【完結】皇子に迫られて困っています。悪役令嬢ポジとか言われても、私は田舎で暮らしたいので

甘塩ます☆

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26話

 医務室で寝かされるていたリリーが起きた時、先に起きたらしいサラスと目が合った。
 リリーも起き上がる。 

「サラス様、良かった。ご無事で……」 
「うん。咄嗟に防御したから大丈夫だったんだけど。普段使わない大きな魔法を使っちゃったからね。その反動で倒れたみたい。心配かけちゃってごめんね」
 
 申し訳無さそうに謝るサラス。リリーは首を振る。

「私を庇う為にご無理……」
「リリーちゃんが無事で良かった。君の綺麗な体や顔に傷がつかなくて良かった」

 髪を撫でるサラスは綺麗な笑顔を見せる。
 笑顔。

「サラス様、フード……」

 サラスは素顔を晒していた。

「醜いでしょ? あまり見せたく無かったんだけど、倒れている間にローブを取られてしまったみたいで……」

 サラスは悲しそうな表情になる。
 だが、全然醜く等ない。
 銀色の髪に、金色の瞳。
 とても綺麗だと思った。

「この容貌と魔法の力を見られてしまったからにはもう、ここには居られない。私の魔法は知られてはいけないからね。お別れを言わなきゃだね」
「そんな、お別れだなんて……」
「人が戻って来る前に君が目覚めてくれて良かった。初め出来た私の愛しい人」
「え?」

 愛しい人?

「愛してしまってごめんなさい。君はこの国の国母となる存在だ。私が好いて良いような人では無かった。それでも、君と出会って恋を知れて、私は幸せだったよ。もっと一緒に居たかったけど、もう時間が来てしまったね」

 サラスはポロポロと涙を流しながら、リリーに微笑みを見せる。

「嫌、私も連れて行って下さい!! 私を置いて行かないで。私ももっとサラスさんと一緒に居たいです。貴方が好きだから…… 私と結婚してください!!」

 リリーはサラスの手を握り締めると、泣きながらプロポーズの言葉を叫ぶ。

「え?」

 驚くサラス。

「どう言う事だいリリー? 君はそこの悪い魔法使いに誑かされてしまったんだね」

 リリーの声に駆けつけてしまったのはレオンである。  

「未来の妃を誑かす魔法使いは火炙りにしろ!!」

 そう、レオンが家臣たちに命令を出し、医務室にレオンの家臣たちが押し入って来る。
 二人は窓際まで追い詰められた。

「リリーちゃん、本当に私で良いの? 後悔しない?」
「勿論です。サラスさんとなら一緒に火炙りにされても構わない!」
「解った。私は君の言葉を信じる」

 レオンの家臣たちがサラスを取り押さえようと襲いかかる。
 
 その瞬間。
 
 辺りは眩しい光に包まれた。

 そして次の瞬間にはサラスの姿もリリーの姿も何処にも無いのだった。
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