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第一章 討伐騎士団宿舎滞在編
11 料理は科学、なのです!
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まずはこの世界の調味料と認識されているものを確認します。
そしてこの宿舎にあるものは、塩、蜂蜜、砂糖、酒。……以上。
砂糖が見つかった時はあるじゃん!ってツッコミをいれたね。製造は少ないけど一応あるんだって。高いからそんなに使わないし、あっても使い所が分からないから支給毎に貯まっていて倉庫に大量に眠っていた。これで甘いもののレシピが少ないことが分かったので甘味をこの世界では期待してはいけない。これは由々しき問題なので率先して改善を行う。絶対だ。
本当なら胡椒も欲しいところだけど、それは薬草扱いになっててこの世界では毒物というか危険物認識だった。あー……そのまま食べたら辛いもんね……胡椒……。
今、ここには無いけど、宮廷魔道師団には蓄えがあるって話で喉から手が出るほど欲しいけどルーでは伝手がないから確かめられないし、私も宮廷には関わりたくなかったから泣く泣く諦めた。
でも、胡椒とか香辛料自体はあると分かったのが唯一の救いだよね。
とりあえず今ある調味料はわかった。
あとは必要な材料を揃えるのみ。
「卵と塩……油、そんでルーが持ってきてくれたワインビネガー!よし!」
「ほ、本当にそれ、使うんですかぁ……?腐ってますよぉ?」
「使うよ?あと腐ってないからね?……あ!ごめんけど卵とワインビネガー、一応浄化かけてくれない?」
「え!?食べ物にですか!?……いいですけど」
そんなに驚かなくてもいいじゃんね?
不思議そうにしつつ言われた通りに魔法をかけるルー。君は素直だね!
殺菌の代わりに浄化を掛けてもらったんだけど、何故そうするのかの説明したらなるほど?という顔をしたのでルーは結構衛生観念が日本人に近いのかもしれない。
だってなんか話聞いたらこっちの世界、ほとんどの所が衛生観念ズボラなんだもん。
よかった、早めにこういう話ができて。
こういうのがズレちゃうとまずは衛生観念とは、の基本から教えないといけないから手間が省けるってもんだ。
怠ると病気や、食中毒の蔓延になるからね。何事も予防は大切なのです。医食同源!……ってちょっと違うか。
「あとは適当なボールと……フォークと紐……よしっ」
フォーク4本は束ねてチューリップのつぼみみたいな形にする。これで泡立て器の代わりにするのだ。生活の知恵です。
でも今度団長さんに言って泡立て器作ってもらおう……。
ルーは私が奇抜なことをしているのを疑わしそうにしているが基本は口を出さず言われた通りに動いてくれていた。感謝しかない。これで文句言われたらやる気が無くなるというもの。
自分が美味しいものを食べたいがためだけど、今から作るものは根気とやる気と体力がいるものだから。
少しでも自分を鼓舞していたいのだ。
「さて。……はじめますか!」
作業前に気合いを入れて。
まずはボールの中に卵の黄身だけを入れていく。残った卵白は後で使うからしまっておこう。
そして、その中に塩とお酢……――これはワインから出来てるからワインビネガー……――を入れる。
「うわぁ……本当に使ってる……卵も生で……」
うんうん、そういう反応になるよね。
目玉焼きもターンオーバーもどきで出てきたし、生では絶対食べないんだろうと思ってた。
サルモネラ菌は怖いからね。そう思って浄化掛けといたから多分大丈夫だろう。
フォークを使って作った泡立て器もどきも結構順調で、そこそこ混ぜられている。ある程度もったりとして全体的に混ざってきたら、次は油だ。
この工程になってくると一人より二人の方が良くなるのでルーがいてくれてよかった。
油……今あるのがオリーブオイルだったのはラッキーだった。癖もなくさらっとしててとてもいい油だったし、この世界がそんなに油が高価なものではないことも助かった。ラードも牛脂もそれっぽいものがあるようだし、食材においてはこの世界で困ることはなさそう。
