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02 なんでこんなに懐かれたんだろう
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ん、朝か。
俺は今日、13歳になった。
あの女性、改めシルフさんに拾われてからもう三年も経つのか。
なんだかんだで居候になってしまった。
シルフさんの夫にも快く受け入れてもらい、今俺は人生で今まで一度も感じたことがなかった幸せを感じている。
どうやらシルフさん夫婦は冒険者をやっているらしく、たまにしか家に帰ってこないのだ。冒険者というのは野蛮な人達という偏見があったが実際に目の前にしてみると全然そんなにことはなく、シルフさんの夫もとてもいい人だった。
さて、起きるか……ん?
身体を起こそうとするとなにか違和感を感じる。
ああ、またか。これに慣れてしまった自分が怖い。
「……テナか?」
「……ん、あ、おはようございます。お兄様」
布団をめくると、テナが俺を抱きしめるような形で乗っかっていた。
この三年で何故かとても懐かれてしまった。
「また俺の布団に入ってきたの?そんなに男の前で無防備にしてたら危ないよ」
俺がそう言うと、テナはニヤリと笑う。
「危ない?危ないのはお兄様の方なのでは?」
テナはそう言うと、こちらに顔をグイッと寄せてくる。
下着姿でそんなことはされるとちょっと……
「ファーストキス、わたしが奪っちゃいますよ?」
「ど、どうせそんな度胸ないでしょ。むしろファーストキスの相手が俺なんかだったら嫌なのはテナの方だろ?」
そうだ。こんなゴミ顔とキスするのなんてテナも絶対嫌なはずだ。
残念だったなテナ。俺の勝ちだ!
……ん?なんかドアがガタガタいってるけどなんだ?風?
「……へぇ。まだ伝わってないみたいですね。わたしの気持ち。でもいくら鈍感なお兄様でもここまですれば流石にわかるでしょう」
「お、おい何を――」
キ、キ、キ、キ、キス、されてしまった。俺とテナの唇が一瞬重なる。
「どうでした?お兄様」
「ど、どうって……テナ」
ガタガタガタガタ!!
ドアがすごいことになってる。明らかに誰か、というか今この家には俺たち以外にはサナしかいないのでサナが開けようとしている。
「お、おい。サナが呼んでるみたいだぞ。早く出ないと――」
「ここまでしたのにまだほかの女のこと考えてるんですか?許せませんね」
テナがムスッとしながら俺の言葉を遮る。
「じゃあ今度はお母さんたちのキスを真似をしてみましょうか。おっと、逃がしませんよ」
そう言ってテナは少し状態を起こし、俺の手を押さえつける。
密着していたので今まで見えなかったが、テナの胸元がダイレクトに視界に入る。
「あ、お兄様。今、わたしの胸を見てましたね?」
「いや、違っ!ごめん……」
……俺が悪いのか?なぜ謝るんだ俺。
「ご安心ください。今は小さいですが、まだ成長期です。これから大きくなると思われますので。それでは失礼します」
……!!
テナの顔が再び接近してくる。
さっきのキスとは違って舌が……入って……
「んっ……あっ……」
時々聞こえてくるテナの声が妙に色っぽい。
てか、急にどうしたテナ!?
今までこんなことなかっただろ。
なんで急にこうなった!?
バタン!!!!
とうとうドアが開いた。
エプロン姿のサナが飛び込んでくる。
「……!!テナ……あんた……!」
サナによってヒョイっとテナが俺から引き剥がされる。
「なんですかサナ?わたしの幸せな時間を邪魔しないでください」
テナから殺気に近いオーラが出ている。怖い。
「許すわけないでしょ。アーリスが襲われてるのを黙って見ていられないわ」
サナからもテナと同じようなオーラが出てる。
やっぱり姉妹だなぁ。怖い。
「襲ってなどいませんよ。気持ちよかったですよね?お兄様?」
「無理して答えなくていいのよアーリス。怖かったわよね。慰めてあげるからいらっしゃい」
サナはテナをポイッと放り投げ、俺にに向かって両手を広げる。
え、何そのポーズ。
抱きついてこいと?もう俺も子供じゃないんだが……。
俺があたふたしていると、サナは自分から近ずいてきて、俺を抱きしめる。
「サナ!わたしのお兄様に馴れ馴れしく触らないでください!」
「いつからアーリスはあなたのものになったなのかしら?アーリスは誰のものでもないわよ?」
二人が睨み合っている間、俺はサナの腕の中で黙って震えていた。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
「そういえば、明日は剣士育成学校の入学試験じゃない。ちゃんと用意はできてる?」
朝食を食べている俺たちに向かってサナが問いかけてくる。
そっか、テナは明日から試験か。
サナは剣士育成学校の二年生首席だそうだ。
なので貴族でないにも関わらず、学園ではクラスカーストの最上位層らしい。
「明日テストなのか。テナ頑張れよ」
俺はテナの頭をなでなでしながら言うとテナは目を閉じて幸せそうに頬を緩める。
「ふあああ……。ありがとうございますぅー。お兄様も頑張ってくださいねぇー」
なんだこの可愛い生き物は……。
ッ!なんだ!?この殺気は!?
……サナが、俺達のことを睨んでいる。
あ!そうでしたすいません。食事中はお行儀良くですよね。了解です。
ん……?今、サナは俺に頑張れと言ったか?
