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1. 就活連敗少女
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西陽すら弱々しく山陰に隠れる頃
ジャラジャラと人気の少ない神社の鈴を鳴らしながら、宮崎友姫は1人真剣に願い事をしていた。かれこれこの神頼みも20回を数えることになる。あと5分程で、先日の就職試験の結果が送られてくることになっているのだ。
((神さま!これが最後の就職試験だったんです!どうか就職できますように…!))
友姫は生まれ持っての極度の上がり症とおっちょこちょいに加えて就職難によりすでに19連敗中である。
ピコンッ♪と軽快な音が友姫の運命を運んで来た。
「きっ、来たっ!?」
(ゴクッ
生唾を飲み込み、恐る恐るスマホを開く…
そして……
「…はぁ。(いくら史学部の就職場がせまいとはいえ、まさか全部落ちるとはなぁ…4月から就職浪人…せめてバイト先くらい見つけないと…)」
ため息とともに友姫の就活浪人が決まったのであった。
とりあえず家に帰ろうと誰もいない神社に背を向ける。
これからの生活を思いやると、友姫はもう一度大きなため息をついた。
まだまだ冷え込む季節の中、吐き出したため息は白く変わり、誰に見られる訳でもなく消えた。
…筈だった。
「ねぇ、君。宮崎友姫君だよね?」
不意に低めのバリトンで呼びかけられ振り返ると年齢は40後半から50といったところか。細身でスーツを纏った男がニコニコと胡散臭い笑みを浮かべて立っている。
「うわぁ…胡散臭い。」
「僕ら初対面だよね!なんかグサッときた…」
思わず声に出してしまっていたのか、男はシクシクと泣く素振りをする。
何故自分の名前を知っているかは疑問ではあるが、この男面倒である。関わらない方がいいと判断し男に背を向けた。
泣き真似はどうしたのか、友姫が背を向けたのに気づいた男は慌てて話しかける。
「…ちょっ!待って!中西さんから君のこと聞いたんだ!」
「…教授が?」
中西という名に足を止めもう一度振り返る。
「そうそう。僕は日下部。こういうものさ。」
日下部と名乗った男が差し出した名刺を一応受け取る。
Miyazon 考古物取扱課
課長 日下部 明
「考古物取扱課…?えっ!Miyazon!?」
ジャラジャラと人気の少ない神社の鈴を鳴らしながら、宮崎友姫は1人真剣に願い事をしていた。かれこれこの神頼みも20回を数えることになる。あと5分程で、先日の就職試験の結果が送られてくることになっているのだ。
((神さま!これが最後の就職試験だったんです!どうか就職できますように…!))
友姫は生まれ持っての極度の上がり症とおっちょこちょいに加えて就職難によりすでに19連敗中である。
ピコンッ♪と軽快な音が友姫の運命を運んで来た。
「きっ、来たっ!?」
(ゴクッ
生唾を飲み込み、恐る恐るスマホを開く…
そして……
「…はぁ。(いくら史学部の就職場がせまいとはいえ、まさか全部落ちるとはなぁ…4月から就職浪人…せめてバイト先くらい見つけないと…)」
ため息とともに友姫の就活浪人が決まったのであった。
とりあえず家に帰ろうと誰もいない神社に背を向ける。
これからの生活を思いやると、友姫はもう一度大きなため息をついた。
まだまだ冷え込む季節の中、吐き出したため息は白く変わり、誰に見られる訳でもなく消えた。
…筈だった。
「ねぇ、君。宮崎友姫君だよね?」
不意に低めのバリトンで呼びかけられ振り返ると年齢は40後半から50といったところか。細身でスーツを纏った男がニコニコと胡散臭い笑みを浮かべて立っている。
「うわぁ…胡散臭い。」
「僕ら初対面だよね!なんかグサッときた…」
思わず声に出してしまっていたのか、男はシクシクと泣く素振りをする。
何故自分の名前を知っているかは疑問ではあるが、この男面倒である。関わらない方がいいと判断し男に背を向けた。
泣き真似はどうしたのか、友姫が背を向けたのに気づいた男は慌てて話しかける。
「…ちょっ!待って!中西さんから君のこと聞いたんだ!」
「…教授が?」
中西という名に足を止めもう一度振り返る。
「そうそう。僕は日下部。こういうものさ。」
日下部と名乗った男が差し出した名刺を一応受け取る。
Miyazon 考古物取扱課
課長 日下部 明
「考古物取扱課…?えっ!Miyazon!?」
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