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4章
247 追い打ちと二つ名持ち
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眼下のプレイヤーたちが、投下された大岩に引き潰されてお亡くなりになった。
……ご臨終です。
《第四職業が<土石魔法士>Lv9になりました》
《熟練度が一定に達し【土石魔法】スキルがLv9になりました》
満タンのMPを消費しようとガンガン魔法を使ったため、【土石魔法】が立て続けにレベルアップ。
アリアさんはアリアさんで、新調した緑の弓を使い、生き残りを射抜いて経験値を稼いでいる。
「くっ、このままやられて、なるものかああああああっ!!」
「っ!?」
死屍累々の中からぬっ、と現れたジークが、雄たけびを上げて横薙ぎに剣を振るい、【中級剣術】Lv20アーツ『スラッシュショット』を放ってきた。
部下を盾にしてしぶとく生き残っていたらしい。
思わぬ攻撃に息を呑むアリアさんだが、こちらも『スラッシュショット』で迎撃。飛ぶ斬撃を縦に斬り裂いた。
ついでに、鼻で笑ってジークを煽っておく。
あ、顔を真っ赤にして怒ってやんの。煽り耐性のない奴め。
「ありがとう、アスト。助かったわ」
「いえ。アリアさんなら、僕が対応しなくとも普通にかわしてたでしょうし」
「……貴方の中で、私はどんな超人扱いをされているのかしらね」
ん? なにやら呆れられてしまったようだ。
斬撃が飛ぶ速度に、マスタースキル化で可能になるブーストがかかっていなかったし、ジークとの距離もそれなりにある。
決して過大評価の類ではなく、アリアさんの反射神経ならギリギリかわせる、はず。
そう伝えたところ、
「突然の攻撃だと本能的に恐怖して体が強張るから無理よ」と言われた。納得。
なお、アリアさんと話しながらも、僕はジークの『スラッシュショット』を相殺し続けている。いい加減諦めろよな。当てたいなら怒鳴り散らしてないで、せめて速度ブーストくらい掛けろって。
そうこうしている内に、剣を氷に突き立て杖代わりにして坂を上るプレイヤーが現れた。
でも、それやり方を考え付くのに思いの外時間が掛かったよな。なまじ身体能力が高まっているせいで、自らのスペックに頼りがちなのかもしれない。
こうなると、岩と氷水の攻撃は避けられやすくなる。
残るは十数人ってところだし、あとは直接対決で勝負をつけるか。
「アリアさん、ちょっと行ってきます」
「分かったわ。くれぐれも、拠点エリア内から出ないようにね」
「ええ、分かってます」
レインとミア合作のスケート靴を履いて、やや緊張しながら氷の上へと繰り出す。飛刃でプレイヤーを弾き飛ばしながら滑り降り、坂の前で止まった。
すぐさま、周囲百八十度を敵に囲まれてしまったが、これくらい個人戦の予選で経験しているので慣れっこだ。
強い奴も数人混ざっているし、油断するような愚かな真似はしないが。
数秒待ったにもかかわらず、敵が武器を構えたまま動きを見せないので、遠慮なく戦闘の準備させてもらう。
「――『エンドレスステップ』『ブルーステップ』『フレイムアップ』『ストーンアップ』」
一歩踏み出した僕の足元から、青い光が同心円状に広がっていく。
ブルーステップは、ランク2スキル【舞踏】のレベル10アーツである。
同時に、赤く淡い光と黄色く力強い光が僕の体全体を包む。
こっちは【火炎魔法】と【土石魔法】Lv1呪文アーツのエフェクトだ。
「うおおおおおおおっ!!」
最初に突撃してきたのは、右方向に居た【撃滅の斧鬼】ことアラン。
馬鹿力で振り下ろされた大斧は、まともに受ければ一発でHPが全損しかねない危険を孕んでいる。
剣を構え、舞闘Lv1アーツ『流水』で斧を受け流す。
アランは攻撃をいなされたと見るや、地面を振るわせた大斧を放置し、アイテムボックスから通常サイズの赤い斧を取り出した。
レア度6――銘は【大地の轟斧】
「まだだっ! 『ジャイアントインパクト』『デヴァン・デストロイ』ッ!」
「『流水』!」
高破壊力の連撃を受け流し――っ、僕のHPが減った?