何を頑張ればいいんだろう?
応援かな?
俺は今日、13歳になった。
あの女性、改めシルフさんに拾われてからもう三年も経つのか。
なんだかんだで居候になってしまった。
シルフさんの夫にも快く受け入れてもらい、今俺は人生で今まで一度も感じたことがなかった幸せを感じている。
どうやらシルフさん夫婦は冒険者をやっているらしく、たまにしか家に帰ってこないのだ。冒険者というのは野蛮な人達という偏見があったが実際に目の前にしてみると全然そんなにことはなく、シルフさんの夫もとてもいい人だった。
さて、起きるか……ん?
身体を起こそうとするとなにか違和感を感じる。
ああ、またか。これに慣れてしまった自分が怖い。
「……テナか?」
「……ん、あ、おはようございます。お兄様」
布団をめくると、テナが俺を抱きしめるような形で乗っかっていた。
この三年で何故かとても懐かれてしまった。
「また俺の布団に入ってきたの?そんなに男の前で無防備にしてたら危ないよ」
俺がそう言うと、テナはニヤリと笑う。
「危ない?危ないのはお兄様の方なのでは?」
テナはそう言うと、こちらに顔をグイッと寄せてくる。
下着姿でそんなことはされるとちょっと……
「ファーストキス、わたしが奪っちゃいますよ?」
「ど、どうせそんな度胸ないでしょ。むしろファーストキスの相手が俺なんかだったら嫌なのはテナの方だろ?」
そうだ。こんなゴミ顔とキスするのなんてテナも絶対嫌なはずだ。
残念だったなテナ。俺の勝ちだ!
……ん?なんかドアがガタガタいってるけどなんだ?風?
「……へぇ。まだ伝わってないみたいですね。わたしの気持ち。でもいくら鈍感なお兄様でもここまですれば流石にわかるでしょう」
「お、おい何を――」
キ、キ、キ、キ、キス、されてしまった。俺とテナの唇が一瞬重なる。
「どうでした?お兄様」
「ど、どうって……テナ」
ガタガタガタガタ!!
ドアがすごいことになってる。明らかに誰か、というか今この家には俺たち以外にはサナしかいないのでサナが開けようとしている。
「お、おい。サナが呼んでるみたいだぞ。早く出ないと――」
「ここまでしたのにまだほかの女のこと考えてるんですか?許せませんね」
テナがムスッとしながら俺の言葉を遮る。
「じゃあ今度はお母さんたちのキスを真似をしてみましょうか。おっと、逃がしませんよ」
そう言ってテナは少し状態を起こし、俺の手を押さえつける。
密着していたので今まで見えなかったが、テナの胸元がダイレクトに視界に入る。
「あ、お兄様。今、わたしの胸を見てましたね?」
「いや、違っ!ごめん……」
……俺が悪いのか?なぜ謝るんだ俺。
「ご安心ください。今は小さいですが、まだ成長期です。これから大きくなると思われますので。それでは失礼します」
……!!
テナの顔が再び接近してくる。
さっきのキスとは違って舌が……入って……
「んっ……あっ……」
時々聞こえてくるテナの声が妙に色っぽい。
てか、急にどうしたテナ!?
今までこんなことなかっただろ。
なんで急にこうなった!?
バタン!!!!
とうとうドアが開いた。
エプロン姿のサナが飛び込んでくる。
「……!!テナ……あんた……!」
サナによってヒョイっとテナが俺から引き剥がされる。
「なんですかサナ?わたしの幸せな時間を邪魔しないでください」
テナから殺気に近いオーラが出ている。怖い。
「許すわけないでしょ。アーリスが襲われてるのを黙って見ていられないわ」
サナからもテナと同じようなオーラが出てる。
やっぱり姉妹だなぁ。怖い。
「襲ってなどいませんよ。気持ちよかったですよね?お兄様?」
「無理して答えなくていいのよアーリス。怖かったわよね。慰めてあげるからいらっしゃい」
サナはテナをポイッと放り投げ、俺にに向かって両手を広げる。
え、何そのポーズ。
抱きついてこいと?もう俺も子供じゃないんだが……。
俺があたふたしていると、サナは自分から近ずいてきて、俺を抱きしめる。
「サナ!わたしのお兄様に馴れ馴れしく触らないでください!」
「いつからアーリスはあなたのものになったなのかしら?アーリスは誰のものでもないわよ?」
二人が睨み合っている間、俺はサナの腕の中で黙って震えていた。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
「そういえば、明日は剣士育成学校の入学試験じゃない。ちゃんと用意はできてる?」
朝食を食べている俺たちに向かってサナが問いかけてくる。
そっか、テナは明日から試験か。
サナは剣士育成学校の二年生首席だそうだ。
なので貴族でないにも関わらず、学園ではクラスカーストの最上位層らしい。
「明日テストなのか。テナ頑張れよ」
俺はテナの頭をなでなでしながら言うとテナは目を閉じて幸せそうに頬を緩める。
「ふあああ……。ありがとうございますぅー。お兄様も頑張ってくださいねぇー」
なんだこの可愛い生き物は……。
ッ!なんだ!?この殺気は!?
……サナが、俺達のことを睨んでいる。
あ!そうでしたすいません。食事中はお行儀良くですよね。了解です。
ん……?今、サナは俺に頑張れと言ったか?
何を頑張ればいいんだろう?
応援かな?
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