NTR興国紀

たかした

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第二章 拷問

第17話 交尾広場

    「王子レオの追跡が打ち切られた。」
審問官の接近を察知し、媚びようと盥から身を乗り出したソラに、審問官は宣言した。

    「え?」溜まりきった欲情をどうすることも出来ず、惨めに空腰を打ちながら、ソラは顔を上げた。
「王子は逃げ延びた。追跡は不可能と判断された。」
快楽に呑まれ、光を失っていたソラの瞳が見開かれた。瞳孔が収縮し、絶望の暗い光が宿る。
     ソラの、最後の希望は潰えた。
「そんな!おちんちん!おちんちんくれるって言ったのに!ああ!逝きたい!逝きたいよう!」
希望を失った身体は全ての力を失い、もう媚びる気力すらなくした身体は、それでも空腰を打ち続けた。

     そんなソラに向かい、審問官は、天使の慈悲を与えた。
「逃走経路は確認された。証言を事実と認める。よくやった。お前には、恩赦が与えられる。お前を市民たちに解放しよう。好きなだけ交合うといい。」
ソラの瞳が、希望に輝いた。

     ソラの自白で明らかになった逃走路には、一箇所だけ野営の跡があった。まだ入口にほど近い場所に一箇所だけ。彼らは危険を冒してまでソラを待ったのだ。探していた寵姫を、やっと見つけた。ソラは王子の寵愛を受けている。医官はほくそ笑んだ。この女の、究極の痴態を晒し者にしてやろう。噂が王都にまで届く程に、取り返しのつかない恥ずかしい姿を。慌てて救いに戻った獲物を、今度こそ捕らえるのだ。

     ソラの身体には、市民に解放するための準備が手早く施された。
     媚毒の盥から引き上げられたソラは、先ず両手に分厚い、指のないグローブを装着された。指の動きを封じられたソラは、もう自分ではグローブを外す事は出来ない。それどころか、一人ではもう服を着ることも脱ぐことも、自慰をする事すら封じられたのだ。
     次に膝枷が嵌められた。両膝を、くの字に曲げて固定される。膝を伸ばすことも、曲げる事も出来ないように。更にその左右の枷は膝枷棒で開かれて固定された。膝を固められたソラはもう立って歩くことが出来ない。四つん這いになり、膝枷棒で股を開かれたソラの後ろ姿は、尻穴も膣口も丸出しの惨めなものだった。
     そして首には太い革の首輪が嵌められた。鈴の付いた首輪を鎖で引かれるその姿は、まるで犬のようだ。

     市民の前に屈辱の姿を晒すべく支度の整えられていくソラ。しかしその心を占めるものは、ようやく思いを遂げられる歓びと、支度を待つもどかしさだった。早く。早く。ソラの心は期待に震えた。
     最後に、ソラの膣穴からホゾが抜かれた。もう、おちんちんを挿れて貰う事が出来るのだ。
     代わりに尻穴にホゾが埋め込まれた。逃亡防止のため、尿道と尻穴のホゾは留置されたままだ。
     たとえ逃げたくても、排泄口を封じられ、下の世話をしてもらわなければ小便を漏らすことすら出来ないソラは、もう医官から逃れる事は出来ないのだ。

     行儀よく支度を受けていたソラだが、もう待ちきれなかった。尻を振り、
「早く!早く下さい!おちんちん、早く挿れて下さい!」
審問官の機嫌を損ねないよう控えめに、でも期待を抑えきれず、審問官の足元に擦り寄って哀願した。
     審問官は優しくソラの頭を撫でた。
「すぐに交尾広場へ連れて行ってやる。着くまでは我慢しろ。着いたら、好きなだけ交尾すればいい。」
「はい!」
飼い主の優しい言葉に、二週間、ずっと泣き続けたソラは、半月ぶりに花のような笑顔を咲かせ、歓びを顕にした。

