません……


 熊さんはお姉様の旦那様だそうです。リアル美女と野獣がコンセプトでしょうか?王子様ではなくコックさんですが。もふもふの意外に柔らかそうな顔の毛とか何で作ってるんでしょう?外した後で触らして頂けますでしょうか?

 そんな驚きの一幕もありつつ、改めてお茶を戴きながら聞いたお話は俄には信じられないものでした。

 簡単に言うならば、ここは地球とは違う場所でフェルミニアと呼ばれる世界。その中の獣人が治める国ウォルフォニア。更に言うならば、ウォルフォニアの辺境伯領エルベータの領都エーベ。
 他にも長耳族が治めるエルフォニア、短耳族が治めるスクルフォニア、魔族の島国連合デミフォニアがある。
 この国ウォルフォニアの貴族は基本獣人だけれども、長耳族、短耳族、魔族であろうと差別はなく、種族間の結婚も普通に行われているので街を歩いても問題ないこと。
 此処フェルミニアとは違う世界から来る『迷い人』は珍しくはあるけれど、お伽噺などで誰もが知っているので直ぐに判ったこと。
 住人は基本的に身体能力が高く、私からしたら剣と魔法のファンタジー?と思ってしまうけど、本当に魔法があって、魔物も出るので街の外に私が単身で赴くのは推奨しないこと。

 などなどを伺いました。

 ちょっと脳の処理容量を越えそうなのですが、どうすれば良いでしょうか?

 気絶?泣き出す?すみません、そんな可愛らしい対応はちょっと私には無理そうです。

 とりあえず、お姉様の尻尾も旦那様の見た目も気合いの入ったコスプレじゃないってことですね?

 それならばお触りはダメですよね?

 あぁ、魅惑のもふもふがあるのに触れないなんて。しかし、人様のお身体に意味もなく触れるのはいけません。それは単なる変質者です。NOセクハラ。犯罪行為はダメ絶体!

 などと現実逃避にアホな事考えてましたが、いや本当にどうしましょうか?
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