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ルイの指示でユキは仕事の合間に毎日2時間、ルイの乳母に異性との付き合い方や性行為、恋愛や手紙のやりとりなんかを習った。
料理や裁縫なども教わったが、家庭的な事や教養などはラルから既に教わっており、完璧である。
「これ、良かったらどうぞ」
ユキは習って作ったレースのハンカチをルイに渡す。
蝶の刺繍も綺麗だ。
ユキは器用である。
「えっ、良いの? 僕に!?」
喜んで受取るルイ。
こんな綺麗なハンカチ使えない。
額縁にいれて飾らなければ。
「私には無いのですか?」
ちょと不貞腐れるラルだ。
「はい、ラルには雑巾」
「雑巾?」
「実用的なのが好きかと思いまして」
「確かにそうですね」
ラルには手作りの雑巾を渡すユキ。
苦笑して受取るラルと、爆笑してしまうルイだった。
「私には同じ年頃の女友だちが居ないからと、今度お茶会に参加する事になったんです。すごく緊張します」
ユキはちゃんと話が出来るのか、不安しかない。
「普通に僕やラルと話してる時みたいにしてれば良いよ」
「そうですか?」
ラルやルイ様と話をしているとき、自分はどうしているのか、よくわからない。
「まぁ、頑張ってみなさい」
ラルはユキの肩を叩くのだった。
お茶会当日。
ユキはやはり浮いてしまっていた。
「ユキさんはルイ様の毒見係だとか」
「料理見習いの方が大出世ですわね」
「ラル様とはどんなご関係なの?」
嫌味と見下された様な好奇の目に晒されている。
ラルも女性から割と人気な様で、ユキには嫉妬の視線も注がれていた。
ユキをラルが城に連れてきた事は公然の事である。
それは何処の馬の骨ともわからぬユキの信頼の為に必要な事なのだが、ラルは普段無口で他の女性と仕事意外の事で話をしない。
手の届かない高嶺の花の様な男である。
それは勿論ルイもなので、ユキは両手に高嶺の花を持っている魔性の女には見えるのだ。
この国ではあまり血筋等を重く見る事はなく、優秀な者が上り詰める成金なんかも毛嫌いされることは無い。
むしろ称賛されるぐらいだ。
しかし、中にはそれを良くおもわない者もいる。
はたから見ればユキはただの幸運であり、棚から牡丹餅みたいに見えるのである。
なんでこんな女がラル様やルイ様の側に居るの?
と、女性からは敵視されてしまう。
「は、はい。私は毒見がかりで料理見習いです。ラルとは幼馴染みたいな関係です」
ユキはドギマギしながら返事をする。
「うらやましいですわ。魔力もあまり無いとの事、お二人はユキ様を不憫に思ってらっしゃるのね」
「私も魔力が少なければ良かったわ」
「毎日お祈りを捧げる聖女の仕事も大変ですのに」
クスクスと笑う女性達。
「適材適所ですね」
ユキはなんと返事して良いか解らず、曖昧に笑った。
魔力が多い女性は聖女として祈りを捧げる役職がある。
やった事が無いので解らないが、魔力が多くても大変なんだなぁと思うユキだ。
「皆様、ユキ様に嫉妬するのはおやめなさい。醜くてよ」
後かららってきた女性が皆を嗜める。
「ルビー様」
ルビーという女性を見て、その場の者が萎縮する。
「大聖女をしています。ルビーです。仲良くして下さいね」
握手を求めてくるルビーに、ユキは握手を返した。
「ユキ様はどの様なご趣味をお持ちですの?」
「私は、特に…… 黙々と野菜の下処理をする事が好きです」
ルビーの質問に返答するユキ。
周りからはクスクスと笑い声が聞こえる。
「まぁ、素敵ですわね。私は刺繍が趣味てです。ハンカチを良かったら貰って下さいな」
ルビーは自分で刺繍したハンカチをユキに渡す。
見事な刺繍であるが、ユキが刺繍した方が細かく、繊細であった。
しかしユキにはとてと素晴らしい物に思えた。
「綺麗な刺繍ですね。これは何の刺繍ですか?」
「黒百合ですわ」
フフっと上品に笑うルビー。
ユキはルビーを素敵な女性だなと、見とれた。
長い髪は絹糸の様で、淡くピンク色に見える。
瞳は輝くルビー色。
唇は華やかな薔薇色だ。
頬の血色もよく、まさに天使の様な聖女様だと思う。
「ユキ、そろそろ時間だよ」
ユキを迎えに来たのはルイである。
女性達が悲鳴を上げそうになっていた。
「ルイお兄様。お久しぶりですわね」
ルイに抱きつくルビー。
二人は兄妹だったのだろうか。
王族は兄弟が多いから、把握していない人も居るだろう。
「ルビー、元気そうだね。ユキと仲良くしてくれていたかな?」
「はい、ユキ様は可愛らしい方ですわね」
ラルはルビーを抱きしめて微笑みあう。
周りからは小声で「お似合いですわね」と、聞こえる。
兄妹でお似合いとはどういう事だろうか。
「ああ、ユキ。彼女とは従兄妹でね。本当の妹の様に思っているよ」
「お兄様ったら」
ルビーの頭を撫でるラル。
ルビーは照れている。
確かにお似合いかもしれない。
兄妹で結婚は出来ないが、従兄妹はできると聞いた。
