NTR興国紀

たかした

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第二章 拷問

第20話 ソラの陥落

     周囲が白み、朝の気配が漂い始めても、列は途切れなかった。人影はまばらとなり、性交はより深く、しっとりしたものとなっていた。対となる二つの性器は絡み合い、蕩けあってその歓びを共有した。抵抗の意志を手放すのと引き換えに、ソラは安らぎを手に入れた。
     昼の、獣のように欲望を貪る行為とも、深夜の、恋人同士のように甘く絡み合う行為とも違う、穏やかで幸福な時間だった。

     ソラは四つん這いではなく、仰向けになり、手足を開いて男を受け入れていた。それは正常位と言うよりも、犬が腹をさらして服従の意志を示す姿に似ていた。

     穏やかで安らかなセックスは、ソラに、余韻の中で微睡む自由さえ与えた。囚われて以後、片時の休息も与えられず嬲られ続けたソラに、それははじめて与えられた睡眠の時間だった。
     うたた寝しながら快感の中を揺蕩い、絶頂に優しくゆり起こされて半覚醒の中歓びを噛み締める。その余韻が身体に沁み渡るのと共に再び夢の世界に沈み、性交の夢を見ながら浅い眠りを享受した。

     性の悦びと睡眠の安らぎを一度に手に入れたソラ。性欲の海は何処までも広く、深く、慈愛に満ちて凪いでいた。

     日が昇り、朝が来た。歓びに満ちた、爽やかな朝だった。街は、少しずつ動き出していた。
     貧民に食事を配る配給の時間が来ると、慈愛の庭園は再び人で溢れた。

     恩赦を受けた犯罪者に食事の配給はない。神と臣民の慈悲に身を委ねた拘留者には、空の餌皿だけが与えられる。餌皿に臣民の施しが得られれば拘留者は生き延びる事が出来るのだ。

     実際に拘留者を哀れんで食事を施す信仰厚い貴婦人はいる。そういう貴婦人達は拘留者と目を合わせず、通り過ぎざまに餌皿にパンを投げ落とすのだ。だが、現実に餌皿を満たすものは、もっと陰湿で、残酷なものだった。

     配給を受け取った貧民達は、その場で飯を喰い始めた。猥談がはじまり、下品な笑い声が響く。あちこちで殴り合いの喧嘩が始まる。いつも通りの朝の光景だった。だが今朝は、広場の中央に極上の雌が繋がれていた。
     昨日から交合い続けるその雌は、今も腰を振り続けていた。

     人が増えるにつれ、今朝も顔と尻に長い行列が出来た。交尾は続き、尻に並んだ男達は次々に入れ替わっていく。

     だがソラの顔の前に並んだ男達は、挿入せずにソラの食餌が終わるのを待った。
     ソラの餌皿に、おぞましい施しが溜まっていく。
     男達は配給を食べながらたむろし、食べかけの咀嚼物を一口ずつ餌皿に吐き入れていった。行き交う男達に、すぐに餌皿は咀嚼物でいっぱいになった。
     そこに、とどめの小便が引っ掛けられた。

     口淫を待つ男達から圧力が掛かる。
     その圧に負け、ソラは背後から突かれながら、ひとくち餌を口に含んだ。飲み込んでもいないのに、胃液が込み上げた。大勢の貧民の、個性ある口臭が混ざり合い、小便の鼻をつく臭気と相まって、形容し難い異臭が口中に広がった。
     他人が咀嚼した飯のどろりとした食感が、舌の上でぬめった。

     僅かに開いた唇が震え、胃が痙攣して縮み上がる。舌の付け根が攣り、涙と唾液が一斉に分泌された。身体中が、汚物を排出しようと息筋んでいた。
     だがこれは、そういう食餌なのだ。これを受け入れた時、ソラ自身が汚物として、堕落の階段を登り、人間以下の領域に至る。

     ソラは昨日、レオの名誉を守る為、全身全霊をかけて絶頂に抗った。それと同じ熱量で、ソラは貧民達に恭順の意を表現する為、気力の全てを捧げ、その小便粥を嚥下した。胃の中に悪寒が渦巻き、嫌悪感に喉元が震えた。それでも、奇跡的にそれは胃の中に納まった。
     だが、二口目はもう無理だった。口淫を待つ男達の圧はますます強くなっていく。でも幾ら催促されても、口に含むことすら出来ない。

     ソラは餌皿を拒絶して男根をしゃぶろうとしたが、許されなかった。奉仕の前に完食する事を強要された。
     それでいて、もう口に含むことすら出来ないソラに男達の苛立ちは募る。ソラは餌皿に顔を寄せたまま、下の穴の快感に没頭して現実から逃避した。

     とうとう待ちきれなくなった一人の男が、餌皿に向かって射精した。餌の上に精液が降りかかり、小便粥がますますおぞましいものになる。でも。
    『あれ?』ソラは餌皿を眺めた。トッピングひとつで料理の印象は変わる。あれ程おぞましがった汚物は、大好きな精液のトッピングを施され、食べ物に変わった。

     ソラはおそるおそる、なるべく精液が沢山掛かった所を選んで口に含んだ。
『美味しい。』
     食べ慣れた精液のトッピングに小便粥の味わいはまろやかになり、立ち昇る口臭は官能を誘うスパイスとなった。小便の臭気に混ざる欲情した雄の匂いは、身体の芯を温めて心に染み渡ってゆく。『美味しい。これなら、食べられる。』

     ソラは食餌を再開した。トッピングが減ると、ソラは精液の追加をねだった。こうして、ソラは完食を待たずに口淫の開始を許された。
     口奉仕して恵まれた精液を、餌皿に吐き出してトッピングし、小便粥を啜るのだ。

     食餌を完食した後も、ソラは口淫で得た精液を、大切に餌皿に吐いて溜めた。
「ありがとうございます。頂きます。おちんちん様、愛しています。」
ソラは、ペニスを口元に与えられる度に、歓びを口に出して感謝を伝え、熱っぽくペニスへの愛を囁いた。そしてその先端にくちづけしてから口に含む。口淫の幸福が募った。

     その後も断続的に咀嚼物は追加された。餌にたっぷりの精液を塗して食する。こうして食餌は、性交と並ぶソラのもうひとつの楽しみとなった。


     二日目も、一日目の繰り返しだった。昼は激しく腰をぶつけ合って絶頂を貪り、夜は濃厚に絡み合って官能に蕩け合い、明け方は愉悦の中に揺蕩って幸福に浸った。
     抵抗を諦めたソラは、ますます行為に没頭していく。数しれぬ絶頂を施され、ふんだんに食餌を与えられ、睡眠すら許された。

     ソラは囚われてから初めて味わう安らぎに浸り、交尾への依存を深めていった。壊された心に、幸せが満ちた。
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