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4章
185 夢幻魔法とエリア変化
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フレグランス視点
私はフレグランス。
FSOではエルフのアバターでプレイしている。
職業は弓士だ。リアルでも弓は得意ゆえに迷いはしなかった。
「・・・『クリティカルスナイプ』『パワーアロー』!」
中級弓術Lv20アーツを使用して一撃必殺。
遠くに居る瀕死のプレイヤーを撃破した。
このアーツは殆どAPを消費しないので予選が始まってから重宝している。
確定でクリティカルポイントを射抜く爽快感は、リアルでも味わっている感覚に似ているが・・・やはりいいものだな。
しかし、そこでふと首筋がむず痒くなった。
危機が迫っている時などによくある感覚だが、広域マップによると周囲に人は居ないはずだ。
だが、長年助けられてきた己の勘に従って、左の方を向く。
スキル【鷲の目】も使用して・・・居た。
黒に少し青が混じった髪色をした男性。
手にはナイフのようなものを持っている。
・・・ゾクッ!!
・・・全身から冷や汗が流れ出す。
面白いものを見るような目で見られているというのに、怒る気にもならない。
自分は見逃されていたのだと嫌でも理解させられた。
この距離でナイフなど届くはずがないと理性が言っているが。
だが、理屈ではないのだ。
あのナイフは、間違いなく私の元まで届く。
気づいた今であれば回避は可能だが、気づいていなかったとしたら・・・。
解析して、名前をアストというのだと分かった。
私は人付き合いが苦手で、掲示板というものも当然苦手なのだが、それでも名前くらいは聞いたことがある。
全プレイヤー中、最高レベル。
その戦いぶりは、舞うような綺麗さと鬼のような完璧さを併せ持つという。
それ以外のことはあまり知られておらず、知名度が高いようで低いような存在。
FSOというゲームにおける最強候補の一角。
ああ、それは最強候補にもなるだろうさ。
これだけ離れていても、強いことがありありと伝わってくるのだから。
適当にナイフを持っているように見えて、いつでも投擲に移れる態勢だ。
私も一種の投擲使いであるからそれが分かる。
・・・手を振られた。それも微笑みながら。
意外と優しそうな人だな、彼・・・アストは。
ふぅ・・・胸を借りるつもりで、一射!
・・・ナイフで弾かれてしまった。
飛来する矢をナイフで迎撃するなど・・・この人おかしい。絶対おかしい。
「ふふふっ・・・凄いね、本当に・・・」
思わず声が漏れてしまった。
いけないいけない。今のは女っぽ過ぎる。
このゲームでのキャラクターが崩れるところだった。
さて・・・このままここに居るのも危険なので移動しよう。
予選を勝ち抜いたら、当たるかもしれないな・・・。
何か策を考えてみようか。
このゲームは、本当に私を飽きさせない。
□□□
なんかいきなり射られたんだが。
気に障るようなことはしていないはずだし、挨拶みたいなものかね?
まあいいや。向こうは移動するみたいだし、僕も移動しよう。
・・・灼銀獅子のナイフ、拾いに行かないとな。
《熟練度が一定に達し【幻影魔法】スキルがLv20になりました》
《【幻影魔法】Lv20呪文アーツ『ファントムリバース』を習得しました》
《【幻影魔法】が最高値になりました》
《【夢幻魔法】が派生しました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv6になりました》
《熟練度が一定に達し【魔気】スキルがLv9になりました》
ナイフは無事回収した。
拾おうとしていた男性プレイヤーは問答無用で抹殺。
悪く思うな。所有権が移りかねないからな。
これで七十人目になるか。スキルポイントはもらえなかったな・・・。
幻影魔法Lv20アーツ『ファントムリバース』の効果には驚いた。
なんと、幻影にダメージ属性を付与できる呪文アーツだったのだ。
ダメージ量は再現した武器とその再現度による。
百パーセントの再現度だと全く同じダメージを与えられるようだ。
ただし、ファントムクリエイトと合わせて使うので、MP消費が厳しいことに。
実用範囲だと、一度の戦闘で剣や槍なら一つずつ。ナイフなら十個くらいか。
なお、マスタースキルとなったことで、幻影自体には個数制限が無くなった。
とはいえ、想像できる範囲の個数になるので、無限に出すとかは無理だ。
勢いのまま【夢幻魔法】を4ポイント消費して取得。
こちらはこれから検証だ。
《熟練度が一定に達し【上級投擲術】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【夢幻魔法】スキルがLv2になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv7になりました》
