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90話
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笑美がノエルを連れて戻って来ると、翠とジュノは楽しげにお茶会をしていた。
まるで女子会みたいで可愛らしい。
「あ、おかえりなさい笑美さん」
「おかえりなさい魔王様」
二人共、笑美とノエルに気づいて立ち上がる。
「ジュリーがキノコに襲われたと聞いて飛んで来ましたが、どうやらものすごく元気そうですね」
「ノエル先生、お手数をおかけしまして申し訳ありません」
笑美が連れてきたノエルはジュノの側に寄って手をかざす。
「うむ、どうやら強い惚れ薬の様な作用を感じますね。ですが、あまり問題は無いかと」
ノエルはキノコの流した異変を感じ取る。
これは最初に見た物に恋をしてしまう作用があるが、ジュノが見た人はそもそも惚れていた相手なのだろう。
作用が相殺されている。
それにキノコの惚れ薬作用は逸時のもの。
放っておいても一週間もしたら勝手に抜ける。
「惚れ薬だと! 問題ないものか!」
「そう言われると思いましたので、抜いておきましたが、本当に何の問題も有りませんよ」
激怒する笑美に先手を打っておいたノエルだ。
話を聞いていた翠は『あれ?』となる。
「ジュノさんはハワードと恋人になったと言っていましたが、もしかしてキノコの惚れ薬の影響で惚れてしまったのでは?」
やっぱりジュノさんの様な素敵な人がハワードに恋すると言うのは良く解らない翠だ。
「おい、待て、聞いてないぞジュノ! ハワードと恋人になった?」
それに食いつくしまうのは笑美だ。
「大丈夫ですよ。私は陛下を以前よりお慕いしておりましたので、惚れ薬の影響は無いかと」
ジュノは笑美をスルーし、翠に笑顔で答えた。
「おお、ジュリーとハワードさんは無事にめでたく結ばれたのですね! 良かった良かった」
恋バナ大好きエルフのノエルは花弁をまいて祝福する。
「ちょっとノエル、誰が掃除すると思ってるんですか!」
花弁をまきちらかされ、ああ~となる笑美。
「掃除なって一瞬じゃないです」
そう言ってムスッとするノエル。
確かに一瞬である。
それよりノエルが祝福してる事が面白くないのだ。
「ジュノ、本当にハワードで良いのですか?」
笑美が言うのは、本当にジュノが心配だかられである。
ジュノがハワードを愛すると言う事はハワードに命を預けると言う事。
ハワードが死ぬ時は、ジュノも後を追うことになるし、ハワードがジュノを捨てたとしても死ぬ事になる。
「魔王様だってご存知でしょう。良いか悪いか考えられるものでは有りません。相手が悪いからこの恋を止めようなんて思って出来るものなら恋じゃないでしょ? 私だって散々悩みましたし、例え陛下が私に恋して下さらなかったとしても、私は陛下を愛し続けるでしょう。止められないのだから」
そう言うジュノは真剣そのものである。
もう、自分の運命を決めてしまった顔だ。
「そうか…… 解った」
笑美もジュノと同じだ。
だから解る。
私は翠さんにこの想いを伝える積りは無いが、もうこの恋心は止められない。
だからきっと翠さんが死ぬ時は自分も死ぬだろうし、翠さんに捨てられたら自分も精液や幸福感を得られず死ぬ事になる。
魔族として生まれた以上は皆そうである。
そして、愛した者と死ぬ事が魔族にとってはこれ以上無い幸せなのだ。
「幸せになって下さいね」
笑美は優しく微笑むと、ジュノを抱きしめる。
「魔王様も早く幸せにしてあげてくださいね」
そう言ってチラリと翠に視線を流すジュノ。
笑美はハハッと苦笑して流した。
ジュノは何か誤解しているらしい。
「じゃあ私はノエルを送って来ますので、ジュノは自分で愛する男の元に帰ってください」
笑美はそう言うとノエルの手を掴んでワープしてしまう。
「あ、逃げましたね。全く奥手過ぎて困った魔王様です。臆病なんですから」
ムッとなるジュノ。
翠は良く解って無さそうに首を傾げていた。
奥手と奥手の組み合わせで、行き詰まっている気がする。
このままでは翠さんだって可哀想だ。
誰がどっからどうみても翠と笑美は両思いである。
焦れったいったらない。
これは何とかしてやらなければならないと感じるジュノ。
もういっそ翠さんにセックスの方法を教えて襲い受けて貰うしか無いのではと考える。
でも、こんな無垢な子にセックスの方法を教えるなんて……
いや、でも翠さん、もう29歳だと言うし。
ここは翠さんに頑張ってもらうしか無いだろう。
なんせ我が魔王様が弱気の意気地なしなのだもの。
どうしようとない!
