83 / 203
第5章 振り返れば、そこには。
Part9 ホットココアと思い出話
「ついた!」
河川敷から5分ほど車を走らせ、小さなアパートにやってきた。
慎重に悠真を抱き、悠人を引き連れ、アパートの2階まで二人を連れていく。
鍵も閉めないまま出て行ったのか、鍵はかかっておらず、中にはエアコンの暖房がかかっていた。
徳井は抱いていた悠真を自分のベッドに下ろし、厚い布団を被せてあげた。
冷蔵庫から「子供用」と書かれた冷えピタを出し、それを悠真の額の上に貼り付ける。
「ううっ…冷たいぃっ」
「大丈夫。ちょっと寝てれば良くなるよ。」
徳井が優しく悠真に話かけると、悠真も安心したのか、すぐに眠りにおちた。
すると布団を上から少しずり下げ、悠真の着ていたジャンパーを脱がせた。
「ジャンパー脱がしちゃっていいんですか?」
「暖房効いてるしね。しかも布団もあったかいし、Tシャツとパンツでいいんじゃないかな。あとはこれ」
冷えピタをあと2枚取り出し、悠真のTシャツを捲り上げて両側の脇の下に2枚。
Tシャツと布団を元に戻したあとは、
布団を下からまくってズボンを脱がし、さらに2枚、冷えピタを太ももの内側、通称鼠蹊部と呼ばれるところにはる。
ズボンをそのまま抜き取り、布団を被せる。
「ふぅ…これでよし。もう寝ちゃったし、無理に起こすこともないかな。お水は起きた時にあげよう。」
「徳井さんって、案外すごいですね…」
「案外ってなんだよ案外って~w一応これでも医学部卒なんだからね~」
「ええ!?そうだったんですか!?」
「まあ、特に病院とかで働きたくもなかったし、今はネットで投資かな。こう見えても月50万はあるよ」
「はええ…知らなかった。」
「悠真くんが熱出したのって、今回ので初めて?」
「いや、あと一回夏風邪引いた時ですね。微熱でしたけど。その時は元気にしてたから、風邪薬だけ飲ましてました。」
「うんうん。悠人くんはやっぱり立派だ。」
「ええっっ、そ、そんなことはないと…」
「照れることないよ~、まあ照れ顔も可愛いんだけどね」
「一言余計です」
「すみません」
「いやぁ、寝る前に電話きたから、寝る気なくしちゃったよ~。思い出話でもする?」
「えっ、僕は別に…」
「そう?あっ、あったかいココアあるけど、飲む?」
「じゃあ、いただこうかなぁ…」
「は~い。今入れてくるから待っててね。」
「…」
ビュううんんん!!
ビュおおおっっ!ひゅうううう…
窓の外の風が強いようだ。
悠人も室内の柔らかい間接照明と暖房の暖かさで、少し安心したようである。
1分ほど経つと、
「はい。ココアで~す。熱いから気をつけてね。」
「ありがとうございます…ふーっ、ふーっ、」
徳井は悠人をちらっと見て微笑むと、感傷に浸るように話し出した。
「思えば、おれが悠人くんに出会ったのって、もう3年前か…」
「…そんなにたってたんですね」
「最初本当に驚いたよ~!”セックスしてください”とかいう看板持ってるんだもん。」
「あはは…あの時は本当にお金なくって…あーでもしないと死んじゃいそうだったんですよ」
「で、家に入れたら急に脱ぎ出して、いきなりお尻むけてくるもん。いやぁあれは恐怖だったなぁ」
「いや、家に入れてくれるんだったら…セックスしてお金くれるかなーって思って」
「でも急にお尻ってwまあ可愛かったからいいんだけど」
「あの時僕、まだ精通してなかったですよね…」
「初対面の子にいきなり入れるってのもねぇ。3日ぐらい家泊めたっけ?」
「一週間ぐらいいましたよ。確か」
「うーん。そっから3年。悠真くんもきて、二人で段ボールハウスね~。」
「まあ別に不便でもないですし、これからもなんとかやってくしかないかなぁ…」
ココアを一口飲む。
「あのさぁ、オレから一つ相談があるんだけど、」
「えっ、」
「昔医学部だった知り合いがいてさ。そいつがどうやら政府関係の仕事についてて。それでなぜか小学生ぐらいの子供を雇いたいって話をしてたんだよ。」
「子供を雇う?それって割と違法なんじゃ…」
「どうやら政府直々の仕事らしくてねぇ。法律ガン無視とかいう噂も…」
「ええ…そんなのが友人なんですか」
「まあ、一応幼馴染なんだけどね。君と悠真くんがやってることも、もちろんやったことあるし…w」
