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ゆっくりと田んぼに囲まれた道を歩いていくと、木々が立ち並ぶ林のような森の入口が姿を現した。
まっすぐ、来たよな。
後ろを振り返るが道は田んぼのあぜを除けば一本道。周囲一面田んぼが広がり、遠くのほうに転々と緑の島、林が見える。きっとそこには民家があるのだろうが、俺が来た道のりの途中にはそれらしいものはなかった。
源五郎さん家はこの奥か。
ちょうどいい。青々とした樹々の奥へと続く道は強い日差しが遮られ涼しそうな木陰が続いている。俺はそのままその先へと向かった。
緑が生い茂る道は涼しく、昨日命がけで遊んだ山のような急勾配、急斜面もなければ、神田がいないせいか危険な香りもしない。痛む身体ではあるがゆっくりと、ただただ自分が地面を踏みしめる音を聞き、すり抜けていく冷たい風の流れに背中を押されるようにしてしばらく快適に歩き続ければ、ふと土の音に今朝目覚めのときに聞いた気がした水の音が混じっていることに気が付いた。
沢でもあるのか?
誘われるように先へと進めば水の音は次第に近付き、それとともに水の匂いと気配が強くなってきた。そのまま光が大きく広がり樹々が開けた場所に出ると、ふいに川に出くわした。大きな川ではないが水は澄んでいるようで、川底の石が良く見える。飛び石続きに向こう側にも渡れそうだが、流れの早い場所は底もそれなりに深そうだった。きらきらと水面で遊ぶ光を見ていたが、その光は水中の何かにも反射していた。
魚か。
身を乗り出して覗き込めば、たしかに魚が泳いでいるのが見えた。遠い昔、こんなふうに魚を夢中で追いかけたような、そんな記憶と光のいたずらの邂逅か、その魚を追う子供の姿が水鏡に映ったように見えた。
俺はここを知っているのか?
子供のころに遊びに来た場所。一緒に遊んで、虫とって魚とって。そうだ。ばあちゃんがヤマメを焼いて。
そんなことを思いながら川沿いをまた歩き続ければ、次第に川幅は広く水の音は強くなり滔滔と流れ落ちる滝が姿を現した。
滝……そうか。滝だ。ゲンゴウロウ……。
まっすぐ、来たよな。
後ろを振り返るが道は田んぼのあぜを除けば一本道。周囲一面田んぼが広がり、遠くのほうに転々と緑の島、林が見える。きっとそこには民家があるのだろうが、俺が来た道のりの途中にはそれらしいものはなかった。
源五郎さん家はこの奥か。
ちょうどいい。青々とした樹々の奥へと続く道は強い日差しが遮られ涼しそうな木陰が続いている。俺はそのままその先へと向かった。
緑が生い茂る道は涼しく、昨日命がけで遊んだ山のような急勾配、急斜面もなければ、神田がいないせいか危険な香りもしない。痛む身体ではあるがゆっくりと、ただただ自分が地面を踏みしめる音を聞き、すり抜けていく冷たい風の流れに背中を押されるようにしてしばらく快適に歩き続ければ、ふと土の音に今朝目覚めのときに聞いた気がした水の音が混じっていることに気が付いた。
沢でもあるのか?
誘われるように先へと進めば水の音は次第に近付き、それとともに水の匂いと気配が強くなってきた。そのまま光が大きく広がり樹々が開けた場所に出ると、ふいに川に出くわした。大きな川ではないが水は澄んでいるようで、川底の石が良く見える。飛び石続きに向こう側にも渡れそうだが、流れの早い場所は底もそれなりに深そうだった。きらきらと水面で遊ぶ光を見ていたが、その光は水中の何かにも反射していた。
魚か。
身を乗り出して覗き込めば、たしかに魚が泳いでいるのが見えた。遠い昔、こんなふうに魚を夢中で追いかけたような、そんな記憶と光のいたずらの邂逅か、その魚を追う子供の姿が水鏡に映ったように見えた。
俺はここを知っているのか?
子供のころに遊びに来た場所。一緒に遊んで、虫とって魚とって。そうだ。ばあちゃんがヤマメを焼いて。
そんなことを思いながら川沿いをまた歩き続ければ、次第に川幅は広く水の音は強くなり滔滔と流れ落ちる滝が姿を現した。
滝……そうか。滝だ。ゲンゴウロウ……。
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