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「ヴァイオリン協奏曲」 メンデルスゾーン

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<タイトル>

ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64

<作曲者>

フェリックス・メンデルスゾーン

<おすすめCD>

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)

ヒュー・ウルフ(指揮)

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団

SONY(レーベル)

<解説>

 ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキーのものとあわせて、いわゆる「4大ヴァイオリン協奏曲」と呼ばれる名曲です。

 有名な曲ですので、おそらく聞いたことがあるかと思います。

 ノーブルな中にメランコリーをかかえる第1楽章、美しい第2楽章、打って変わってうきうきする第3楽章からなります。

 一説にはフェリックスの姉・ファニーが作曲したともいわれます。

 それどころか、メンデルスゾーンの有名曲のほとんどが、実はファニーの作品であるとする学説さえもあるんだとか。

 メンデルスゾーンはユダヤ系の名家であり、フェリックスの祖父・モーゼスは哲学者として有名です。

 フェリックスは神童として生を受け、モーツァルトの再来とまでいわれ、輝かしい一生を送りました。

 おまけにイケメンでモテモテだったようです(ちっくしょーっ! 汗)

 しかし彼の死後、ナチス・ドイツの台頭たいとうにともなう反ユダヤ主義の一環として、メンデルスゾーンを含むユダヤ系の「3M」と呼ばれた音楽家――あとの二人はマイアベーアとマーラーは糾弾きゅうだんの対象となり、演奏を禁じられた期間もありました。

 メンデルスゾーンはまた、現在も名オーケストラとして名高いライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者に任命され、親友であったシューマンの作品の初演を手がけたり、音楽家の育成にも熱心で、ライプツィヒ音楽院(現在のフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学ライプツィヒ)も設立しました。

 ほかにもバッハのマタイ受難曲を復興するなど、その功績は枚挙にいとまがありません。

 ここではヒラリー・ハーンさんのCDを紹介させてもらいましたが、手に取りやすいものを入手するのがよいのではないでしょうか。
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