夢幻魔法Lv1呪文アーツ『ファンタジアレプリカ』は攻撃用ではなかった。
これが、アイテムを再現する呪文だったのだ。
しかも、再現したものは消えない。本物と同じ扱いだ。
ただし、再現にはMPを大きく使用する。
兎の肉でさえそこそこ消費したし、硬牙の剣は全くMPが足りていない。
具体的にどれくらい足りていないかは分からないが、百や二百ではないと思う。
当分お蔵入りではあるが、将来的には有用だな。
それはさておき、目の前の敵だ。
「強いっ!これが優勝候補の実力・・・!『トリプルスラッシュ』っ!!」
「ん、悪くないな。『イエローステップ』『トリプルスラッシュ』!」
「そんなっ・・・!三発とも完璧に弾かれるなんて・・・!」
「腕はいいんだが、もう少し足に気を遣ういいぞ。『トリニティ・ロード』!」
「武器の持ち変え!?ぐあっ・・・!?」
まだ十代中盤くらいの少年に止めを刺して勝利。
武器持ち変えはともかく、アーツなしだったらかなり手間取っただろうな。
それくらいには強い相手だった。
《熟練度が一定に達し【集撃】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv10になりました》
《プレイヤーを七十五人撃破してスキルポイント3を手に入れました》
七十五人でポイントなら、次は百人だろうか。
予選も一時間半が経過し、残り四分の三。
残り人数は・・・四分の三を少し超えるくらいのようだ。
ここからさらに加速するとは考え辛いので、時間内に終わるか怪しくなってきた。
『皆さん、こんにちは。司会進行のシステマです。予選開始から一時間半が経過しました。これより五分かけてエリアを縮小します。縮小される場所は広域マップで分かりますので、そちらでご確認ください!』
おう・・・そういう手を使ってくるのか。
それなら戦いが加速しそうだな。
ま、ここはエリアの端っこでもないし、今回は関係ないだろう。
・・・一応広域マップを確認しておこう。
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り四時間三十分>
・参加人数 21611人
・残り人数 17563人/21611人
・撃破人数 75 与ダメージ 13190 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
・―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
私はフレグランス。
FSOではエルフのアバターでプレイしている。
職業は弓士だ。リアルでも弓は得意ゆえに迷いはしなかった。
「・・・『クリティカルスナイプ』『パワーアロー』!」
中級弓術Lv20アーツを使用して一撃必殺。
遠くに居る瀕死のプレイヤーを撃破した。
このアーツは殆どAPを消費しないので予選が始まってから重宝している。
確定でクリティカルポイントを射抜く爽快感は、リアルでも味わっている感覚に似ているが・・・やはりいいものだな。
しかし、そこでふと首筋がむず痒くなった。
危機が迫っている時などによくある感覚だが、広域マップによると周囲に人は居ないはずだ。
だが、長年助けられてきた己の勘に従って、左の方を向く。
スキル【鷲の目】も使用して・・・居た。
黒に少し青が混じった髪色をした男性。
手にはナイフのようなものを持っている。
・・・ゾクッ!!
・・・全身から冷や汗が流れ出す。
面白いものを見るような目で見られているというのに、怒る気にもならない。
自分は見逃されていたのだと嫌でも理解させられた。
この距離でナイフなど届くはずがないと理性が言っているが。
だが、理屈ではないのだ。
あのナイフは、間違いなく私の元まで届く。
気づいた今であれば回避は可能だが、気づいていなかったとしたら・・・。
解析して、名前をアストというのだと分かった。
私は人付き合いが苦手で、掲示板というものも当然苦手なのだが、それでも名前くらいは聞いたことがある。
全プレイヤー中、最高レベル。
その戦いぶりは、舞うような綺麗さと鬼のような完璧さを併せ持つという。
それ以外のことはあまり知られておらず、知名度が高いようで低いような存在。
FSOというゲームにおける最強候補の一角。
ああ、それは最強候補にもなるだろうさ。
これだけ離れていても、強いことがありありと伝わってくるのだから。
適当にナイフを持っているように見えて、いつでも投擲に移れる態勢だ。
私も一種の投擲使いであるからそれが分かる。
・・・手を振られた。それも微笑みながら。
意外と優しそうな人だな、彼・・・アストは。
ふぅ・・・胸を借りるつもりで、一射!
