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第二章 開戦
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大輝の腕と脚にきりきりと蜘蛛の糸が食い込む。ドライはいたぶるようにゆっくりゆっくりと糸を引っ張る。
「電人ジャンク、ここに死す。ふふはははっ!最高のエンディングだなこれは!」
「大輝っ!」
「……!」
虎之介は思い切り叫んだ。身体に食い込んだワイヤーのような蜘蛛の糸がきしきしと軋む。虎之介は義手の腕をかちゃりと外した。蜘蛛の糸に絡まっていない手の部分を地面にぽろりと落とす。
「……!」
「うるせぇ、あいつ。まぁいいや。あとで血くらいは貰って殺してやろう」
「あぁぁぁぁっ!」
大輝は電気を蜘蛛の糸に走らせた。蜘蛛の糸を伝うと、ドライに電気が当たる。
「は?何してんだ?そんな事したって痛くも痒くもねぇっつの」
「お前言ったよな。この蜘蛛の糸は電気を通すって」
「あ?」
「だろ?」
ドライの後頭部に弾丸のように何かが突き刺さる。ナイフの切先がドライの後頭部から眉間を貫く。
「あはっっっ!!」
「って事は、お前に磁性を持たせれば、金属はお前に引き寄せられる。虎之介の腕に仕込んだナイフをお前に向けて飛ばすように念じれば、虎之介のナイフが飛び出した義手はお前の頭にぶっ刺さる。そのくらい、計算しとけよ」
ドライはがっくりと膝を落とす。張力がなくなった蜘蛛の糸から抜け出すと、大輝はドライの頭から虎之介の義手を引き抜いた。
「あめぇよ」
大輝はドライの頭を思い切り蹴飛ばす。壁を貫くくらいのスピードでドライは吹き飛んだ。
「虎之介、助けるから待っててくれ」
「やるね、大輝」
「お前が義手じゃなきゃ、負けてたよ」
「ははっ、そうだね」
虎之介を助けた大輝の背後の瓦礫ががらがらと崩れた。中から出てきたのはふらふらの状態のドライだ。
「はあ、はあ、はあ…」
「すまない虎之介、香澄を頼む」
「あ、あぁ…」
ドライの足下にはピタピタと血が垂れている。まだ息の根は止まっていないようだ。
「なめんじゃ、ねぇよ……!」
「はい、もうおーしまいっ」
どこかからホバリング音のような音がする。周囲の埃が巻き上がる。そこに降り立ったのは黄色と黒の模様をしたスズメバチの怪人だった。
「…ツヴァイ!」
「なんだよ、でっかいクチ叩いてたくせに、負けてるじゃないか」
「……手助けなんか、いらねえ」
「ハッ、手助けだ?」
スズメバチの怪人、ツヴァイは右手を掲げた。右手がボコボコと変形し、瓢箪型に変わった。先からは鋭利な針が出ている。
「お前なんか助けるかよ」
「…!」
冷ややかに言うと、ツヴァイはドライの頭にその針を突き刺した。針からドクドクと何かが注入されている。
「あ……」
「あ、こりゃ初めまして。電人ジャンクに、錦織虎之介くん」
友達に会うかのように馴れ馴れしく手を挙げるツヴァイ。ドライは悶えながらどろどろと溶け始めた。
「何て奴…味方を」
「あのね、あんまそんな甘い事考えないほうがいいよ。人ってさ、簡単に裏切るからさ。わかる?」
「…」
「君達、相手したいのはヤマヤマだけど、俺もそんな暇じゃないの、じゃね。アディオス・アミーゴ」
軽やかに空に跳躍して姿を消したツヴァイ。辺りには強い風が巻き起こった。
「大輝…」
「…ああ、大丈夫だ」
香澄を抱き抱えたまま、虎之介は上空に向けて跳ね上がった。上空にホバリングしているヘリに向け、追いかけるように大輝も跳ね上がった。
「電人ジャンク、ここに死す。ふふはははっ!最高のエンディングだなこれは!」
「大輝っ!」
「……!」
虎之介は思い切り叫んだ。身体に食い込んだワイヤーのような蜘蛛の糸がきしきしと軋む。虎之介は義手の腕をかちゃりと外した。蜘蛛の糸に絡まっていない手の部分を地面にぽろりと落とす。
「……!」
「うるせぇ、あいつ。まぁいいや。あとで血くらいは貰って殺してやろう」
「あぁぁぁぁっ!」
大輝は電気を蜘蛛の糸に走らせた。蜘蛛の糸を伝うと、ドライに電気が当たる。
「は?何してんだ?そんな事したって痛くも痒くもねぇっつの」
「お前言ったよな。この蜘蛛の糸は電気を通すって」
「あ?」
「だろ?」
ドライの後頭部に弾丸のように何かが突き刺さる。ナイフの切先がドライの後頭部から眉間を貫く。
「あはっっっ!!」
「って事は、お前に磁性を持たせれば、金属はお前に引き寄せられる。虎之介の腕に仕込んだナイフをお前に向けて飛ばすように念じれば、虎之介のナイフが飛び出した義手はお前の頭にぶっ刺さる。そのくらい、計算しとけよ」
ドライはがっくりと膝を落とす。張力がなくなった蜘蛛の糸から抜け出すと、大輝はドライの頭から虎之介の義手を引き抜いた。
「あめぇよ」
大輝はドライの頭を思い切り蹴飛ばす。壁を貫くくらいのスピードでドライは吹き飛んだ。
「虎之介、助けるから待っててくれ」
「やるね、大輝」
「お前が義手じゃなきゃ、負けてたよ」
「ははっ、そうだね」
虎之介を助けた大輝の背後の瓦礫ががらがらと崩れた。中から出てきたのはふらふらの状態のドライだ。
「はあ、はあ、はあ…」
「すまない虎之介、香澄を頼む」
「あ、あぁ…」
ドライの足下にはピタピタと血が垂れている。まだ息の根は止まっていないようだ。
「なめんじゃ、ねぇよ……!」
「はい、もうおーしまいっ」
どこかからホバリング音のような音がする。周囲の埃が巻き上がる。そこに降り立ったのは黄色と黒の模様をしたスズメバチの怪人だった。
「…ツヴァイ!」
「なんだよ、でっかいクチ叩いてたくせに、負けてるじゃないか」
「……手助けなんか、いらねえ」
「ハッ、手助けだ?」
スズメバチの怪人、ツヴァイは右手を掲げた。右手がボコボコと変形し、瓢箪型に変わった。先からは鋭利な針が出ている。
「お前なんか助けるかよ」
「…!」
冷ややかに言うと、ツヴァイはドライの頭にその針を突き刺した。針からドクドクと何かが注入されている。
「あ……」
「あ、こりゃ初めまして。電人ジャンクに、錦織虎之介くん」
友達に会うかのように馴れ馴れしく手を挙げるツヴァイ。ドライは悶えながらどろどろと溶け始めた。
「何て奴…味方を」
「あのね、あんまそんな甘い事考えないほうがいいよ。人ってさ、簡単に裏切るからさ。わかる?」
「…」
「君達、相手したいのはヤマヤマだけど、俺もそんな暇じゃないの、じゃね。アディオス・アミーゴ」
軽やかに空に跳躍して姿を消したツヴァイ。辺りには強い風が巻き起こった。
「大輝…」
「…ああ、大丈夫だ」
香澄を抱き抱えたまま、虎之介は上空に向けて跳ね上がった。上空にホバリングしているヘリに向け、追いかけるように大輝も跳ね上がった。
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