マガイモノサヴァイヴ

狩間けい

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第179話

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さて、イヴリタさんの鎧による痒みを抑える薬を売る話はまとまったが……あちらの本題であった「俺を聖教の"穏健派"へ囲い込む」ということについては、抑えるどころか後押しする形となったようだ。


カノン司教は正面の席から立ち上がると、サクラさんとは反対側の俺の隣に来る。


トットットッ……ポスッ

「フフッ♪マルティナ達の件に"聖女"様の件、それに"浮く能力"と強力なマジックアイテムの武器。加えてイヴリタの鎧に存在する負の効果を抑える薬まで譲っていただけるとなりますと……ますます放ってはおけませんわ♡」

ガシッ、ムニュウゥ……


司教は俺の腕を取り、自身の大きな胸の間に挟み込んだ。

その柔らかくもずっしりとした質量に興味は引かれるも、ダンジョン街を離れるのは魔石の入手効率が落ちるのでやはり断る。


「いや、薬の件は代価もいただきますし、その分サクラさんの扱いに気を回していただければと」

「コージさん……」


俺の言葉にサクラさんが嬉しそうに呟くと、それを受けて司教が答えた。


「マルティナ達の報告でほぼ間違いないと聞いておりますし、サクラ様については元より"聖女"様として丁重にお預かりさせていただくつもりでしたわ。そうなりますと我々の貴方に対する恩義は丸々残るわけでして……」


そこまで言うと司教は俺の股間に手を伸ばし、俺への視線に熱を込める。


ススッ、スリスリ……

「ですので……聖教への所属は一旦保留としても、こちらで滞在されている間は可能な限りのさせていただけませんか?♡」

「……」


これはあれだ。

肉体関係によって情に訴えかけ、なし崩し的に俺を味方に引き入れるつもりだろう。

自分としては自身を最優先にするつもりだし、肉体関係があろうと見捨てるつもりなのだが……今までのは、その必要がなかったから協力しただけに留まっているのだし。

いやまぁ、自分の隠しておきたかった能力などを晒してしまうことになったりはしたか。

となると……やはり俺は肉体関係を持った相手を見捨てられない可能性が高く、秘密の保持を考えればこれ以上を増やすべきではないかもしれない。

そんな心情を察してか、カノン司教は不安そうな顔で聞いてくる。


「あの……私はお好みに合わなかったりするのでしょうか?」

「ぐ」


俺はこれに弱い。

好みでなければ遠慮なく断れるのだが、好みではあるのに断るのは悪いことをした気分になってしまうからだ。

姿や能力を偽ることに抵抗はないので、これは無意味に相手を傷つけたくないという気持ちがあるのだろう。

うーん、まるで別人の意思が介入しているような気もするが……


「……えいっ♪」

「むぐっ」


司教への対応を考えていると、彼女は不意にキスをしてきた。

公的な立場を考慮すると避けることが失礼に当たる可能性もあり、それもあって動かずにそれを受けたわけなのだが……司教はその対応から俺に拒まれることはないと判断したようだ。

彼女は強調するかのように自分の唇を舐める。


「っふぅ。フフッ、お嫌というわけではないようですね♪」

ペロリ

「まぁ、貴女自身が嫌というわけではありませんが」

「ということは、お気になさっているのは私の立場ですか。であれば……ただの女としてなら問題ないというわけですね♪」


そう言うと司教はソファから立ち上がり、腰の後ろで少し手を動かすとスカートの裾を掴む。


スッ……バッ!


その手は躊躇なくスカートをめくり上げ、その勢いのまま上半身までも晒すことになった。

上下は別の服に見えたのだが実際にはワンピースで、腰の後ろで手を動かしていたのはウエスト部分を絞っている紐を解いたのだろう。

そうして現れたのは、例によって紐パンとブラ代わりの短いキャミソールに包まれた彼女の身体だった。

上下共にシルクのような生地に見えるが……ブラのほうは特注なのか大きな胸がはみ出したりはせず、しかし揺れを抑制するために下部を紐で締めているせいでよりその大きさが強調されている。

俺はソファに座ったままなので下から見上げる形となっており、それは更に強調されているように見えていた。

その視線を受けてか、司教は前屈みになって俺の目の前に胸を下ろすとそれを揺らす。


フルフル……

「いかがですか?今から私は貴方だけの情婦ですので、お好きなように弄んでいただいてよろしいのですよ♡」


聖教全体での彼女の立場は知らないが……少なくともこの街の統治者である彼女がここまでするのだから、それほど"聖女"の件や取引が決まった薬のことが重要だということだろう。