「じゃあ、またねルビー。ユキ帰るよ」
ルイはユキの手を引くのだった。
料理や裁縫なども教わったが、家庭的な事や教養などはラルから既に教わっており、完璧である。
「これ、良かったらどうぞ」
ユキは習って作ったレースのハンカチをルイに渡す。
蝶の刺繍も綺麗だ。
ユキは器用である。
「えっ、良いの? 僕に!?」
喜んで受取るルイ。
こんな綺麗なハンカチ使えない。
額縁にいれて飾らなければ。
「私には無いのですか?」
ちょと不貞腐れるラルだ。
「はい、ラルには雑巾」
「雑巾?」
「実用的なのが好きかと思いまして」
「確かにそうですね」
ラルには手作りの雑巾を渡すユキ。
苦笑して受取るラルと、爆笑してしまうルイだった。
「私には同じ年頃の女友だちが居ないからと、今度お茶会に参加する事になったんです。すごく緊張します」
ユキはちゃんと話が出来るのか、不安しかない。
「普通に僕やラルと話してる時みたいにしてれば良いよ」
「そうですか?」
ラルやルイ様と話をしているとき、自分はどうしているのか、よくわからない。
「まぁ、頑張ってみなさい」
ラルはユキの肩を叩くのだった。
お茶会当日。
ユキはやはり浮いてしまっていた。
「ユキさんはルイ様の毒見係だとか」
「料理見習いの方が大出世ですわね」
「ラル様とはどんなご関係なの?」
嫌味と見下された様な好奇の目に晒されている。
ラルも女性から割と人気な様で、ユキには嫉妬の視線も注がれていた。
ユキをラルが城に連れてきた事は公然の事である。
それは何処の馬の骨ともわからぬユキの信頼の為に必要な事なのだが、ラルは普段無口で他の女性と仕事意外の事で話をしない。
手の届かない高嶺の花の様な男である。
それは勿論ルイもなので、ユキは両手に高嶺の花を持っている魔性の女には見えるのだ。
この国ではあまり血筋等を重く見る事はなく、優秀な者が上り詰める成金なんかも毛嫌いされることは無い。
むしろ称賛されるぐらいだ。
しかし、中にはそれを良くおもわない者もいる。
はたから見ればユキはただの幸運であり、棚から牡丹餅みたいに見えるのである。
なんでこんな女がラル様やルイ様の側に居るの?
と、女性からは敵視されてしまう。
「は、はい。私は毒見がかりで料理見習いです。ラルとは幼馴染みたいな関係です」
ユキはドギマギしながら返事をする。
「うらやましいですわ。魔力もあまり無いとの事、お二人はユキ様を不憫に思ってらっしゃるのね」
「私も魔力が少なければ良かったわ」
「毎日お祈りを捧げる聖女の仕事も大変ですのに」
クスクスと笑う女性達。
「適材適所ですね」
ユキはなんと返事して良いか解らず、曖昧に笑った。
魔力が多い女性は聖女として祈りを捧げる役職がある。
やった事が無いので解らないが、魔力が多くても大変なんだなぁと思うユキだ。
「皆様、ユキ様に嫉妬するのはおやめなさい。醜くてよ」
後かららってきた女性が皆を嗜める。
「ルビー様」
ルビーという女性を見て、その場の者が萎縮する。
「大聖女をしています。ルビーです。仲良くして下さいね」
握手を求めてくるルビーに、ユキは握手を返した。
「ユキ様はどの様なご趣味をお持ちですの?」
「私は、特に…… 黙々と野菜の下処理をする事が好きです」
ルビーの質問に返答するユキ。
周りからはクスクスと笑い声が聞こえる。
「まぁ、素敵ですわね。私は刺繍が趣味てです。ハンカチを良かったら貰って下さいな」
ルビーは自分で刺繍したハンカチをユキに渡す。
見事な刺繍であるが、ユキが刺繍した方が細かく、繊細であった。
しかしユキにはとてと素晴らしい物に思えた。
「綺麗な刺繍ですね。これは何の刺繍ですか?」
「黒百合ですわ」
フフっと上品に笑うルビー。
ユキはルビーを素敵な女性だなと、見とれた。
長い髪は絹糸の様で、淡くピンク色に見える。
瞳は輝くルビー色。
唇は華やかな薔薇色だ。
頬の血色もよく、まさに天使の様な聖女様だと思う。
「ユキ、そろそろ時間だよ」
ユキを迎えに来たのはルイである。
女性達が悲鳴を上げそうになっていた。
「ルイお兄様。お久しぶりですわね」
ルイに抱きつくルビー。
二人は兄妹だったのだろうか。
王族は兄弟が多いから、把握していない人も居るだろう。
「ルビー、元気そうだね。ユキと仲良くしてくれていたかな?」
「はい、ユキ様は可愛らしい方ですわね」
ラルはルビーを抱きしめて微笑みあう。
周りからは小声で「お似合いですわね」と、聞こえる。
兄妹でお似合いとはどういう事だろうか。
「ああ、ユキ。彼女とは従兄妹でね。本当の妹の様に思っているよ」
「お兄様ったら」
ルビーの頭を撫でるラル。
ルビーは照れている。
確かにお似合いかもしれない。
兄妹で結婚は出来ないが、従兄妹はできると聞いた。
「じゃあ、またねルビー。ユキ帰るよ」
ルイはユキの手を引くのだった。
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