異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

166 金槌と温泉

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 カースドブレイズスピリットの初回討伐報酬と単独討伐報酬は、予想の範疇を出ないアイテムであった。
 初回討伐報酬は赤黒いハンマーで、単独討伐報酬は赤い種だ。



【火精霊の金槌】道具アイテム レア度5
 ブレイズスピリットの力が宿った金槌。
 所持者の鍛冶作業にプラス補正が掛かる。

【火精霊の種】食材アイテム レア度5
 ブレイズスピリットの力が宿った種。
 食べると火属性耐性を取得できる。
 これにはスキルスロットを使用しない。



 水精霊と大体同じだな。
 杖にあたるアイテムは存在しないが、ソロではないので仕方あるまい。


「・・・あれ?私のアイテムボックスにもアイテムが贈られたみたいですね」

「うん?これってパーティーリーダーだけかと思っていたんだが、違ったのか」


 そのことも驚きだが、ヨミが取り出したアイテムには更に驚かされた。
 これ・・・多分、水精霊の杖にあたるドロップアイテムなんじゃないか・・・?



【火精霊の手甲】武器アイテム レア度6
 物理攻撃力+8 魔法攻撃力+4 
 火系統魔法威力減衰[中] 品質7
 ブレイズスピリットの力が宿った手甲。



 見た感じ格闘術用の武器だな。
 格闘術は初期選択が可能なスキルの中に入っていたのだが、不遇扱いされているスキルだ。
 武装の攻撃力が低く、リーチも短いため、戦闘では不利。
 使いこなせる人が少なめなのが不遇と言われる原因だとされている。

 格闘士からすれば、この武器があれば随分役に立つんだろうな。

 つまり、僕たちには無縁のアイテムということだ。


「どうしてこんなアイテムがドロップしたのでしょうね・・・?」

「うーん・・・ソロドロップかと思っていたんだが、違ったみたいだな。ヨミのストレージに入ったんだし、何か条件でもあるのかもしれない」

「そうですね・・・。あり得そうなのは・・・ラストアタック、とかですかね?」

「なるほど。止めを刺したのはヨミだったし、あり得なくはないな」


 そういうことなら筋は通る。
 となると、アイテムの分配は・・・。


「そのアイテムはヨミのストレージに入ったんだし、そのまま貰うといい。それで、残りの二つは一つずつ選ぶということでどうだ?」

「私としては構いませんが・・・それでいいのですか?アストは損しますよ?」

「ああ。僕はそれでいいよ。手甲を貰っても仕方ないし」


 本当にラストアタックボーナスならヨミに権利があると思うからな。
 それに関してとやかく言うのは良くないだろう。


「ただ、まあ・・・選択の優先権は貰ってもいいよな?」

「ええ、勿論。私の得が多すぎるので、当然の措置ですね」


 という訳で、僕は火精霊の金槌を選ばせてもらった。
 ミアが喜びそうだな、これ。
 更にいい武器が仕上がると思えば、僕も嬉しい。


「では、私は火精霊の種ですね。こちらの方が欲しかったので文句なしです」

「あ、やっぱりそうだったか。何となくそんな気はしていたよ」

「・・・もうブレスで焼けるのは御免ですから」


 ヨミは思考を見透かされて恥ずかしそうにしながら、種が欲しかった理由を正直に述べた。
 なお、火傷耐性は焼かれたときに取得可能になった模様。不幸中の幸いだな。

 僕は火属性耐性を既に持っているし、お互い不満のない結果だ。


「それで、だ。この温泉って一般に開放されると思うか?」

「さあ・・・?仕切りや壁が生成されてますし、開放されるのでは?」


 そう、現在進行形で、温泉の様子が変化しているのだ。
 実に不思議だが、ファンタジーに科学的根拠を求めるべきではないだろう。
 火精霊が頑張ってる、くらいの認識で十分だ。

 戦闘中に温泉の中でジャバジャバ争っていたのは・・・一応反省で。
 でもあれは不可抗力だと主張させてもらう。


「気になるなら、今から入ったらどうだ?僕はアライアに帰るから」

「誰が入りたいと言いましたか!」

「いや、そんなにソワソワしてたら、そう言っているのと同義だろうに・・・」

「っ・・・!」


 うん。さっきからソワソワソワソワされて、気が散ってしょうがない。
 一般開放されるかどうかに関わらず、レッドプレイヤーが気兼ねなく入れる最初で最後の機会だろう。入りたいならどうぞご自由に。
 誰も覗いたりはしないよ。多分。


「ま、この町に入ってくるプレイヤーが居ないとは限らないが、誰もヨミの入浴を覗きたいとは思わないんじゃないか?」

「・・・温泉を赤く染めてあげましょうか?」

「怖っ!?」


 短剣をこちらに向けるな!
 それと顔が本気になってるから!


「冗談はさておき」

「冗談には聞こえなかったんだが・・・?」

「・・・何か言いましたか?」

「イエ、ナンデモアリマセンヨ」


 上手く誤魔化せたかと思いきや、ヨミにジト目で見られてしまった。
 そんなに分かりやすく嘘っぽかったか?


「そのジト目、一部の人には大好物かもしれないな」

「何を言っているのですか!?そのような人はこちらから願い下げです!」


 そりゃそうだ。


「それで、結局温泉に入るのか?」

「・・・・・・少しだけですよ?」

「・・・その言い方だとおかしな意味に聞こえるんだが」

「・・・・・・っ!?」


 少しだけ温泉に入る、と言いたかったんだろうな。
 だが、微妙に恥ずかしがりながらのそのセリフだと、覗きを許可しているようにも聞こえるんだよな、これが。勿論除きなんてしないけども。

 それから、怒ったヨミに斬りかかられ、慌ててその場を後にした。
 いくらダメージが入らないからって、限度というものがあると思いました。


 ・・はぁ。町の外で虎でも狩ろうかね?

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