……食材においては、だけどね。
調味料さえふんだんに有れば……言うことないのにね。
「よっし、それではルーくん!今みたいにかき混ぜてみて?」
「ええっ!?僕がですか!?」
「見てたから分かるでしょ?私はこの中に油を入れる役をやります!」
「ひええぇ……で、できるかな?」
油を入れる量とかタイミングとか、糸のように油を垂らしながら混ぜないといけないから、絶対ルーじゃそんな繊細なこのわからないだろうからね。混ぜる方よろしく。
……なんて言って、これからの工程が混ぜる方が辛いからなんて口が裂けても言えないな……へへ。
「はいっ、混ぜて混ぜて~!!」
「んんんっ、こうですか?」
「そう、いい感じ!そのままのスピードで油と卵液を混ぜててね」
「はいっ!」
うーん、流石、騎士見習い。体力はあるみたいであっという間にマヨネーズができた。
息も絶え絶えになるこの作業を、乱さずに完璧にこなすとは……こやつ、やりおるな。
「わあ!すごいです!!水と油なんて普通混ざらないのに、これは綺麗に混ざってますよ!?」
「ふっふっふー!これが科学の力というものよー!」
「科学……これが……」
興味津々にボールの中のマヨネーズを見詰めるルー。
「これは乳化といって、普段なら相反する二つの物質を卵というもう一つの物質が間に入ることによって混ざる、という科学現象なのです。まあ、厳密に言うとちょっと違うけど、簡単に言うとこんな感じかなあ?」
中学生で習う事を朧気にしか覚えていないが確かそんな感じだったはず。私の拙い説明に、ルーは目を輝かせて真剣に聞いてくれた。
なんだろう、子犬に懐かれた気分だ。
「じゃ、説明はそこそこにして……これを使っておいも、食べてみて?」
予め蒸されていた芋(多分夕ご飯用だと思う)を皿に置いて四等分にしてから出す。
その熱々の芋に、出来たてのマヨネーズをかけると、じわっとマヨネーズから油が溶けだしなんとも言えない美味しそうな匂いが調理場に充満した。
うわー、これは生唾モノですよ!
現に今にもヨダレが出そうなルーがお皿と私を交互に見ている。
さながら、マテをする子犬ちゃん。
ルーの髪は茶色の天然パーマ、瞳も茶色なのでトイプードルみたいだ。
早く早く、と待つ姿がとても可愛い。
頷いて食べるように促すと、フォークで四等分のうちのひとかけらの芋を刺して、たっぷりマヨネーズをつけてから……パクッと一口。
もぐもぐと頬張る姿が、咀嚼する度にだらしない笑顔に変わると、手に持っている芋を天へと掲げだした。
「これは!神の食べ物です!!」
「違うよ?」
団長さんもこういう事してたので二回目は見慣れました。
「これはマヨネーズというただの調味料です。野菜につけても美味しいよ?」
「……んんっ!美味しい!さっきと違って口の中がきゅってするんですけど、それがまた美味しいです!僕はこっちが好きですー!」
マヨネーズは熱さで酸っぱさが緩和するからね、蒸かし芋にかけると油と卵のコクがでてまろやかさが全面に広がるけど、野菜にかけると卵、油、酢……素材そのものの味がダイレクトにくるから、酸っぱさを感じやすい。しかしその酸っぱさが癖になるのだ。
ルーは素材そのものの味が好きみたいだ。
野菜につけてモリモリと食べている。うーん、育ち盛りだねえ。
「気に入ってくれたかな?」
「はい!それはもう素晴らしく、この世のものとは思えないくらいです!ケイ様はお料理聖女様だったのですね!!」
「んんっ!?……それは、違うんじゃないかな?」
「違いません!!こんな神の食べ物を簡単に作り出してしまうのは、神の御使い、聖女様にしかできません!」
「だから、科学の力だって……ああ、もういいや……」
キラキラした瞳で見詰めるルーに何度も否定したけど、暫くお料理聖女様呼びをやめなかったので途中で諦めた。
うーん、次は違うのを作ろうと思ったけど、またの機会にした方がいいかな……?
