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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~
終焉7
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崩壊した建物の前に無数の故人が渦巻く中、一角で会話がおこなわれている。
「この子達を連れて帰るのはいいんだけど、全員をすぐに連れて帰る事は無理なの…だから私を治療してくれた、あの場所を少しの間でいいから使わせてもらっても構わない?」
「あの場所は元々無法地帯だったから、自由に使ってもかまわないはずだよ。ただ貴重な文献も沢山あるからそれの扱いだけ注意して欲しいかな。」
「それじゃぁ、遠慮なく使わせて貰うわね。」
アリルとシエルが今後について話をしている。
アリルはすぐに小隊に指示を出した。
「隊長!それでは故人達の移動準備に入りますぅ!」
「よろしくお願いね。」
故人達の件が上手く纏まり小隊の仲間達が動き出す。
よく動いて隊長想いの部隊だ。
「あんたはどうするの?」
シエルはハクシに問いかけた。
「動けるようになったら、今回のウイルスの件を追って首都にあるバベルを調べてみるつもりだ。」
「手足が無いのに動ける方法があるの?」
「それは色々と試してみるさ…。」
そんな事を話していると、森の奥から人影が歩いて来た。
一応警戒態勢を取り、緊張が走る。
ガサガサっと音を立て、薮の中から2人の獣人の姿が現れた。
「お父さん!お母さん!」
シエルの声が森を響き渡った。
涙を浮かべながら二人に駆け寄ろうとするのだが…。
「大バカモン…大バカ娘よ…。」
「シエル…ごめんね…。」
親達は辛そうに弱々しく叱り付け、そして謝罪しながら、シエルをこれ以上近くなと手で制止をする…。
父親が重い口を開いてシエルに現実を突き付けた。
「お前は、重大な禁忌を犯してしまった…。機人との接触…及び機人との交流…。」
辛そうに涙をこらえながら、父親が言葉を濁しながら言い放った。
「シエルよ…。我が娘よ…。こんな事は言いたく無いのだが…。この街から追放と言う処置が決まった。」
「えっ…。」
突然の宣告に戸惑うシエル。
「ちょっと、まって下さい!」
ハクシが話に割って入る。
「確かに獣人は機人との接点を持ってはいけないルールはあるのだが、今回は機人の俺の顔を立てて、シエルの追放を白紙にする事は出来ないか?」
悩ましい顔をする父親。
「君が機人であったとしても、その答えは街全体で決まった事なんだ。私の権限だけではとても覆らない…。朝方に来た機人の事の方がどうしても強く色濃く残ってしまって君の力も及ばないだろう。」
「それじゃ、私はどうやって生きていけばいいの?」
母親が少し前にでて、口を開いた。
「いい機会だから、外の世界を色々と見て来なさい。この世界には、まだまだ貴方が知らない世界が広がっているわ…。実は私も同じ様な境遇に立たされた事があってね…。今回の件とはまた別の一件なんだけど、街を追放された事があるの…。」
「…お母さん…。」
「貴方は私の血を引いて強い子よ。きっと強く生きて生活できるわ…。」
母親は古ぼけた一冊のノートを差し出す。
「なにこれ…。」
「私が街を出る事になって、私の母親から…貴方のおばあちゃんから譲り受けたノートよ。きっと今後役立ってくれるはずよ…。」
シエルはそのノートを受け取り、母親に抱きつこうとする。
母親はそれを拒むように、父親の方へ移動した。
「お、おかぁさん?」
泣き噦るシエルを辛そうな辛い目で突き放した。
「ごめんね…。必要以上に接点を持つ事も許されてないの…。」
「達者で頑張るんだぞ…。」
シエルの親達はライオンの独り立ちをさせる時の様に、気持ちを崖から一気に突き落として森の中へとそそくさと消えていった。
その背中はとても寂しそうに見える。