悠人がさっきのことを思い出し、顔を赤くする。
「いつもやってることじゃないんで!」
「へーやってるんだ~wむふふふ」
「気持ち悪いです。」
「すみません。」
「でね~、そいつに君たちのこと話してみたんだよ。」
「そうなんd、、ってええ!?」
「そう。」
「なんで勝手に話してるんですか!」
「いいじゃんいいじゃん。信用できるやつだからさ。で、そいつが案外興味津々で、ぜひ会いたいってことだそうだ。」
「会いたいって…何やってるのかもわからない人に会うつもりは…しかも悠真も病気だし…」
「心配すんなって。多分悠真くん汗かいてそのあと風に思いっきり吹かれたんでしょ?ただの風邪だよ。明日になれば下がる。」
「でも…」
「オレは…正直君たちがダンボールハウスの中で暮らしているのが心苦しい。特に悠人くんはすごい才能があると思う。さっきダンボールハウスに行った時見えたよ。中2の教科書置いてあったし。」
「みられてたんですか…。勉強っていうか、まあ一応できるっちゃできますけど…」
「だからこそ、あいつの元で幸せに暮らしてほしい。政府関係ってだけあって、お金はいくらでもあるだろ。そろそろ君たちも変わらないと。」
「…」
「どう?嫌じゃなければ明後日にも迎えにきてもらえるよ。まあもちろん、決めるのは君たちだから、オレは口出しできない。あくまで提案としてね。」
「…考えてみます。」
「そう。ちょっと長話しちゃったかなぁ…」
徳井はコーヒーが入ったコップを飲み干し、部屋の奥へと入っていった。
「悠人くんも早く寝な~悠真くんの隣に布団敷いておいたから。おやすみ~」
ガチャん。
「…」
「そろそろ変わる…ねぇ…」
そうつぶやくと、悠真の顔を一眼見て、自分も布団に入り、そっと目を閉じた。
外はまだ風が吹き荒れている。
続く
=天の声=
はいはい~
ほとんどかぎかっこしかないwww
深夜テンションで書きすぎちゃいました。
次回こそ研究員Zが登場します。本当です。
ではでは
河川敷から5分ほど車を走らせ、小さなアパートにやってきた。
慎重に悠真を抱き、悠人を引き連れ、アパートの2階まで二人を連れていく。
鍵も閉めないまま出て行ったのか、鍵はかかっておらず、中にはエアコンの暖房がかかっていた。
徳井は抱いていた悠真を自分のベッドに下ろし、厚い布団を被せてあげた。
冷蔵庫から「子供用」と書かれた冷えピタを出し、それを悠真の額の上に貼り付ける。
「ううっ…冷たいぃっ」
「大丈夫。ちょっと寝てれば良くなるよ。」
徳井が優しく悠真に話かけると、悠真も安心したのか、すぐに眠りにおちた。
すると布団を上から少しずり下げ、悠真の着ていたジャンパーを脱がせた。
「ジャンパー脱がしちゃっていいんですか?」
「暖房効いてるしね。しかも布団もあったかいし、Tシャツとパンツでいいんじゃないかな。あとはこれ」
冷えピタをあと2枚取り出し、悠真のTシャツを捲り上げて両側の脇の下に2枚。
Tシャツと布団を元に戻したあとは、
布団を下からまくってズボンを脱がし、さらに2枚、冷えピタを太ももの内側、通称鼠蹊部と呼ばれるところにはる。
ズボンをそのまま抜き取り、布団を被せる。
「ふぅ…これでよし。もう寝ちゃったし、無理に起こすこともないかな。お水は起きた時にあげよう。」
「徳井さんって、案外すごいですね…」
「案外ってなんだよ案外って~w一応これでも医学部卒なんだからね~」
「ええ!?そうだったんですか!?」
「まあ、特に病院とかで働きたくもなかったし、今はネットで投資かな。こう見えても月50万はあるよ」
「はええ…知らなかった。」
「悠真くんが熱出したのって、今回ので初めて?」
「いや、あと一回夏風邪引いた時ですね。微熱でしたけど。その時は元気にしてたから、風邪薬だけ飲ましてました。」
「うんうん。悠人くんはやっぱり立派だ。」
「ええっっ、そ、そんなことはないと…」
「照れることないよ~、まあ照れ顔も可愛いんだけどね」
「一言余計です」
「すみません」
「いやぁ、寝る前に電話きたから、寝る気なくしちゃったよ~。思い出話でもする?」
「えっ、僕は別に…」
「そう?あっ、あったかいココアあるけど、飲む?」
「じゃあ、いただこうかなぁ…」
「は~い。今入れてくるから待っててね。」
「…」
ビュううんんん!!
