朧月楼の殺人

回転饅頭。

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 神戸の遺体を寝かせると、沢井が言った。

「やはり、この場所は呪われていたんだな」
「…沢井センパイ」
「問題は、誰がやったのかってことだ」

 生き残った楠木、沢井、翔子、謙也。それぞれが顔を見合わせた。膨らむ疑念は風船のように腫れ上がり、澱みのように心を重くする。

「楠木センパイ…」
「やはり、ここには来るべきじゃなかったんだよ」
「…あの…」

 謙也は弱々しく言った。

「雨が止んだら、もう帰りましょうよ」
「もう人が2人も死んでる。俺たちは終わりだな」

 沢井が言った。雨は更に強さを増し、窓を撃つ雨の強さも増す。

「紗雪(さゆき)が呼んだのかもな」
「…」
「そうとしか思えない。あの日、燃えさかる山荘で僕らが彼女を助けられていたら…」
「やめましょう、楠木センパイ」

 翔子は言った。

「あれは、事故だったんですよ。だから…」
「でもきっと、僕らを赦してはくれないよ」

 謙也は何も言えず、ぎゅっと唇をかんだ。
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