「シエル…。」
「ごめん…今は一人にして…。」
ハクシの心配そうな声を背に、シエルは森の中へと走って行く。
それを僕は追いかけた。
しばらく行った場所に大木があり、そこでうずくまっているシエルを発見する。
「シエル…。」
僕は声をかけた。
「ひゃっ!こ、こないで!」
今ある悲しみとは、また別の拒絶反応を起こして僕を拒んだ。
きっとあの時の出来事が、シエルの心に深く恐怖を与えたのであろう。
時は遡り、養殖場内部。
シエルの頭上へ天井が崩落してくる。
僕は血の力を使い、シエルの元へ駆け寄った。
「え?」
「シエル!!!」
僕はシエルを庇い、天井の下敷きになった。
胸を押し潰される痛み、脳をグチャグチャにされる感覚。
全てが一斉に襲いかかる。
きっと即死だったであろう。
「アサト!」
大きな瓦礫をシエルが必死に取り除いてくれた。
顔も体もグチャグチャな僕を見て絶句しているシエルの姿を、僕は潰れた目をキュルキュルと動かし見つめた。
「えっ、ちょっと…アサト?」
絶句の後のシエルの反応がおかしい…。
ゆっくりと潰れた体を持ち上げる。
「じょがっt」
よかったと言ったつもりが上手く喋れていない。
シエルは怯えた様子で、腰を抜かす。
「らいじょうr」
大丈夫?という言葉も、意味不明な音で発せられていた。
僕はそのままの状態でシエルに手を差し伸べる。
血だらけの手が目に映った瞬間。
「来ないで!バケモノ!」
腰をずりずりと引きずり後退している。
バケモノ?僕がバケモノ?
徐々に体の違和感と痛みが無くなってくる。
「ど、どうしたの?」
ちゃんと喋る事が出来ている。
「何で生きてるのよ!あんなグチャグチャな状態だったのに!怖いよ!あんたが怖いよ!」
そう吐き捨てて、僕の前から逃げて行った。
その後みんな一緒にいる時は通常に接してくれているが、二人っきりになった時には怖がられてしまう。
少しの沈黙が流れた。
「ごめんね…。いま頭ごっちゃごっちゃだから…。アサトが悪い訳じゃ無いってわかってるんだけど…。」
僕に対して背を向ける。
「今は一人にして…。」
シエルは森の中へと走って行った。
「この子達を連れて帰るのはいいんだけど、全員をすぐに連れて帰る事は無理なの…だから私を治療してくれた、あの場所を少しの間でいいから使わせてもらっても構わない?」
「あの場所は元々無法地帯だったから、自由に使ってもかまわないはずだよ。ただ貴重な文献も沢山あるからそれの扱いだけ注意して欲しいかな。」
「それじゃぁ、遠慮なく使わせて貰うわね。」
アリルとシエルが今後について話をしている。
アリルはすぐに小隊に指示を出した。
「隊長!それでは故人達の移動準備に入りますぅ!」
「よろしくお願いね。」
故人達の件が上手く纏まり小隊の仲間達が動き出す。
よく動いて隊長想いの部隊だ。
「あんたはどうするの?」
シエルはハクシに問いかけた。
「動けるようになったら、今回のウイルスの件を追って首都にあるバベルを調べてみるつもりだ。」
「手足が無いのに動ける方法があるの?」
「それは色々と試してみるさ…。」
そんな事を話していると、森の奥から人影が歩いて来た。
一応警戒態勢を取り、緊張が走る。
ガサガサっと音を立て、薮の中から2人の獣人の姿が現れた。
「お父さん!お母さん!」
シエルの声が森を響き渡った。
涙を浮かべながら二人に駆け寄ろうとするのだが…。
「大バカモン…大バカ娘よ…。」
「シエル…ごめんね…。」
親達は辛そうに弱々しく叱り付け、そして謝罪しながら、シエルをこれ以上近くなと手で制止をする…。
父親が重い口を開いてシエルに現実を突き付けた。
「お前は、重大な禁忌を犯してしまった…。機人との接触…及び機人との交流…。」
辛そうに涙をこらえながら、父親が言葉を濁しながら言い放った。
「シエルよ…。我が娘よ…。こんな事は言いたく無いのだが…。この街から追放と言う処置が決まった。」
「えっ…。」
