【完結】ホットココアと笑顔と……異世界転移？

25話 ※上の続き

　沢山飲ませて貰い、元気になった笑美と、何度も逝かせてしまい、翠はもう失神した様に寝ている。
　やってしまった。
　本当にやらかした。
　おかわりを許してくれたからって、何度も催促してしまった。
　
「らめれす、らめぇ、もうれない、もうれないれす、やらぁやらぁー」

　と、泣きながらもう呂律も回らず止めて嫌だと訴える翠に

「おや、また硬くしていますよ。お元気じゃないですか。まだ出せますよ」

　なんて言って翠の陰茎を執拗に責め回したのは笑美である。
　美味しくて美味しくて、翠が可愛くて、泣いている翠が可愛くて、興奮が収まらなかった。
　もっと欲しい、もっと欲しいとなってしまった。

　翠が失神してしまってからやっと我に返った笑美は血の気が引いた。

　直ぐに抱き上げると、翠の部屋に運ぶ。
　ベッドに寝かせた。

　どうしよう。
　止まらなくなってしまう。
　
　このままでは翠を守る所か傷つけてしまう。

　笑美の中でハワードのセリフが気になっていたのだ。
　『眷属』『ペット』『餌』
　彼は翠をそう称していた。
　でも違うのだ。
　自分は翠を眷属にしたくて連れて来たのではない。
　彼は私のペットでも餌でも無い。
　ただ、本当に愛おしいのだ。
　自分は人間ならば誰でも愛おしく思う、だけど翠は特別だった。
　他の誰とも違う。
　別の愛しさを感じるのだ。
　こんな気持ち初めてでよく解らないのだが、精液を貰う事を躊躇ってしまった。
　今までだって勝手に彼が寝ている内に貰っていた。
　だけど、それを続けたら自分は本当に翠を眷属やペット、餌として見ている事になってしまうと思った。
　だから出来なかった。
　本当は昨夜、お腹が空いていた。
　誰かから精液を取らなければいけない状態だった。
　だが、翠から貰えなかった。
　貰ってはいけないと思ってしまった。
　だけどそのせいで、結局、こんな事になってしまった。

　自分に夢魔の血が強く流れているせいで……

「ごめんなさい、ごめんなさい」

　そう何度謝っても、翠は目を開けなかった。
　スヤスヤと寝ていた。
　起きたら彼は何と言うだろう。
　自分を変態野郎と罵るだろうか。
　そんなの耐えられるだろうか。

　翠を手放したくはない。
　翠が自分を嫌いになってしまったら、とても耐えられない。
　
　禁忌だが、彼の記憶を奪ってしまうか？

　やろうと思えば出来る。
　
　記憶を奪って新しい記憶を埋め込む事だって……

　たけど、それじゃあ翠じゃなくなってしまう。
　
　記憶を奪うのだって脳にダメージを与える行為。

　翠を傷つける事なんて出来ない。

　私はどうしたら良いのだろう。