     審問官に鎖を引かれたソラは、四つん這いで長い石造りの階段を上がり、分厚い石の扉を抜けると、半月ぶりに地上に出た。明るい陽光が広場を照らし、その温かさが裸の肌を照らす。人々が行き交い、街は雑踏に包まれていた。
    「あ?」もう長い間、セックスの事しか考えていない。半月の間、ソラがその五感で感じることを許されたのは、ただ一つ性感だけだった。

     媚毒の盥から連れ出され、膣内のホゾを抜かれて、僅かに思考の猶予を与えられたソラは、その光景を眺めて暫し呆けた。少しずつ、思い出す。こんな世界があったことを。お日様が照らし、人々が暮らす、普通の世界。考えがそこまで至った時、ソラははっきりと思い出した。羞恥を。自分の姿が、どれ程淫らで、惨めで、恥ずかしいかを。

     膝枷に戒められた膝は大きく股を割ったまま、曲げる事も伸ばす事も出来ない。僅かに曲げて固定された膝は、ソラに尻を高く掲げた四つん這いを強制した。
     羞恥に震え、パニックになりかけたソラの鎖を、審問官が引いた。「行くぞ。」審問官が促す。
     さっきまで感じていた飼い主への感謝は、恐怖に変わった。ソラは医官に服従し、促されるまま鎖に引かれて街道へと歩を進めた。

     普通の、人々が暮らす街道を、鎖に引かれたソラは全裸のまま、犬のように四つん這いで歩いた。
「おい!見ろよ!恩赦だ!」
「雌だ!交尾広場に向かってるぜ!」
あちこちから歓声が上がり、ソラの後ろに、見物人の列が出来た。もう、歓びはなかった。激しい羞恥に襲われたソラはせめて、内腿を擦り合わせて大切なところを隠そうとした。
     だが膝枷に戒められた足は渡された膝枷棒に止められて僅かに閉じることも出来ず、それどころか、羞恥の時間をわずかでも減らすため歩みを早める事すら困難だった。
     ソラは、膝枷の制約により僅かしか進まない歩幅を歩数で補い、後ろに続く見物人に秘所を晒したまま歩き続けた。ホゾの責めから解放されたはずの股間からは、あらたな蜜が湧き出し、地面に垂れてソラが歩いた後に粘液の跡を引いた。

     ちり~ん、ちり~んと、首輪に付けられた鈴が鳴る。鈴の音が響く度、見物人は増えていった。ソラはその裸身を広告塔として、たっぷりと時間をかけて街中を練り歩かされ、交尾広場へ連行された。
     人々の視線が股間に突き刺さり、そこから溢れて垂れる愛液をますます濃厚な物にする。羞恥が、全裸の肌から身体の奥へ染み込んでいった。

     ゆっくりと、晒し者の散歩は続く。膣のホゾを抜かれたソラは、時間と共に思考を取り戻してゆく。だめだ。こんな姿を晒してはだめ。裸の尻を高く掲げ、全てを丸出しにしたまま鎖を引かれて四つん這いで従うソラ。それは、女が決して人に晒してはいけない淫らで惨めな姿だ。
     だがそれ以上に、命じられるがまま晒し者になるその姿は、ソラが帝国に屈し、調教されてしまった事を群衆に知らしめた。あれはもう人ではなく、何をしてもいいモノなのだ、と。

     ソラの胸に羞恥の火が灯り、大勢の視線に晒されるにつれて炎となってソラの身を焼いた。羞恥に燃える身体と反対に、ソラの心が冷えていく。ちりん、ちりん。観衆は増え続け、今や街道を埋め尽くしていた。
     女が全裸を晒し者にされている事の、何がそんなに楽しいのか。肌を晒すのが恥ずかしく、辛い事がなぜ分からないのか。ソラは長い時間をかけて街中を引き回され、晒され続けた。屈辱の時間は、永遠に続く様に思えた。
     だが、一歩すすむ毎に高まる羞恥は、ソラを、少しずつ現実に引き戻していった。残酷にも、交尾広場は、ゆっくりと、着実に近付いていた。

