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4章
205 フレグランス VS フー・リーン
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客席に戻ってくると、二回戦第四試合が行われていた。
対戦カードは・・・
予選四位 『【風弓の奏者】フレグランス』 《無所属》
VS
予選十三位『【無音の旋風刃】フ―・リーン』 《花鳥風月》
と、またしても好カードだ。
ギルド《花鳥風月》の強さはよく分かっているつもりだし、フレグランスについてはそのプレイヤースキルを直に確認した。
あ、《花鳥風月》のネーミング理由が分かった気がする。
鳥=レイヴン 風=フー・リーン 月=ルナ・シャグナトル ではないか?
となると、花=フローリアというプレイヤーだな。多分彼女がギルマス。
フローリアというプレイヤーは予選六位でありC-8番。
次の試合は・・・二回戦第六試合で《桜花絢爛》のギルドマスターと対戦だ。
こっちも注目の好カードだな。
なんかこれ、僕とディアスの戦いだけ地味になるんじゃないか・・・?
ブーイングとか起きたらどうしよう?
それはさておき、目の前の戦いだ。
「アスト、戻ってきたのね? この戦い、どちらが勝つと思う?」
「んー、そうですね・・・」
難しい質問だな。
ミレアに聞くよりはいい選択だが、僕に解析の真似事が務まるかね?
フー・リーンは見た感じ、風魔法オンリーの魔法士。
元より隠密性の高い魔法である風に隠密系スキルを掛け合わせて、音もなく魔法攻撃を仕掛けている。
魔力隠蔽・・・いや、上位の【魔力遮断】か?
それで上手く魔法を隠蔽しているので、視覚的にも非常に捉えづらい。
感知系スキルなしで対応は不可能だし、初見だったらまず決まるだろう攻撃だ。
オーラの色は、濃い緑色。
フレグランスは弓と風系統魔法による狙撃がその持ち味だ。
こちらも隠密系スキルを取得していると思われる。
こちらも濃い緑色のオーラをしているが、フレグランスの方がより濃い。
だが、そもそもフレグランスは狭い場所において一対一で戦うタイプではない。
広く障害物の多い場所で戦うか、彼女を守る前衛がいることで本領を発揮する。
決勝トーナメントのルールで、彼女はどうしても不利になる。
一回戦は余裕を持って勝ち抜いた。
だが、このレベルの戦いでは致命的になり得る。
だから、どれだけ彼女に隠し玉があるか次第で勝敗が分かれる。
現在のところ、フレグランスがやや不利。
「―――という具合ですかね」
「・・・分かりやすいわね。ありがとう、アスト」
「どういたしまして」
これがミレアなら、「○○が勝つよ!」で終わりなんだがな。
ちなみに、的中率は九十九パーセント。
一度だけ外したのは・・・いつだったかな?
「ところで、アストはどこへ行っていたのかしら?」
「ああ・・・ちょっとフォローというか・・・」
真正面から言うのは気恥ずかしいので適当に誤魔化しておく。
空気の読めない奴でなければ、これ以上は何も言われまい。
「へぇぇ~?モテる男はやることが違うね?」
「む・・・モテない女が言うと説得力があるな」
「なにおうっ!!」
シエラが空気を読まずに首を突っ込んできたのでカウンターだ。
そんなんだから永遠の友達を量産するんじゃないか?(確信)
というか、シエラは僕への態度が変わり過ぎじゃないか?
