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序章
プロローグ
王都の広場に、人が溢れていた。
陽の光が白い石畳に滲み、幟が風に揺れている。
大通りを、騎馬の列が進む。前列の騎士に続いて、王子の騎馬が現れた。
白い甲冑が輝き、絹の外套に陽が透ける。
花が舞い、子供たちが歓声を上げ、大人たちが手を叩く。王子は微笑み、民の歓声に手を振った。
薄い甲冑に身を包んだ女騎士、ソラは、広場の石柱の陰からその姿を見た。
幼い頃から騎士に憧れた彼女は、兵学校を経て近衛兵団に抜擢された。
近衛兵団。見目麗しい女性のみで構成された王子直属のこの部隊は、王子を護る盾であり、王子を飾る宝石であり、また、後宮の役割をも兼ねていた。
純粋に騎士を志したソラにとって、側室候補としての責務が生じるこの制度が不満でなかったと言えば嘘になる。
だが、ソラはもう子供ではない。務めなら果たす。
それでも。騎士として仕え、主を守って戦うのだと、そう心に決めていた。
ソラはもう一度その姿を見た。
幼い頃、共に城下を抜け出して野山を駆け回った少年が、王子として人々の前に立っている。喉の奥が、わずかに詰まる。ソラは無意識に、石柱に置いた指先に力を込めていた。
レオ。あれが、私が仕える王。
ソラよりもふたつ年下の少年は、馬の背に颯爽と跨り、なんの気負いもなく民衆のただ中を進む。
その姿は、陽光に照らされてきらきらと輝いていた。
陽の光が白い石畳に滲み、幟が風に揺れている。
大通りを、騎馬の列が進む。前列の騎士に続いて、王子の騎馬が現れた。
白い甲冑が輝き、絹の外套に陽が透ける。
花が舞い、子供たちが歓声を上げ、大人たちが手を叩く。王子は微笑み、民の歓声に手を振った。
薄い甲冑に身を包んだ女騎士、ソラは、広場の石柱の陰からその姿を見た。
幼い頃から騎士に憧れた彼女は、兵学校を経て近衛兵団に抜擢された。
近衛兵団。見目麗しい女性のみで構成された王子直属のこの部隊は、王子を護る盾であり、王子を飾る宝石であり、また、後宮の役割をも兼ねていた。
純粋に騎士を志したソラにとって、側室候補としての責務が生じるこの制度が不満でなかったと言えば嘘になる。
だが、ソラはもう子供ではない。務めなら果たす。
それでも。騎士として仕え、主を守って戦うのだと、そう心に決めていた。
ソラはもう一度その姿を見た。
幼い頃、共に城下を抜け出して野山を駆け回った少年が、王子として人々の前に立っている。喉の奥が、わずかに詰まる。ソラは無意識に、石柱に置いた指先に力を込めていた。
レオ。あれが、私が仕える王。
ソラよりもふたつ年下の少年は、馬の背に颯爽と跨り、なんの気負いもなく民衆のただ中を進む。
その姿は、陽光に照らされてきらきらと輝いていた。
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