ビュおおおっっ!ひゅうううう…
窓の外の風が強いようだ。
悠人も室内の柔らかい間接照明と暖房の暖かさで、少し安心したようである。
1分ほど経つと、
「はい。ココアで~す。熱いから気をつけてね。」
「ありがとうございます…ふーっ、ふーっ、」
徳井は悠人をちらっと見て微笑むと、感傷に浸るように話し出した。
「思えば、おれが悠人くんに出会ったのって、もう3年前か…」
「…そんなにたってたんですね」
「最初本当に驚いたよ~!”セックスしてください”とかいう看板持ってるんだもん。」
「あはは…あの時は本当にお金なくって…あーでもしないと死んじゃいそうだったんですよ」
「で、家に入れたら急に脱ぎ出して、いきなりお尻むけてくるもん。いやぁあれは恐怖だったなぁ」
「いや、家に入れてくれるんだったら…セックスしてお金くれるかなーって思って」
「でも急にお尻ってwまあ可愛かったからいいんだけど」
「あの時僕、まだ精通してなかったですよね…」
「初対面の子にいきなり入れるってのもねぇ。3日ぐらい家泊めたっけ?」
「一週間ぐらいいましたよ。確か」
「うーん。そっから3年。悠真くんもきて、二人で段ボールハウスね~。」
「まあ別に不便でもないですし、これからもなんとかやってくしかないかなぁ…」
ココアを一口飲む。
「あのさぁ、オレから一つ相談があるんだけど、」
「えっ、」
「昔医学部だった知り合いがいてさ。そいつがどうやら政府関係の仕事についてて。それでなぜか小学生ぐらいの子供を雇いたいって話をしてたんだよ。」
「子供を雇う?それって割と違法なんじゃ…」
「どうやら政府直々の仕事らしくてねぇ。法律ガン無視とかいう噂も…」
「ええ…そんなのが友人なんですか」
「まあ、一応幼馴染なんだけどね。君と悠真くんがやってることも、もちろんやったことあるし…w」
悠人がさっきのことを思い出し、顔を赤くする。
「いつもやってることじゃないんで!」
「へーやってるんだ~wむふふふ」
「気持ち悪いです。」
「すみません。」
「でね~、そいつに君たちのこと話してみたんだよ。」
「そうなんd、、ってええ!?」
「そう。」
「なんで勝手に話してるんですか!」
「いいじゃんいいじゃん。信用できるやつだからさ。で、そいつが案外興味津々で、ぜひ会いたいってことだそうだ。」
「会いたいって…何やってるのかもわからない人に会うつもりは…しかも悠真も病気だし…」
「心配すんなって。多分悠真くん汗かいてそのあと風に思いっきり吹かれたんでしょ?ただの風邪だよ。明日になれば下がる。」
「でも…」
「オレは…正直君たちがダンボールハウスの中で暮らしているのが心苦しい。特に悠人くんはすごい才能があると思う。さっきダンボールハウスに行った時見えたよ。中2の教科書置いてあったし。」
「みられてたんですか…。勉強っていうか、まあ一応できるっちゃできますけど…」
「だからこそ、あいつの元で幸せに暮らしてほしい。政府関係ってだけあって、お金はいくらでもあるだろ。そろそろ君たちも変わらないと。」
「…」
「どう?嫌じゃなければ明後日にも迎えにきてもらえるよ。まあもちろん、決めるのは君たちだから、オレは口出しできない。あくまで提案としてね。」
「…考えてみます。」
「そう。ちょっと長話しちゃったかなぁ…」
徳井はコーヒーが入ったコップを飲み干し、部屋の奥へと入っていった。
「悠人くんも早く寝な~悠真くんの隣に布団敷いておいたから。おやすみ~」
ガチャん。
「…」
「そろそろ変わる…ねぇ…」
そうつぶやくと、悠真の顔を一眼見て、自分も布団に入り、そっと目を閉じた。
外はまだ風が吹き荒れている。
続く
=天の声=
はいはい~
ほとんどかぎかっこしかないwww
深夜テンションで書きすぎちゃいました。
次回こそ研究員Zが登場します。本当です。
ではでは
あなたにおすすめの小説
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。