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昼休憩後の世界(2)
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「鬼切さん。この端末、松土さんのみたいなんですけど」
「ああ。幕内さんが新しい端末使いたいらしい。お前も紫野も客先行ってたから、八武に取り替えさせた」
「いいんですか? 松土さんの端末、鳴海さんが使っちゃって」
「構わん」
「じゃあ、ユーザー追加して使いますか」
「いや、きっちりリカバリしてから使え」
再セットアップ? しちゃうんですか?
「あー…じゃあ、バックアップしてからリカバリしますね」
そ、そうそう。データ消えてしまいますもんね。
「いらん。時間の無駄だ。どうせ大したデータも無いだろ。それにアイツは当分帰って来ない」
いらないんだ……いらないの?
暗に当分、を強調し、当分どころか永遠とでも言いたげに、そして帰って来ない、などと言う他人任せな雰囲気ではなく、己が全力をあげてその松土さんと言う方の帰りを阻止すると鬼切さんは言っているように僕には思えた。そして、行間を正しく会得したとでもいいたげに、若干の苦笑いを浮かべた梅先さんもまた、僕と同じように思ったに違いない。
「わか、りました。了解です」
梅先さんの了解をフラグに、次のステップへと切り替わったらしい鬼切さんは自席に向かって1歩進んだところで、ピタリと動作を止めた。
「紫野、どうした?」
鬼切さんが足を止めた前には、ディプレイの電源が消えた真っ黒な画面の紫野さんの机がある。
「食後の一服ついでに、鳴海さんのメールアドレスとかその辺りを新香さんに確認するって言ってましたよ」
「新香? 新香は玉よりさらに千葉の奥地だったよな。今朝当番だと言ってた玉の姿も、新香も俺には姿が見えんが、二人とも会社に着いているのか?」
「いえ。まだお二方とも到着出来ないようで、新香さんとは電話で話すって言ってました」
「ふうん」
あ、明らかに訝しまれていますよ、梅先さん……。だけどその視線を柔らかい笑顔で受け止めて、きっと根も葉もない口から出まかせで紫野さんの窮地を何とかしようとする梅先さん、すごすぎです。超衝撃吸収材みたいなそのスキル、うらやましいなあ。紫野さんの、ピシリと音を上げ外殻が割れて大切なモノが出て行きそうなうらやましさのカケラもない特技とは大違いです。その、超衝撃吸収スキル、それなら僕の項にこれでもかと言うほど突き刺さった鬼切さんの凶悪なから繰り出される氷の刃も、その攻撃力の全てを無効化できそうです! でも、これ以上はやめて! せっかく人間に戻って理性を取り戻していそうな鬼切さんが、また黒い獣にでもなったら困ります!
「ああ。幕内さんが新しい端末使いたいらしい。お前も紫野も客先行ってたから、八武に取り替えさせた」
「いいんですか? 松土さんの端末、鳴海さんが使っちゃって」
「構わん」
「じゃあ、ユーザー追加して使いますか」
「いや、きっちりリカバリしてから使え」
再セットアップ? しちゃうんですか?
「あー…じゃあ、バックアップしてからリカバリしますね」
そ、そうそう。データ消えてしまいますもんね。
「いらん。時間の無駄だ。どうせ大したデータも無いだろ。それにアイツは当分帰って来ない」
いらないんだ……いらないの?
暗に当分、を強調し、当分どころか永遠とでも言いたげに、そして帰って来ない、などと言う他人任せな雰囲気ではなく、己が全力をあげてその松土さんと言う方の帰りを阻止すると鬼切さんは言っているように僕には思えた。そして、行間を正しく会得したとでもいいたげに、若干の苦笑いを浮かべた梅先さんもまた、僕と同じように思ったに違いない。
「わか、りました。了解です」
梅先さんの了解をフラグに、次のステップへと切り替わったらしい鬼切さんは自席に向かって1歩進んだところで、ピタリと動作を止めた。
「紫野、どうした?」
鬼切さんが足を止めた前には、ディプレイの電源が消えた真っ黒な画面の紫野さんの机がある。
「食後の一服ついでに、鳴海さんのメールアドレスとかその辺りを新香さんに確認するって言ってましたよ」
「新香? 新香は玉よりさらに千葉の奥地だったよな。今朝当番だと言ってた玉の姿も、新香も俺には姿が見えんが、二人とも会社に着いているのか?」
「いえ。まだお二方とも到着出来ないようで、新香さんとは電話で話すって言ってました」
「ふうん」
あ、明らかに訝しまれていますよ、梅先さん……。だけどその視線を柔らかい笑顔で受け止めて、きっと根も葉もない口から出まかせで紫野さんの窮地を何とかしようとする梅先さん、すごすぎです。超衝撃吸収材みたいなそのスキル、うらやましいなあ。紫野さんの、ピシリと音を上げ外殻が割れて大切なモノが出て行きそうなうらやましさのカケラもない特技とは大違いです。その、超衝撃吸収スキル、それなら僕の項にこれでもかと言うほど突き刺さった鬼切さんの凶悪なから繰り出される氷の刃も、その攻撃力の全てを無効化できそうです! でも、これ以上はやめて! せっかく人間に戻って理性を取り戻していそうな鬼切さんが、また黒い獣にでもなったら困ります!
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