     やがて交尾広場が見えてくると、ソラについて来た見物人達は、広場へと雪崩れ込んだ。広場は既に、人で埋め尽くされていた。『着いたら、好きなだけ交尾すればいい。』そう言われた時の、あの歓びが脳裏に蘇った。
『好きなだけ、交尾する?』
あの、大群衆と?ソラの心に恐怖が噴き上がった。
     だめだ。それはだめだ。わたしはいったい、なんて事を望んでいたのか。
『逃げなきゃ!逃げなきゃ!』
ソラの心に警鐘がなった。だが医官に逆らう事はありえない。ソラは大人しく医官に従って歩く。逃げなくてはいけない。だが、医官には絶対服従しなくてはならない。ソラの心は引き裂かれた。

     ホゾに焦らし抜かれた下腹が疼く。セックスがしたい。誰でもいいからセックスしたい。だけどこれはだめだ。これはセックスじゃない。ソラを人間で居られなくする為の儀式だ。こんな惨めな交尾を見世物にされたら、もう人には戻れない。
     お願い。誰とでもする。見世物にもなる。だから、女として抱いて。せめて、人間のまま逝かせて。

     遂にソラは交尾広場に到着した。そこには横並びに数本の太い杭が立ち、その一番端には痩せ細った男が繋がれていた。広場中央の杭には、ソラを繋ぐ支度が整えられている。杭の傍らには空の餌皿、そして頂には大きく恩赦の掲示。

『シルヴヴァイン王国近衛兵団騎士 ソラ=アエリア
罪状:皇帝陛下の暗殺未遂並びに帝国臣民の殺害 百余名
恩赦:主犯レオ=シルヴヴァインの犯行を証言し、その逃走経路を申告して臣民の安全保障に寄与した。その功績を認め、恩赦を与える。
勾留期間:三月。この間、その生命をここ慈愛の庭園において天に委ねる』


     慈愛の庭園。それがこの広場の正式な名前だった。ここでは貧民や乞食への配給が行われていた。また恩赦を受けた重罪人が勾留期間を過ごす場所でもあった。
     恩赦を受けるのは、ほとんどの場合捕虜となった敵国の騎士だ。
     拷問に屈して口を割り恩赦を受けた騎士は、死刑を免除され、罪の重さによって一定の勾留期間を経過後、再犯の可能性なしと認められれば釈放される。しかし、死刑は免除されても衣食住は与えられない。獄中では勾留期間に餓死する。そこで彼らは慈愛の庭園に勾留され、神と臣民の慈悲に身を委ね、釈放の時を待つのだ。

     神聖カリタス帝国の、慈愛を象徴するこの広場は、勾留される者にとっては地獄だった。通称、交尾広場。働きもせずに広場の周囲にたむろする貧民や乞食は、配給と称して配られる貴族の残飯を食べ、恩赦を受けた男に石を投げ、勾留された女を犯し、彼らが食事を乞う為の餌皿に小便をして憂さを晴らした。
     膨大な戦費を税金として徴収される市民は、その様子を眺めて喝采し、不満の捌け口とした。

     勾留される罪人の比率は男の方が多かったが、生存率は圧倒的に女の方が高かった。女の方が野次馬から水や食料を恵まれる率が高かった事もあるが、常に犯されて強制される精飲は、水分と栄養の補給にもなったからだ。
     勾留期間一杯まで犯された女騎士は、やがて従順になり、勾留期間が終わると再発の恐れなしとして釈放された。そしてその多くは、帝国に情報を漏らし騎士の誇りを汚したとして、自国に帰ってから処刑された。

     ソラは広場の入口で、鎖を引かれて立ち止まった。四つん這いのまま尻を高く掲げ、従順に次の指示を待つ。

     杭の周囲を、大勢の群衆が取り囲んでいた。彼らは、ソラが広場に達すると一斉に振り返り、その裸身を凝視しながら左右に別れ、杭への道を開けた。
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