まぁ、立場という点で言えば統治者の娘や妻と関係を持った前例があるし、あちらが情で俺を利用しようとするならこちらも情で彼女を利用することだって考えていいはずだ。

というわけで……俺は目の前のそれに手を伸ばし、下から持ち上げるようにして鷲掴みにする。


スッ、ムニュリ

「アンッ♡」

「では……お言葉に甘えて遠慮しませんよ?」

「ええ、お望みのままお楽しみください♡」






しばらくして……カノン司教は俺の上でその大きな胸を弾ませていた。


ギシッ、ギシッ、ギシッ……
ブルンッ、ブルンッ、タパンッ……

「アッ、アッ、アアンッ♡」


この胸ほどの質量がありながらも大きく跳ねるということは、それだけ司教が大きく激しく動いているからだ。

俺はいつものようにモノを振動させたりしてしてあげたので、彼女もそのぶん興が乗ったのだろう。

もちろん俺も下からの突き上げは行っており、タイミングを合わせたそれに司教は更に喜んでいた。

そんな彼女が何度目かの絶頂を迎えようとする。


パンパンパンパン……

「アッ、ヒッ、もう……♡」

「じゃあ、またしてあげますね」


そう言うと俺は"浮く能力"として羽根ペンと文鎮を操り、ペンは羽の部分を彼女の乳首へ、そして文鎮は股間のへ触れさせ振動させる。


ヴヴヴヴヴヴ……

「アァッ♡これっ♡またっ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!♡♡♡」

ビクゥンッ!ガクガクガクッ!

プシュッ!


