バイトの後輩があまりにもショタで困る

のりたまご飯

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第一章 澄清

クリスマスデート大作戦③

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8時を過ぎたころだろうか。
アパートから少し離れたコンビニの駐車場で、俺は見覚えのある影が階段を降りてくるのが見えた。
茶色のコートに赤いマフラー、手袋を身にまとったりょうやだ。なんとも可愛らしい…おっと店長が急に憑依したようだ。

俺は意を決して彼の後ろを20mほどの距離を離れてついていくことにした。
当の本人はスマホを確認していて後ろを見る気配もしない。
さては連絡してるな…

駅に到着。りょうやが改札を財布ですっと抜けると、俺も同じように財布を改札に当てて中に入る。
クリスマスイブということで人がたくさんだ…ただでさえ身長が低いのに見失いそうだ。

なんとかホームにたどり着き、同じ列車に乗り込むが、人混みのせい別の車両に追いやられてしまった。
このままではどの駅で降りるかわからない。こうなったら秘密道具を発動させるしかない。

俺はスマホを取り出し、危なそうなアイコンのアプリを開いた。
スパイグッズその①。位置情報通信機だ。
犯罪スレスレの通信機。バレなきゃ犯罪じゃないんだよ理論でりょうやの位置を探る。
今はまだ列車内にいるようだ。

外はちらちらと雪が降り始めたようだ。
ホワイトクリスマスにデートか。ちくしょう。羨ましい憎たらしい妬ましい
おっと本音が優先されてしまった。

列車は南の方へと方向をむけ、若者の街の駅に到着する。
りょうやの位置情報が…動いた!

俺もすかさずここで下車する。
入り組んだ都会の駅は複雑で、俺はりょうやの姿をすっかり見失ってしまった。
ただし通信機はまだ動いている。送られてくる情報をもとに、俺は人海に埋め尽くされた駅構内をゆっくりと進んでいく。

改札を抜けると、主人を待ち続けた犬の像がすぐ目の前に見えた。
この犬はどんな気持ちだったのだろうか。きっと主人が大好きだったのだろう。
そしてその横にちょこんとたつ人影。りょうやだ。
いざ並んでみると犬が2匹いるようにしか見えない。一方は恋人を待っている子犬だがな。

10分ほどすると、りょうやが改札の方へ手をふった。
ついに彼女さんのお出ましだ。ダウンジャケットを着こなしたスリムな人のようだ。
胸は…A…B…いやCか!?
ジャケットのせいでよくわからない。
貧乳ではないはず。

それから1時間ほど、二人は若者の街をぶらぶらと練り歩き、
時々お店に入って服を選んだり、スナックを買って食べ歩きをしていた。
なんと羨ましい羨ましい羨ましい…
ついに本音だけを吐き始めてしまった。お見苦しいところを見せてしまい大変申し訳ない。

おしゃれなレストランでランチをすました二人は、再び駅に戻り改札を潜る。
時間はもう2時を回っている。
どうせならうちで消費してけよリア充が

ちなみに俺はコンビニで適当に買ったロールケーキを食した。
少しぐらいはクリスマスムードを感じたいしな。

続く
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