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死んだ人の話
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中学2年のとき。曽祖父が死んだ。
事故だったらしい。
雨の日だった。
これが初めての身近な死だったと思う。
別によく話す間柄でもなかった。
だから別に悲しくもなかったし。
ただ、その頬に触れるのは怖かった。
結局最後まで触らなかった。気がする。
覚えてないけど。
高校1年のとき。
同じ病棟に入院していた女の子が死んだ。
ぼくはもう退院していたけど。
2歳だった。
退院するとき、
元気になったら、いつかうちに遊びにおいで、
って言った。
そのいつかは絶対にないんだなって。
報告を聞いた数日後に思った。
高校2年のとき。
叔父が死んだ。
何故死んだかは調べなかったらしい。
30代後半だったと思う。
このときから母親が壊れていった。
もともと壊れてたけど。
誰が見ても分かるくらいの壊れ具合。
赤い彼岸花の咲く季節だった。
もちろん頬には触れなかった。
怖かったから。なんとなく。
高校3年のとき。
祖父が死んだ。
クローゼットで首を吊っていたらしい。
ぼくは見てないけど。
前の年から気分の波は激しかったらしい。
さすがに頬には触れた。
そうしないとぼくが人でなしに思われるし。
正直ゾッとした。
よくできた人形なんかより、
ずっと生々しかったから。
いつかはもう忘れた。
叔母が死んだ。
心筋梗塞だったらしい。
聾の人だった。
手芸が上手だった。
ぼくが小学生の頃、
手編みのセーターとかをくれてた。
もちろん頬は触らなかった。
もう一人の祖父が死んだ。
初めての死に際を見た。
穏やかだった。
心臓がなんかの病気だったと思う。
家族、親戚に見守られながら死んだ。
異様な光景だった。
気持ち悪いと思った。
白々しいと思った。
その間際だけ、手を握った。
箱に入ってからは触らなかった。
生きていれば必ず死があることを知った。
思い知らされた。
人ってあっけなく死ぬものだと思った。
だから、頑張って、と
死んでいく姿に声掛けをする有様が、
あまりにも異様で、
滑稽で、
馬鹿馬鹿しくて。
人でなしだな、って、かなしくなった。
事故だったらしい。
雨の日だった。
これが初めての身近な死だったと思う。
別によく話す間柄でもなかった。
だから別に悲しくもなかったし。
ただ、その頬に触れるのは怖かった。
結局最後まで触らなかった。気がする。
覚えてないけど。
高校1年のとき。
同じ病棟に入院していた女の子が死んだ。
ぼくはもう退院していたけど。
2歳だった。
退院するとき、
元気になったら、いつかうちに遊びにおいで、
って言った。
そのいつかは絶対にないんだなって。
報告を聞いた数日後に思った。
高校2年のとき。
叔父が死んだ。
何故死んだかは調べなかったらしい。
30代後半だったと思う。
このときから母親が壊れていった。
もともと壊れてたけど。
誰が見ても分かるくらいの壊れ具合。
赤い彼岸花の咲く季節だった。
もちろん頬には触れなかった。
怖かったから。なんとなく。
高校3年のとき。
祖父が死んだ。
クローゼットで首を吊っていたらしい。
ぼくは見てないけど。
前の年から気分の波は激しかったらしい。
さすがに頬には触れた。
そうしないとぼくが人でなしに思われるし。
正直ゾッとした。
よくできた人形なんかより、
ずっと生々しかったから。
いつかはもう忘れた。
叔母が死んだ。
心筋梗塞だったらしい。
聾の人だった。
手芸が上手だった。
ぼくが小学生の頃、
手編みのセーターとかをくれてた。
もちろん頬は触らなかった。
もう一人の祖父が死んだ。
初めての死に際を見た。
穏やかだった。
心臓がなんかの病気だったと思う。
家族、親戚に見守られながら死んだ。
異様な光景だった。
気持ち悪いと思った。
白々しいと思った。
その間際だけ、手を握った。
箱に入ってからは触らなかった。
生きていれば必ず死があることを知った。
思い知らされた。
人ってあっけなく死ぬものだと思った。
だから、頑張って、と
死んでいく姿に声掛けをする有様が、
あまりにも異様で、
滑稽で、
馬鹿馬鹿しくて。
人でなしだな、って、かなしくなった。
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