そうか、【中級斧術】Lv20アーツ『ジャイアントインパクト』で、武器越しに衝撃を通しているのか。このアーツをこんな使い方もできるとは、初耳だった。
今更回避に変えるのは無駄なリスクを生む。
やむをえず三連撃をやりすごしたが、僕のHPは合計で二割も削られた。
一撃でも直撃していたら、HP半減まで追い込まれていただろう。
やりきった表情のアランは大技を使った影響で硬直している。
前方から飛んできた魔法を『ブレイズブラスト』で撃ち落とし、左手に水飛沫の槍を装備して――
「『トリニティ・ロード』!」
「ぐはっ……」
槍の攻撃は三発とも頭部を貫き、HPバーがゼロに。アランの体は光に包まれ、待機場(?)に転送されていった。
五秒にも満たない短期決戦だったが、いい勝負だったと思う。
アリアさんの矢で足止めされていた数人を『スラストショット』で倒す。
剣に持ち替えて、近くまで迫っていた数人を【上級剣術】Lv1アーツ『オラクレア・ペンタグラム』で斬り捨てた。
《第四職業が<土石魔法士>Lv10になりました》
《熟練度が一定に達し【土石魔法】スキルがLv10になりました》
《【土石魔法】Lv10呪文アーツ『ストーンエクスプロージョン』を習得しました》
《熟練度が一定に達し【集撃】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv14になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv16になりました》
残る敵プレイヤーは三人。
ギルド《龍の咆哮》サブマスター 【竜の右腕】ジーク。
ギルド《妖精魔女》サブマスター 【風呼びの魔女】ハイリーン。
ギルド《守護の家紋》サブマスター【不動の鉄塊】アールグラン。
誰一人逃がすつもりはないし、敵もそれが分かっているからか、こちらに背を見せようとはしない。
ちなみに、全員が闘技大会個人戦で本選に進んでいる実力者だ。
ハイリは《花鳥風月》のフー・リーンに、アールグランはフレグランスに負けたんだっけ?
開始早々、二つ名持ちをこれだけ投入してくるとは、《ウェザリア》も高く評価されたものだな。
「風よ轟け――『風天連鎖』『エアリアルバースト』ッ!!」
「っ、『アクセラレーション』!」
聞き慣れない詠唱が耳に届き、パワー、スピード、ともにブーストされた下降気流が連続で襲い来る。
今の『風天連鎖』というアーツ、風魔法には存在していなかったはず。だとすれば、変異種の魔石で得たスキル。スローになった世界でそのように推理した。
加速Lv10アーツ『オーバーアクセル』を発動。
僕の存在は光速を超えることが可能になり、一部物理法則の戒めから解き放たれた。
迫りくる二連『エアリアルバースト』を、【精霊の剣】で切断。同時に加速が終了し、風の魔法は僕の両脇を通り抜け、地面に叩きつけられた。
――【気配遮断】【魔力遮断】【気配制御】【魔力制御】【消音】【奇襲】を起動。
「っ、消えた!?」
さらに、【閃駆】Lv1アーツ『シャイニング・ムーブ』を使用。
真横から高速でハイリへと迫り――
「――『オラクレア・ペンタグラム』!」
「なっ――」
気づいた時にはもう遅い。
右手に持つ【精霊の剣】が、緑の目を見開くハイリを斬り裂いた。
《熟練度が一定に達し【気配遮断】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力遮断】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力制御】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【超反応】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【閃駆】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv17になりました》
《熟練度が一定に達し【敏捷強化】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【敏捷強化】スキルがLv16になりました》
HPを失ったハイリは呆然とした表情のまま、眩しい光に包まれ転送された。
《第一職業が<上級剣士>Lv14になりました》
《熟練度が一定に達し【上級剣術】スキルがLv15になりました》
《【上級剣術】Lv15アーツ『フラッシング・ハウル』を習得しました》
おっ、ついに来たな。【上級剣術】の新アーツ!
ちょうど実力者が目の前に居るのだし、この場で試させてもらおうか!