突然の宣告に戸惑うシエル。
「ちょっと、まって下さい!」
ハクシが話に割って入る。
「確かに獣人は機人との接点を持ってはいけないルールはあるのだが、今回は機人の俺の顔を立てて、シエルの追放を白紙にする事は出来ないか?」
悩ましい顔をする父親。
「君が機人であったとしても、その答えは街全体で決まった事なんだ。私の権限だけではとても覆らない…。朝方に来た機人の事の方がどうしても強く色濃く残ってしまって君の力も及ばないだろう。」
「それじゃ、私はどうやって生きていけばいいの?」
母親が少し前にでて、口を開いた。
「いい機会だから、外の世界を色々と見て来なさい。この世界には、まだまだ貴方が知らない世界が広がっているわ…。実は私も同じ様な境遇に立たされた事があってね…。今回の件とはまた別の一件なんだけど、街を追放された事があるの…。」
「…お母さん…。」
「貴方は私の血を引いて強い子よ。きっと強く生きて生活できるわ…。」
母親は古ぼけた一冊のノートを差し出す。
「なにこれ…。」
「私が街を出る事になって、私の母親から…貴方のおばあちゃんから譲り受けたノートよ。きっと今後役立ってくれるはずよ…。」
シエルはそのノートを受け取り、母親に抱きつこうとする。
母親はそれを拒むように、父親の方へ移動した。
「お、おかぁさん?」
泣き噦るシエルを辛そうな辛い目で突き放した。
「ごめんね…。必要以上に接点を持つ事も許されてないの…。」
「達者で頑張るんだぞ…。」
シエルの親達はライオンの独り立ちをさせる時の様に、気持ちを崖から一気に突き落として森の中へとそそくさと消えていった。
その背中はとても寂しそうに見える。
「シエル…。」
「ごめん…今は一人にして…。」
ハクシの心配そうな声を背に、シエルは森の中へと走って行く。
それを僕は追いかけた。
しばらく行った場所に大木があり、そこでうずくまっているシエルを発見する。
「シエル…。」
僕は声をかけた。
「ひゃっ!こ、こないで!」
今ある悲しみとは、また別の拒絶反応を起こして僕を拒んだ。
きっとあの時の出来事が、シエルの心に深く恐怖を与えたのであろう。
時は遡り、養殖場内部。
シエルの頭上へ天井が崩落してくる。
僕は血の力を使い、シエルの元へ駆け寄った。
「え?」
「シエル!!!」
僕はシエルを庇い、天井の下敷きになった。
胸を押し潰される痛み、脳をグチャグチャにされる感覚。
全てが一斉に襲いかかる。
きっと即死だったであろう。
「アサト!」
大きな瓦礫をシエルが必死に取り除いてくれた。
顔も体もグチャグチャな僕を見て絶句しているシエルの姿を、僕は潰れた目をキュルキュルと動かし見つめた。
「えっ、ちょっと…アサト?」
絶句の後のシエルの反応がおかしい…。
ゆっくりと潰れた体を持ち上げる。
「じょがっt」
よかったと言ったつもりが上手く喋れていない。
シエルは怯えた様子で、腰を抜かす。
「らいじょうr」
大丈夫?という言葉も、意味不明な音で発せられていた。
僕はそのままの状態でシエルに手を差し伸べる。
血だらけの手が目に映った瞬間。
「来ないで!バケモノ!」
腰をずりずりと引きずり後退している。
バケモノ?僕がバケモノ?
徐々に体の違和感と痛みが無くなってくる。
「ど、どうしたの?」
ちゃんと喋る事が出来ている。
「何で生きてるのよ!あんなグチャグチャな状態だったのに!怖いよ!あんたが怖いよ!」
そう吐き捨てて、僕の前から逃げて行った。
その後みんな一緒にいる時は通常に接してくれているが、二人っきりになった時には怖がられてしまう。
少しの沈黙が流れた。
「ごめんね…。いま頭ごっちゃごっちゃだから…。アサトが悪い訳じゃ無いってわかってるんだけど…。」
僕に対して背を向ける。
「今は一人にして…。」
シエルは森の中へと走って行った。
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