ちなみに卵白はラングドシャにしたんだけど、それはまた別のお話……
そしてこの宿舎にあるものは、塩、蜂蜜、砂糖、酒。……以上。
砂糖が見つかった時はあるじゃん!ってツッコミをいれたね。製造は少ないけど一応あるんだって。高いからそんなに使わないし、あっても使い所が分からないから支給毎に貯まっていて倉庫に大量に眠っていた。これで甘いもののレシピが少ないことが分かったので甘味をこの世界では期待してはいけない。これは由々しき問題なので率先して改善を行う。絶対だ。
本当なら胡椒も欲しいところだけど、それは薬草扱いになっててこの世界では毒物というか危険物認識だった。あー……そのまま食べたら辛いもんね……胡椒……。
今、ここには無いけど、宮廷魔道師団には蓄えがあるって話で喉から手が出るほど欲しいけどルーでは伝手がないから確かめられないし、私も宮廷には関わりたくなかったから泣く泣く諦めた。
でも、胡椒とか香辛料自体はあると分かったのが唯一の救いだよね。
とりあえず今ある調味料はわかった。
あとは必要な材料を揃えるのみ。
「卵と塩……油、そんでルーが持ってきてくれたワインビネガー!よし!」
「ほ、本当にそれ、使うんですかぁ……?腐ってますよぉ?」
「使うよ?あと腐ってないからね?……あ!ごめんけど卵とワインビネガー、一応浄化かけてくれない?」
「え!?食べ物にですか!?……いいですけど」
そんなに驚かなくてもいいじゃんね?
不思議そうにしつつ言われた通りに魔法をかけるルー。君は素直だね!
殺菌の代わりに浄化を掛けてもらったんだけど、何故そうするのかの説明したらなるほど?という顔をしたのでルーは結構衛生観念が日本人に近いのかもしれない。
だってなんか話聞いたらこっちの世界、ほとんどの所が衛生観念ズボラなんだもん。
よかった、早めにこういう話ができて。
こういうのがズレちゃうとまずは衛生観念とは、の基本から教えないといけないから手間が省けるってもんだ。
怠ると病気や、食中毒の蔓延になるからね。何事も予防は大切なのです。医食同源!……ってちょっと違うか。
「あとは適当なボールと……フォークと紐……よしっ」
フォーク4本は束ねてチューリップのつぼみみたいな形にする。これで泡立て器の代わりにするのだ。生活の知恵です。
でも今度団長さんに言って泡立て器作ってもらおう……。
ルーは私が奇抜なことをしているのを疑わしそうにしているが基本は口を出さず言われた通りに動いてくれていた。感謝しかない。これで文句言われたらやる気が無くなるというもの。
自分が美味しいものを食べたいがためだけど、今から作るものは根気とやる気と体力がいるものだから。
少しでも自分を鼓舞していたいのだ。
「さて。……はじめますか!」
作業前に気合いを入れて。
まずはボールの中に卵の黄身だけを入れていく。残った卵白は後で使うからしまっておこう。
そして、その中に塩とお酢……――これはワインから出来てるからワインビネガー……――を入れる。
「うわぁ……本当に使ってる……卵も生で……」
うんうん、そういう反応になるよね。
目玉焼きもターンオーバーもどきで出てきたし、生では絶対食べないんだろうと思ってた。
サルモネラ菌は怖いからね。そう思って浄化掛けといたから多分大丈夫だろう。
フォークを使って作った泡立て器もどきも結構順調で、そこそこ混ぜられている。ある程度もったりとして全体的に混ざってきたら、次は油だ。
この工程になってくると一人より二人の方が良くなるのでルーがいてくれてよかった。
油……今あるのがオリーブオイルだったのはラッキーだった。癖もなくさらっとしててとてもいい油だったし、この世界がそんなに油が高価なものではないことも助かった。ラードも牛脂もそれっぽいものがあるようだし、食材においてはこの世界で困ることはなさそう。
……食材においては、だけどね。
調味料さえふんだんに有れば……言うことないのにね。