馴染んだというのであれば嬉しい限りではあるが。
そうこうしている間に戦況が動く。
HPが半分を切ったフレグランスが、何かを諦めたかのようにため息を吐いた。
それは、勝負を諦めたからであり、同時に諦めていないからしたと言える反応。
フー・リーンのHPはまだ八割以上ある。
ここから逆転できる一手を、彼女は持っているのだろう。
だがその手を晒すことは、この先の戦いで不利になる。
追い詰められたフレグランスは、その不利を甘んじて受け入れる覚悟をした。
「シエラ、ミア、戦いが動くぞ?」
「「え?」」
よそ見をしていた二人に声を掛けておく。
恐らく、ここから先はあっという間だ。
戦いが動く。
僕の【魔眼】に映るフレグランスのオーラが、一段と濃くなった気がした。
フー・リーンも何かを感じ取ったのか、警戒を強めている。
しかし、結果論ではあるが、その警戒は無駄だったとしか言えない。
警戒するだけ無意味だったのだ。
「やむを得ない、か・・・。
『クイックアロー』『リモートアロー』
『アブソリュート・ワン』『アローレイン』
『レイン・ボウ』『ブラインドアロー』『クリティカルスナイプ』っ!!」
「っ、な・・・・・・」
フレグランスが使用したアーツは七つ。
その結果起きた事象は・・・回避不能かつ防御不能の矢が、数えきれないほど放たれるというものだった。
フー・リーンは一瞬だけ呆けたものの、すぐさま対応を開始。
かなり優秀な反応速度だが・・・撃たせた時点で勝敗は決していたのだろう。
空気の物理壁を作れば、矢がそれを迂回する。
風で蹴散らそうとすれば、矢が欠片もブレずに貫いてくる。
どれだけ回避しても矢はフー・リーンを追い続け、全てがクリティカルに直撃。
僅か十秒にも満たない時間でフーのHPは全損。
驚愕を顔に張り付かせたフーは、そのままポリゴンの欠片となって爆散した。
『・・・・・・はっ!け、決着です!
この試合の勝者は、『【風弓の奏者】フレグランス』選手ですっ!!
何が何だか分からない終わり方でしたが、皆さん、拍手をお願いします!』
システマによる勝利宣言が行われても、沈黙と驚愕が会場全体を支配していた。
仕方がないので、僕だけでも拍手を送る。
あ、ミレアも同時に拍手し始めた。
それが引き金となったのか、あちらこちらからパラパラと拍手が生まれ、やがて大歓声が鳴り響き始めた。
僕は、それから多分ミレアは・・・拍手をしながら考えを巡らせていた。
対戦カードは・・・
予選四位 『【風弓の奏者】フレグランス』 《無所属》
VS
予選十三位『【無音の旋風刃】フ―・リーン』 《花鳥風月》
と、またしても好カードだ。
ギルド《花鳥風月》の強さはよく分かっているつもりだし、フレグランスについてはそのプレイヤースキルを直に確認した。
あ、《花鳥風月》のネーミング理由が分かった気がする。
鳥=レイヴン 風=フー・リーン 月=ルナ・シャグナトル ではないか?
となると、花=フローリアというプレイヤーだな。多分彼女がギルマス。
フローリアというプレイヤーは予選六位でありC-8番。
次の試合は・・・二回戦第六試合で《桜花絢爛》のギルドマスターと対戦だ。
こっちも注目の好カードだな。
なんかこれ、僕とディアスの戦いだけ地味になるんじゃないか・・・?
ブーイングとか起きたらどうしよう?
それはさておき、目の前の戦いだ。
「アスト、戻ってきたのね? この戦い、どちらが勝つと思う?」
「んー、そうですね・・・」
難しい質問だな。
ミレアに聞くよりはいい選択だが、僕に解析の真似事が務まるかね?
フー・リーンは見た感じ、風魔法オンリーの魔法士。
元より隠密性の高い魔法である風に隠密系スキルを掛け合わせて、音もなく魔法攻撃を仕掛けている。
魔力隠蔽・・・いや、上位の【魔力遮断】か?