痙攣でもしているかのように震える腰からは少量の飛沫が飛び、俺がダメ押しとばかりに突き上げることでそれは文鎮を濡らした。

金で出来ているらしいそれは宝石などで装飾されているが、公的に重要なものだというわけではないそうなので汚れても問題はない。


「アッ……ハァァ……♡」

ガクンッ

「っと」

ガシッ


力を失った司教が倒れ込んできたので、文鎮や羽根ペンをどけてそれを受け止める。

そうして俺の胸に着地させると、彼女は蕩けた顔のまま隣を見た。


「……」


そこには全裸で横たわるイヴリタさんがおり、既に何度かの絶頂を迎えたその身体を休めながら司教の痴態を見守っていたようだ。

もちろんそうなっているのは俺がお相手したからで、反対側の隣にはサクラさんも裸で腰をひくつかせている。

こうなったのは、司教が2人も誘ったからだ。

俺がサクラさんと肉体関係にあるのは話してあったのでお望みならと誘い、イヴリタさんも薬の件で世話になるのだからと参加させた。

サクラさんは他人に行為を見られることが気になっていそうだったが、始めてみれば遠慮なく楽しんでいたようだ。

イヴリタさんは薬の件と司教の言葉もあり、躊躇なくを受け入れた。

初めてというわけでもなさそうだったが中で振動されるのは思いのほか効いたらしく、


「アッ♡くっ……こ、これっ、このまま死んだりしませんかっ?アアンッ♡」


などと言いながら、何度も果てて今は隣で転がっている。

3人も相手をするとなれば体力の問題があるので、自作の回復薬を口内で作成して適宜飲んでおいた。

直接胃の中に作成しても効果はあるのだろうが……臓器の位置を普段から意識しているわけがなく、間違った位置で作成すると面倒なことになりそうだからな。

で。

いま体力の回復が必要なのは俺を囲む3人の女性のほうであり、俺の薬をあげるとそれも欲しいと言われかねないか。

事を始めたのは夕食前だ。

今はもう深夜だし、それだけヤッていれば食事で摂取した分だけでは足りないだろう。

元々そのつもりだったらしく司教は料理を部屋に運ぶよう手配していたので、その時はまだ服を着ていたイヴリタさんが受け取り、それぞれ空いた時間に食事は取っていた。

しかし……この状況で食事の用意をさせるのは、ヤるための食事を用意させるようで気が引けるよな。

まぁ、朝食まで待ったところで命に影響はないとは思うが、空腹で眠れなかったりすると寝不足が明日に悪影響を及ぼすかもしれない。

そう考えた俺は、横に転がって司教を下に寝かせると確認する。


「カノンさん、お腹空いてますか?」

「うぅん……空いてるぅ」


本人の要望により名前で呼んで聞いてみると、やはり空腹ではあったようだ。

20代半ばらしいが……立場もあって甘えられる相手がいないせいか、俺に甘えるような反応だな。

そんな彼女に重ねて尋ねる。


「もう寝ます?」

「えぇー?まだスるぅ」


このまま寝るのなら不要だったかもしれないが、続けるとなれば俺は補給が必要だと判断した。


「ちょっと待っててください」

ヌポッ……

「アンッ♡」


俺は司教との結合を解除すると自分の部屋に戻り、食料用の革袋に数種類のカロリーバーを中身だけ作成して彼女の下へ戻る。


「はい、一応持ってきてた保存食ですが」

「ちょっと待ってぇ。ゴクゴク……ぷはぁ」


まずは水分の補給をした司教は、大きなベッドの頭側にあるテーブルから中身の減ったポットを手に取りそのまま直接水を飲む。

お行儀はよろしくないが疲れているだろうし、あれだけ痴態を見せたのだからと効率を優先したようだ。

そんな彼女がテーブルにポットを戻してこちらを向く。


「それで、保存食って言ってたけどそのまま食べられる物なのぉ?」

「はい。これなんですが」


そうして俺が革袋から取り出して見せた物に、司教はそこまで珍しいわけではない物だと思ったらしく反応は薄かった。


「あぁ、クッキーね。硬いパンや干し肉よりは食べやすくていいわ」

「でしょう?」

「じゃあ頂くわね……あむっ」


司教は俺の手からカロリーバーを取り、躊躇なく口に入れる。

すると……彼女はカッと目を見開く。


「っ!?んぐんぐ……ゴクッ。ナニコレッ!?柔らかいし美味しいわ!」


俺が作成したのはしっとり系の物だった。

水が足りなくても司教は魔法で出せるので普通のクッキーでも良かったのだろうが、ここは少し変わった物をと考えてこれにしたのだ。

これはまぁ……ここまでヤッたのだし、どうせなら貸しを増やしておこうと考えてのことである。

イヴリタさんが使う薬とは別に、少し変わっているが美味しい物を与えることで司教への貸しを重ねておこうとしているわけだな。

そんなことをしているのは、セリアの"商回復"が露見した場合のことを考えたからだ。

貨幣を消費して能力を行使するという彼女は万が一罪に問われるかもしれないので、そういった状況になりそうな場合は隠蔽などの協力をしてもらおうと思ったのである。


「もう1ついい?」

「どうぞ」


お気に召したのか、司教は革袋に手を突っ込むと次のカロリーバーを取り出した。


「さっきのと少し色が違うわね?」

「3種類ありますので」

「そうなのね。あむっ……あ、これも美味しいわ!」


味の好みもあるだろうからと3種類用意したが、そのうち2つは問題なく気に入ったようだ。

最後の1種が気に入られなくても、気に入った2種をまた提供すればいいだろう。

どちらかと言えば触感が問題ではあった。

単に湿気っているだけだと思われ、余って古くなった物を押し付けられていると認識される可能性もあったからな。

それでも柔らかい物にしたのは、現時点では俺からしか入手できないということから、彼女にこの関係の維持を重視させるためだった。

まぁ、完成品があるのだからそれを目指す形で開発はするのだろうが……それならそれで、こちらにはない材料を使った味を出すだけだ。

その材料の出所を探られても、ダンジョン産とでも言って誤魔化せばいい。


「あむあむ……あ、これが3つ目の味ね」


再び革袋に手を伸ばした司教は、それも美味しそうに食べている。

ここでふと考えた。

これはカロリーバー、つまりは食べすぎると太ってしまう可能性が高くなる。

こちらの世界の人なら、前世に比べればエネルギーの消費量は多いと思う。

しかし、司教であり統治者でもある彼女が体力を使う仕事をやるだろうか。

……なさそうだよな。

なので俺は忠告することにした。


「あの……それって栄養が多いので、食べすぎるとをしてしまうかもしれません。なので1枚を一食分だと考えて気をつけてください」

「んぐんぐ……ゴクンッ、ふぅ」


それを聞いて司教は3枚目を食べきると俺に答える。


「なるほど、だったら気をつける必要があるわね。なら……続けましょうか♪」

キュッ、シュッ、シュッ……

「う」


彼女は俺に迫り、モノを握って刺激し始めた。


「あの、今の話からなぜ続けることに?」


俺がそう尋ねると……司教は妖しい目でそれに答える。


「取りすぎた栄養を消費しなくてはならないでしょ?」

「あぁ……なるほど」

「じゃあ、えいっ」

ポスッ


その言葉に彼女は俺を押し倒し、流れるように跨ると位置を合わせた。


「では、もいただきまぁす♡」

ヌププッ

「アアンッ♡」


こうして俺達のは再開し、サクラさんとイヴリタさんも復帰したことで今夜は眠れないことを覚悟するのだった。
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