―――――――――――――――――――――――――――――――
『ギルド対抗「攻城戦」開催中!』 <残り二十一時間二十五分>
・参加ギルド 302ギルド
・残りギルド 290ギルド/302ギルド
・獲得フラッグ0 喪失フラッグ0
・獲得ポイント0 喪失ポイント0
・総合ポイント0
・広域マップ確認
・周辺マップ確認《ウェザリア》
・―――――――
・―――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
……ご臨終です。
《第四職業が<土石魔法士>Lv9になりました》
《熟練度が一定に達し【土石魔法】スキルがLv9になりました》
満タンのMPを消費しようとガンガン魔法を使ったため、【土石魔法】が立て続けにレベルアップ。
アリアさんはアリアさんで、新調した緑の弓を使い、生き残りを射抜いて経験値を稼いでいる。
「くっ、このままやられて、なるものかああああああっ!!」
「っ!?」
死屍累々の中からぬっ、と現れたジークが、雄たけびを上げて横薙ぎに剣を振るい、【中級剣術】Lv20アーツ『スラッシュショット』を放ってきた。
部下を盾にしてしぶとく生き残っていたらしい。
思わぬ攻撃に息を呑むアリアさんだが、こちらも『スラッシュショット』で迎撃。飛ぶ斬撃を縦に斬り裂いた。
ついでに、鼻で笑ってジークを煽っておく。
あ、顔を真っ赤にして怒ってやんの。煽り耐性のない奴め。
「ありがとう、アスト。助かったわ」
「いえ。アリアさんなら、僕が対応しなくとも普通にかわしてたでしょうし」
「……貴方の中で、私はどんな超人扱いをされているのかしらね」
ん? なにやら呆れられてしまったようだ。
斬撃が飛ぶ速度に、マスタースキル化で可能になるブーストがかかっていなかったし、ジークとの距離もそれなりにある。
決して過大評価の類ではなく、アリアさんの反射神経ならギリギリかわせる、はず。
そう伝えたところ、
「突然の攻撃だと本能的に恐怖して体が強張るから無理よ」と言われた。納得。
なお、アリアさんと話しながらも、僕はジークの『スラッシュショット』を相殺し続けている。いい加減諦めろよな。当てたいなら怒鳴り散らしてないで、せめて速度ブーストくらい掛けろって。
そうこうしている内に、剣を氷に突き立て杖代わりにして坂を上るプレイヤーが現れた。
でも、それやり方を考え付くのに思いの外時間が掛かったよな。なまじ身体能力が高まっているせいで、自らのスペックに頼りがちなのかもしれない。
こうなると、岩と氷水の攻撃は避けられやすくなる。
残るは十数人ってところだし、あとは直接対決で勝負をつけるか。
「アリアさん、ちょっと行ってきます」
「分かったわ。くれぐれも、拠点エリア内から出ないようにね」
「ええ、分かってます」
レインとミア合作のスケート靴を履いて、やや緊張しながら氷の上へと繰り出す。飛刃でプレイヤーを弾き飛ばしながら滑り降り、坂の前で止まった。
すぐさま、周囲百八十度を敵に囲まれてしまったが、これくらい個人戦の予選で経験しているので慣れっこだ。
強い奴も数人混ざっているし、油断するような愚かな真似はしないが。
数秒待ったにもかかわらず、敵が武器を構えたまま動きを見せないので、遠慮なく戦闘の準備させてもらう。
「――『エンドレスステップ』『ブルーステップ』『フレイムアップ』『ストーンアップ』」
一歩踏み出した僕の足元から、青い光が同心円状に広がっていく。
ブルーステップは、ランク2スキル【舞踏】のレベル10アーツである。
同時に、赤く淡い光と黄色く力強い光が僕の体全体を包む。
こっちは【火炎魔法】と【土石魔法】Lv1呪文アーツのエフェクトだ。
「うおおおおおおおっ!!」
最初に突撃してきたのは、右方向に居た【撃滅の斧鬼】ことアラン。
馬鹿力で振り下ろされた大斧は、まともに受ければ一発でHPが全損しかねない危険を孕んでいる。
剣を構え、舞闘Lv1アーツ『流水』で斧を受け流す。
アランは攻撃をいなされたと見るや、地面を振るわせた大斧を放置し、アイテムボックスから通常サイズの赤い斧を取り出した。
レア度6――銘は【大地の轟斧】
「まだだっ! 『ジャイアントインパクト』『デヴァン・デストロイ』ッ!」
「『流水』!」
高破壊力の連撃を受け流し――っ、僕のHPが減った?