「よっし、それではルーくん!今みたいにかき混ぜてみて?」
「ええっ!?僕がですか!?」
「見てたから分かるでしょ?私はこの中に油を入れる役をやります!」
「ひええぇ……で、できるかな?」
油を入れる量とかタイミングとか、糸のように油を垂らしながら混ぜないといけないから、絶対ルーじゃそんな繊細なこのわからないだろうからね。混ぜる方よろしく。
……なんて言って、これからの工程が混ぜる方が辛いからなんて口が裂けても言えないな……へへ。
「はいっ、混ぜて混ぜて~!!」
「んんんっ、こうですか?」
「そう、いい感じ!そのままのスピードで油と卵液を混ぜててね」
「はいっ!」
うーん、流石、騎士見習い。体力はあるみたいであっという間にマヨネーズができた。
息も絶え絶えになるこの作業を、乱さずに完璧にこなすとは……こやつ、やりおるな。
「わあ!すごいです!!水と油なんて普通混ざらないのに、これは綺麗に混ざってますよ!?」
「ふっふっふー!これが科学の力というものよー!」
「科学……これが……」
興味津々にボールの中のマヨネーズを見詰めるルー。
「これは乳化といって、普段なら相反する二つの物質を卵というもう一つの物質が間に入ることによって混ざる、という科学現象なのです。まあ、厳密に言うとちょっと違うけど、簡単に言うとこんな感じかなあ?」
中学生で習う事を朧気にしか覚えていないが確かそんな感じだったはず。私の拙い説明に、ルーは目を輝かせて真剣に聞いてくれた。
なんだろう、子犬に懐かれた気分だ。
「じゃ、説明はそこそこにして……これを使っておいも、食べてみて?」
予め蒸されていた芋(多分夕ご飯用だと思う)を皿に置いて四等分にしてから出す。
その熱々の芋に、出来たてのマヨネーズをかけると、じわっとマヨネーズから油が溶けだしなんとも言えない美味しそうな匂いが調理場に充満した。
うわー、これは生唾モノですよ!
現に今にもヨダレが出そうなルーがお皿と私を交互に見ている。
さながら、マテをする子犬ちゃん。
ルーの髪は茶色の天然パーマ、瞳も茶色なのでトイプードルみたいだ。
早く早く、と待つ姿がとても可愛い。
頷いて食べるように促すと、フォークで四等分のうちのひとかけらの芋を刺して、たっぷりマヨネーズをつけてから……パクッと一口。
もぐもぐと頬張る姿が、咀嚼する度にだらしない笑顔に変わると、手に持っている芋を天へと掲げだした。
「これは!神の食べ物です!!」
「違うよ?」
団長さんもこういう事してたので二回目は見慣れました。
「これはマヨネーズというただの調味料です。野菜につけても美味しいよ?」
「……んんっ!美味しい!さっきと違って口の中がきゅってするんですけど、それがまた美味しいです!僕はこっちが好きですー!」
マヨネーズは熱さで酸っぱさが緩和するからね、蒸かし芋にかけると油と卵のコクがでてまろやかさが全面に広がるけど、野菜にかけると卵、油、酢……素材そのものの味がダイレクトにくるから、酸っぱさを感じやすい。しかしその酸っぱさが癖になるのだ。
ルーは素材そのものの味が好きみたいだ。
野菜につけてモリモリと食べている。うーん、育ち盛りだねえ。
「気に入ってくれたかな?」
「はい!それはもう素晴らしく、この世のものとは思えないくらいです!ケイ様はお料理聖女様だったのですね!!」
「んんっ!?……それは、違うんじゃないかな?」
「違いません!!こんな神の食べ物を簡単に作り出してしまうのは、神の御使い、聖女様にしかできません!」
「だから、科学の力だって……ああ、もういいや……」
キラキラした瞳で見詰めるルーに何度も否定したけど、暫くお料理聖女様呼びをやめなかったので途中で諦めた。
うーん、次は違うのを作ろうと思ったけど、またの機会にした方がいいかな……?
ちなみに卵白はラングドシャにしたんだけど、それはまた別のお話……
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