ジュノは仕方ないと、口を開いた。
「翠さん、セックスの方法を教えましょう」
そう言うと、翠は急いでノートとペンを取りに行くのだった。
メモする様な事では無いのだけど……
ジュノはちょっと苦笑してしまう。
それにしても魔王様はそうとう焦っておいでだったのか。
花弁の掃除を忘れて行かれたな。
ジュノは仕方なく自分を祝福してくれた花弁を自分で片付けやるのだった。
まるで女子会みたいで可愛らしい。
「あ、おかえりなさい笑美さん」
「おかえりなさい魔王様」
二人共、笑美とノエルに気づいて立ち上がる。
「ジュリーがキノコに襲われたと聞いて飛んで来ましたが、どうやらものすごく元気そうですね」
「ノエル先生、お手数をおかけしまして申し訳ありません」
笑美が連れてきたノエルはジュノの側に寄って手をかざす。
「うむ、どうやら強い惚れ薬の様な作用を感じますね。ですが、あまり問題は無いかと」
ノエルはキノコの流した異変を感じ取る。
これは最初に見た物に恋をしてしまう作用があるが、ジュノが見た人はそもそも惚れていた相手なのだろう。
作用が相殺されている。
それにキノコの惚れ薬作用は逸時のもの。
放っておいても一週間もしたら勝手に抜ける。
「惚れ薬だと! 問題ないものか!」
「そう言われると思いましたので、抜いておきましたが、本当に何の問題も有りませんよ」
激怒する笑美に先手を打っておいたノエルだ。
話を聞いていた翠は『あれ?』となる。
「ジュノさんはハワードと恋人になったと言っていましたが、もしかしてキノコの惚れ薬の影響で惚れてしまったのでは?」
やっぱりジュノさんの様な素敵な人がハワードに恋すると言うのは良く解らない翠だ。
「おい、待て、聞いてないぞジュノ! ハワードと恋人になった?」
それに食いつくしまうのは笑美だ。
「大丈夫ですよ。私は陛下を以前よりお慕いしておりましたので、惚れ薬の影響は無いかと」
ジュノは笑美をスルーし、翠に笑顔で答えた。
「おお、ジュリーとハワードさんは無事にめでたく結ばれたのですね! 良かった良かった」
恋バナ大好きエルフのノエルは花弁をまいて祝福する。
「ちょっとノエル、誰が掃除すると思ってるんですか!」
花弁をまきちらかされ、ああ~となる笑美。
「掃除なって一瞬じゃないです」
そう言ってムスッとするノエル。
確かに一瞬である。
それよりノエルが祝福してる事が面白くないのだ。
「ジュノ、本当にハワードで良いのですか?」
笑美が言うのは、本当にジュノが心配だかられである。
ジュノがハワードを愛すると言う事はハワードに命を預けると言う事。
ハワードが死ぬ時は、ジュノも後を追うことになるし、ハワードがジュノを捨てたとしても死ぬ事になる。
「魔王様だってご存知でしょう。良いか悪いか考えられるものでは有りません。相手が悪いからこの恋を止めようなんて思って出来るものなら恋じゃないでしょ? 私だって散々悩みましたし、例え陛下が私に恋して下さらなかったとしても、私は陛下を愛し続けるでしょう。止められないのだから」
そう言うジュノは真剣そのものである。
もう、自分の運命を決めてしまった顔だ。
「そうか…… 解った」
笑美もジュノと同じだ。
だから解る。
私は翠さんにこの想いを伝える積りは無いが、もうこの恋心は止められない。
だからきっと翠さんが死ぬ時は自分も死ぬだろうし、翠さんに捨てられたら自分も精液や幸福感を得られず死ぬ事になる。
魔族として生まれた以上は皆そうである。
そして、愛した者と死ぬ事が魔族にとってはこれ以上無い幸せなのだ。
「幸せになって下さいね」
笑美は優しく微笑むと、ジュノを抱きしめる。
「魔王様も早く幸せにしてあげてくださいね」
そう言ってチラリと翠に視線を流すジュノ。
笑美はハハッと苦笑して流した。
ジュノは何か誤解しているらしい。
「じゃあ私はノエルを送って来ますので、ジュノは自分で愛する男の元に帰ってください」
笑美はそう言うとノエルの手を掴んでワープしてしまう。
「あ、逃げましたね。全く奥手過ぎて困った魔王様です。臆病なんですから」
ムッとなるジュノ。
翠は良く解って無さそうに首を傾げていた。
奥手と奥手の組み合わせで、行き詰まっている気がする。
このままでは翠さんだって可哀想だ。
誰がどっからどうみても翠と笑美は両思いである。
焦れったいったらない。
これは何とかしてやらなければならないと感じるジュノ。
もういっそ翠さんにセックスの方法を教えて襲い受けて貰うしか無いのではと考える。
でも、こんな無垢な子にセックスの方法を教えるなんて……
いや、でも翠さん、もう29歳だと言うし。
ここは翠さんに頑張ってもらうしか無いだろう。
なんせ我が魔王様が弱気の意気地なしなのだもの。
どうしようとない!
ジュノは仕方ないと、口を開いた。
「翠さん、セックスの方法を教えましょう」
そう言うと、翠は急いでノートとペンを取りに行くのだった。
メモする様な事では無いのだけど……
ジュノはちょっと苦笑してしまう。
それにしても魔王様はそうとう焦っておいでだったのか。
花弁の掃除を忘れて行かれたな。
ジュノは仕方なく自分を祝福してくれた花弁を自分で片付けやるのだった。
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