そうか、【中級斧術】Lv20アーツ『ジャイアントインパクト』で、武器越しに衝撃を通しているのか。このアーツをこんな使い方もできるとは、初耳だった。
今更回避に変えるのは無駄なリスクを生む。
やむをえず三連撃をやりすごしたが、僕のHPは合計で二割も削られた。
一撃でも直撃していたら、HP半減まで追い込まれていただろう。
やりきった表情のアランは大技を使った影響で硬直している。
前方から飛んできた魔法を『ブレイズブラスト』で撃ち落とし、左手に水飛沫の槍を装備して――
「『トリニティ・ロード』!」
「ぐはっ……」
槍の攻撃は三発とも頭部を貫き、HPバーがゼロに。アランの体は光に包まれ、待機場(?)に転送されていった。
五秒にも満たない短期決戦だったが、いい勝負だったと思う。
アリアさんの矢で足止めされていた数人を『スラストショット』で倒す。
剣に持ち替えて、近くまで迫っていた数人を【上級剣術】Lv1アーツ『オラクレア・ペンタグラム』で斬り捨てた。
《第四職業が<土石魔法士>Lv10になりました》
《熟練度が一定に達し【土石魔法】スキルがLv10になりました》
《【土石魔法】Lv10呪文アーツ『ストーンエクスプロージョン』を習得しました》
《熟練度が一定に達し【集撃】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv14になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv16になりました》
残る敵プレイヤーは三人。
ギルド《龍の咆哮》サブマスター 【竜の右腕】ジーク。
ギルド《妖精魔女》サブマスター 【風呼びの魔女】ハイリーン。
ギルド《守護の家紋》サブマスター【不動の鉄塊】アールグラン。
誰一人逃がすつもりはないし、敵もそれが分かっているからか、こちらに背を見せようとはしない。
ちなみに、全員が闘技大会個人戦で本選に進んでいる実力者だ。
ハイリは《花鳥風月》のフー・リーンに、アールグランはフレグランスに負けたんだっけ?
開始早々、二つ名持ちをこれだけ投入してくるとは、《ウェザリア》も高く評価されたものだな。
「風よ轟け――『風天連鎖』『エアリアルバースト』ッ!!」
「っ、『アクセラレーション』!」
聞き慣れない詠唱が耳に届き、パワー、スピード、ともにブーストされた下降気流が連続で襲い来る。
今の『風天連鎖』というアーツ、風魔法には存在していなかったはず。だとすれば、変異種の魔石で得たスキル。スローになった世界でそのように推理した。
加速Lv10アーツ『オーバーアクセル』を発動。
僕の存在は光速を超えることが可能になり、一部物理法則の戒めから解き放たれた。
迫りくる二連『エアリアルバースト』を、【精霊の剣】で切断。同時に加速が終了し、風の魔法は僕の両脇を通り抜け、地面に叩きつけられた。
――【気配遮断】【魔力遮断】【気配制御】【魔力制御】【消音】【奇襲】を起動。
「っ、消えた!?」
さらに、【閃駆】Lv1アーツ『シャイニング・ムーブ』を使用。
真横から高速でハイリへと迫り――
「――『オラクレア・ペンタグラム』!」
「なっ――」
気づいた時にはもう遅い。
右手に持つ【精霊の剣】が、緑の目を見開くハイリを斬り裂いた。
《熟練度が一定に達し【気配遮断】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力遮断】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力制御】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【超反応】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【閃駆】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv17になりました》
《熟練度が一定に達し【敏捷強化】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【敏捷強化】スキルがLv16になりました》
HPを失ったハイリは呆然とした表情のまま、眩しい光に包まれ転送された。
《第一職業が<上級剣士>Lv14になりました》
《熟練度が一定に達し【上級剣術】スキルがLv15になりました》
《【上級剣術】Lv15アーツ『フラッシング・ハウル』を習得しました》
おっ、ついに来たな。【上級剣術】の新アーツ!
ちょうど実力者が目の前に居るのだし、この場で試させてもらおうか!
―――――――――――――――――――――――――――――――
『ギルド対抗「攻城戦」開催中!』 <残り二十一時間二十五分>
・参加ギルド 302ギルド
・残りギルド 290ギルド/302ギルド
・獲得フラッグ0 喪失フラッグ0
・獲得ポイント0 喪失ポイント0
・総合ポイント0
・広域マップ確認
・周辺マップ確認《ウェザリア》
・―――――――
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