それで上手く魔法を隠蔽しているので、視覚的にも非常に捉えづらい。
感知系スキルなしで対応は不可能だし、初見だったらまず決まるだろう攻撃だ。
オーラの色は、濃い緑色。
フレグランスは弓と風系統魔法による狙撃がその持ち味だ。
こちらも隠密系スキルを取得していると思われる。
こちらも濃い緑色のオーラをしているが、フレグランスの方がより濃い。
だが、そもそもフレグランスは狭い場所において一対一で戦うタイプではない。
広く障害物の多い場所で戦うか、彼女を守る前衛がいることで本領を発揮する。
決勝トーナメントのルールで、彼女はどうしても不利になる。
一回戦は余裕を持って勝ち抜いた。
だが、このレベルの戦いでは致命的になり得る。
だから、どれだけ彼女に隠し玉があるか次第で勝敗が分かれる。
現在のところ、フレグランスがやや不利。
「―――という具合ですかね」
「・・・分かりやすいわね。ありがとう、アスト」
「どういたしまして」
これがミレアなら、「○○が勝つよ!」で終わりなんだがな。
ちなみに、的中率は九十九パーセント。
一度だけ外したのは・・・いつだったかな?
「ところで、アストはどこへ行っていたのかしら?」
「ああ・・・ちょっとフォローというか・・・」
真正面から言うのは気恥ずかしいので適当に誤魔化しておく。
空気の読めない奴でなければ、これ以上は何も言われまい。
「へぇぇ~?モテる男はやることが違うね?」
「む・・・モテない女が言うと説得力があるな」
「なにおうっ!!」
シエラが空気を読まずに首を突っ込んできたのでカウンターだ。
そんなんだから永遠の友達を量産するんじゃないか?(確信)
というか、シエラは僕への態度が変わり過ぎじゃないか?
馴染んだというのであれば嬉しい限りではあるが。
そうこうしている間に戦況が動く。
HPが半分を切ったフレグランスが、何かを諦めたかのようにため息を吐いた。
それは、勝負を諦めたからであり、同時に諦めていないからしたと言える反応。
フー・リーンのHPはまだ八割以上ある。
ここから逆転できる一手を、彼女は持っているのだろう。
だがその手を晒すことは、この先の戦いで不利になる。
追い詰められたフレグランスは、その不利を甘んじて受け入れる覚悟をした。
「シエラ、ミア、戦いが動くぞ?」
「「え?」」
よそ見をしていた二人に声を掛けておく。
恐らく、ここから先はあっという間だ。
戦いが動く。
僕の【魔眼】に映るフレグランスのオーラが、一段と濃くなった気がした。
フー・リーンも何かを感じ取ったのか、警戒を強めている。
しかし、結果論ではあるが、その警戒は無駄だったとしか言えない。
警戒するだけ無意味だったのだ。
「やむを得ない、か・・・。
『クイックアロー』『リモートアロー』
『アブソリュート・ワン』『アローレイン』
『レイン・ボウ』『ブラインドアロー』『クリティカルスナイプ』っ!!」
「っ、な・・・・・・」
フレグランスが使用したアーツは七つ。
その結果起きた事象は・・・回避不能かつ防御不能の矢が、数えきれないほど放たれるというものだった。
フー・リーンは一瞬だけ呆けたものの、すぐさま対応を開始。
かなり優秀な反応速度だが・・・撃たせた時点で勝敗は決していたのだろう。
空気の物理壁を作れば、矢がそれを迂回する。
風で蹴散らそうとすれば、矢が欠片もブレずに貫いてくる。
どれだけ回避しても矢はフー・リーンを追い続け、全てがクリティカルに直撃。
僅か十秒にも満たない時間でフーのHPは全損。
驚愕を顔に張り付かせたフーは、そのままポリゴンの欠片となって爆散した。
『・・・・・・はっ!け、決着です!
この試合の勝者は、『【風弓の奏者】フレグランス』選手ですっ!!
何が何だか分からない終わり方でしたが、皆さん、拍手をお願いします!』
システマによる勝利宣言が行われても、沈黙と驚愕が会場全体を支配していた。
仕方がないので、僕だけでも拍手を送る。
あ、ミレアも同時に拍手し始めた。
それが引き金となったのか、あちらこちらからパラパラと拍手が生まれ、やがて大歓声が鳴り響き始めた。
僕は、それから多分ミレアは・・・拍手をしながら考えを巡らせていた。
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