・・・ナイフで弾かれてしまった。
飛来する矢をナイフで迎撃するなど・・・この人おかしい。絶対おかしい。
「ふふふっ・・・凄いね、本当に・・・」
思わず声が漏れてしまった。
いけないいけない。今のは女っぽ過ぎる。
このゲームでのキャラクターが崩れるところだった。
さて・・・このままここに居るのも危険なので移動しよう。
予選を勝ち抜いたら、当たるかもしれないな・・・。
何か策を考えてみようか。
このゲームは、本当に私を飽きさせない。
□□□
なんかいきなり射られたんだが。
気に障るようなことはしていないはずだし、挨拶みたいなものかね?
まあいいや。向こうは移動するみたいだし、僕も移動しよう。
・・・灼銀獅子のナイフ、拾いに行かないとな。
《熟練度が一定に達し【幻影魔法】スキルがLv20になりました》
《【幻影魔法】Lv20呪文アーツ『ファントムリバース』を習得しました》
《【幻影魔法】が最高値になりました》
《【夢幻魔法】が派生しました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv6になりました》
《熟練度が一定に達し【魔気】スキルがLv9になりました》
ナイフは無事回収した。
拾おうとしていた男性プレイヤーは問答無用で抹殺。
悪く思うな。所有権が移りかねないからな。
これで七十人目になるか。スキルポイントはもらえなかったな・・・。
幻影魔法Lv20アーツ『ファントムリバース』の効果には驚いた。
なんと、幻影にダメージ属性を付与できる呪文アーツだったのだ。
ダメージ量は再現した武器とその再現度による。
百パーセントの再現度だと全く同じダメージを与えられるようだ。
ただし、ファントムクリエイトと合わせて使うので、MP消費が厳しいことに。
実用範囲だと、一度の戦闘で剣や槍なら一つずつ。ナイフなら十個くらいか。
なお、マスタースキルとなったことで、幻影自体には個数制限が無くなった。
とはいえ、想像できる範囲の個数になるので、無限に出すとかは無理だ。
勢いのまま【夢幻魔法】を4ポイント消費して取得。
こちらはこれから検証だ。
《熟練度が一定に達し【上級投擲術】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【夢幻魔法】スキルがLv2になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv7になりました》
夢幻魔法Lv1呪文アーツ『ファンタジアレプリカ』は攻撃用ではなかった。
これが、アイテムを再現する呪文だったのだ。
しかも、再現したものは消えない。本物と同じ扱いだ。
ただし、再現にはMPを大きく使用する。
兎の肉でさえそこそこ消費したし、硬牙の剣は全くMPが足りていない。
具体的にどれくらい足りていないかは分からないが、百や二百ではないと思う。
当分お蔵入りではあるが、将来的には有用だな。
それはさておき、目の前の敵だ。
「強いっ!これが優勝候補の実力・・・!『トリプルスラッシュ』っ!!」
「ん、悪くないな。『イエローステップ』『トリプルスラッシュ』!」
「そんなっ・・・!三発とも完璧に弾かれるなんて・・・!」
「腕はいいんだが、もう少し足に気を遣ういいぞ。『トリニティ・ロード』!」
「武器の持ち変え!?ぐあっ・・・!?」
まだ十代中盤くらいの少年に止めを刺して勝利。
武器持ち変えはともかく、アーツなしだったらかなり手間取っただろうな。
それくらいには強い相手だった。
《熟練度が一定に達し【集撃】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv10になりました》
《プレイヤーを七十五人撃破してスキルポイント3を手に入れました》
七十五人でポイントなら、次は百人だろうか。
予選も一時間半が経過し、残り四分の三。
残り人数は・・・四分の三を少し超えるくらいのようだ。
ここからさらに加速するとは考え辛いので、時間内に終わるか怪しくなってきた。
『皆さん、こんにちは。司会進行のシステマです。予選開始から一時間半が経過しました。これより五分かけてエリアを縮小します。縮小される場所は広域マップで分かりますので、そちらでご確認ください!』
おう・・・そういう手を使ってくるのか。
それなら戦いが加速しそうだな。
ま、ここはエリアの端っこでもないし、今回は関係ないだろう。
・・・一応広域マップを確認しておこう。
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り四時間三十分>
・参加人数 21611人
・残り人数 17563人/21611人
・撃破人数 75 与ダメージ 13190 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
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