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第一部ルート5「つばさ」
奪還6
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「アサト伏せて!」
私は大声で叫ぶ。
瞬時に伏せる体制を取ったアサトの頭上に円盤型のノコギリが髪の毛をかすり取っていった。
「ちゃんと私の指示に従ってくれないと本当に危ないよ?」
「ごめん…そこにあった花瓶に気を取られてた。」
アサトは机にあった不自然にズレた花瓶がとても気になったみたいで、そっちの方向に体が流れて行ってしまったらしい。
でも気持ちはわからないでもない…。
私は偵察型獣人のスキルを活かして、罠の場所をある程度なら把握できる能力を持っている。
今引っかかった罠も事前にそこにあると解っていたからこそ、前もって知らせることが出来たのだ。
「それにしても前に侵入した時より、罠の形式や設置場所が全然違うわ…。」
「僕と初めて会った時の事?」
「そうそう…。」
もう遠い昔のように感じるが、一昨日の出来事である。
それだけ濃厚で刺激的な時間が流れている証拠だった。
私達は罠に気を付けながら更に奥へと入っていき、広い空間の部屋に辿りつく。
私は辺りを見渡して記憶がフラッシュバックする。
「前回はここでハクシに捕まっちゃったのよね。」
私は苦い顔をしながら、あの時の事を振り返った。
「興味本位で機人の食生活について調べるために、勢いだけでここに入ったのよね…。機人との関わりは固く禁止されていたのに、ちょっとぐらいなら大丈夫と啖呵を切って、結局捕まっちゃって…。」
今思い出すだけでも、天人の奇襲がなければ私はハクシの研究対象としておもちゃにされていたのだろうか…。
フォローをするようにアサトが語りだした。
「でもその事がなければ僕は一生この場所に隔離され続けていたか、天人達に連れ去られてその後どうなっていたかは解らないよ…。僕が今こうしてシエルの隣に居ることが出来ているのは、その事を実行してくれたおかげだよね。」
ちょっとでも何かが欠けていれば、今日まで起こった事象はすべて無かった事になるかもしれない。
それは私が全ての発端である。
もしも侵入行為をやめていれば、また違った時間があっただろう。
でも今のこの状況は何かの運命や因果に導かれて起こるべくして起こった事なんだろうと勝手に思うことにしておこう。
アサトは一言こちらに敬意を込めてお辞儀をしていた。
「僕を自由にしてくれてありがとう。」
突然の言葉に少し動揺した。
「別にお礼を言われたくてやったわけじゃないし、たまたま一緒に逃げるタイミングがあっただけだから!」
私は身振り手振りを使い、焦っているような素振りで照れ隠しをした。
それでもアサトは真面目な顔でもう一度お辞儀をする。
「それでも感謝はしている。」
改めて言われると、やはりテレくさい。
私達はしばらく謙遜の投げ合いを続けた。
「そろそろ進まないと、手遅れになるからこの話はまた今度ね!」
私は無理矢理にでも会話を止めて先に進もうと前進すると…
物凄い音が聞こえた。
音は下から徐々に迫ってくる。
「ちょっと、手遅れかもしれない…」
機人が自爆を決行したものだと思っていたが…。
音がこの部屋に到達した時に奥の床が盛り上がり、床の破片もろとも女の子が飛び出してきた。
血だらけの女の子は出血量が多すぎてまるで血飛沫のドレスをまとっているかのように見えた。
そのまま放物線を描くように私達の手前で鈍い音を立てて落下した。
女の子はかろうじて息をしているが、この状況だともう永くは続かないだろう…。
酷い…。酷すぎる…。
ふとアサトの方向を見ると信じられないと言う驚きと悲しみが入り混じった複雑な顔でその子を見つめている。
「突然どうしたの?」
私はアサトに質問した時に、両手で頭を抱えながら今までに聞いた事のない声で叫びだした。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は大声で叫ぶ。
瞬時に伏せる体制を取ったアサトの頭上に円盤型のノコギリが髪の毛をかすり取っていった。
「ちゃんと私の指示に従ってくれないと本当に危ないよ?」
「ごめん…そこにあった花瓶に気を取られてた。」
アサトは机にあった不自然にズレた花瓶がとても気になったみたいで、そっちの方向に体が流れて行ってしまったらしい。
でも気持ちはわからないでもない…。
私は偵察型獣人のスキルを活かして、罠の場所をある程度なら把握できる能力を持っている。
今引っかかった罠も事前にそこにあると解っていたからこそ、前もって知らせることが出来たのだ。
「それにしても前に侵入した時より、罠の形式や設置場所が全然違うわ…。」
「僕と初めて会った時の事?」
「そうそう…。」
もう遠い昔のように感じるが、一昨日の出来事である。
それだけ濃厚で刺激的な時間が流れている証拠だった。
私達は罠に気を付けながら更に奥へと入っていき、広い空間の部屋に辿りつく。
私は辺りを見渡して記憶がフラッシュバックする。
「前回はここでハクシに捕まっちゃったのよね。」
私は苦い顔をしながら、あの時の事を振り返った。
「興味本位で機人の食生活について調べるために、勢いだけでここに入ったのよね…。機人との関わりは固く禁止されていたのに、ちょっとぐらいなら大丈夫と啖呵を切って、結局捕まっちゃって…。」
今思い出すだけでも、天人の奇襲がなければ私はハクシの研究対象としておもちゃにされていたのだろうか…。
フォローをするようにアサトが語りだした。
「でもその事がなければ僕は一生この場所に隔離され続けていたか、天人達に連れ去られてその後どうなっていたかは解らないよ…。僕が今こうしてシエルの隣に居ることが出来ているのは、その事を実行してくれたおかげだよね。」
ちょっとでも何かが欠けていれば、今日まで起こった事象はすべて無かった事になるかもしれない。
それは私が全ての発端である。
もしも侵入行為をやめていれば、また違った時間があっただろう。
でも今のこの状況は何かの運命や因果に導かれて起こるべくして起こった事なんだろうと勝手に思うことにしておこう。
アサトは一言こちらに敬意を込めてお辞儀をしていた。
「僕を自由にしてくれてありがとう。」
突然の言葉に少し動揺した。
「別にお礼を言われたくてやったわけじゃないし、たまたま一緒に逃げるタイミングがあっただけだから!」
私は身振り手振りを使い、焦っているような素振りで照れ隠しをした。
それでもアサトは真面目な顔でもう一度お辞儀をする。
「それでも感謝はしている。」
改めて言われると、やはりテレくさい。
私達はしばらく謙遜の投げ合いを続けた。
「そろそろ進まないと、手遅れになるからこの話はまた今度ね!」
私は無理矢理にでも会話を止めて先に進もうと前進すると…
物凄い音が聞こえた。
音は下から徐々に迫ってくる。
「ちょっと、手遅れかもしれない…」
機人が自爆を決行したものだと思っていたが…。
音がこの部屋に到達した時に奥の床が盛り上がり、床の破片もろとも女の子が飛び出してきた。
血だらけの女の子は出血量が多すぎてまるで血飛沫のドレスをまとっているかのように見えた。
そのまま放物線を描くように私達の手前で鈍い音を立てて落下した。
女の子はかろうじて息をしているが、この状況だともう永くは続かないだろう…。
酷い…。酷すぎる…。
ふとアサトの方向を見ると信じられないと言う驚きと悲しみが入り混じった複雑な顔でその子を見つめている。
「突然どうしたの?」
私はアサトに質問した時に、両手で頭を抱えながら今までに聞いた事のない声で叫びだした。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
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