異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

文字の大きさ
215 / 264
4章

214 意外な結果?

しおりを挟む
 フレグランスには百万円ほど貸し付けておいた。
 素寒貧というのも色々大変だろうからな。

 そして現在、彼女は【大地の暴風参弓】を大事そうに抱えつつ、目を輝かせながら弓を変形させたり、にへっと笑って弓を撫でたりしている。

 ・・・誰だよコイツ。


「フレグランスさんって、もしかしてキャラ作りをしていたんでしょうか?」

「ああ、多分そうだ。違和感は覚えていたんだが、まさかこんなとはな・・・」


 レインとヒソヒソ話。
 合法的に近づけるいい機会なので逃してやるつもりはない。

 ただ、キャラ作りというより、心の奥底にある本性みたいな感じか?


「・・・・・・はっ!? と、ところで、本当に良かったのか?私にこんな魔法士殺しのような弓を売ってしまって・・・?」

「ええ。ミレアも了承済みのことよ。曰く、その方が楽しそうだから、と」

「・・・そうか。 ・・・何をニヤニヤしているのだ?」


 ニヤニヤしていたシエラがフレグランスに気づかれた。
 シエラはニヤニヤしたままで、回答。


「いやー、あのクールキャラのフレグランスが、弓を持ってにへっと笑っていたのが、驚きだっただけだよ?物凄いギャップだね?」

「・・・何の話か分からんな」


 どうやら、この期に及んで誤魔化すつもりらしい。
 ま、そういうことならそっとしておいてやろうかね。

 と、そんな時、控室の外からノックの音が。


「アスト兄ー!大変大変大変っ!」

「・・・ミレア? フレグランス、入れてやってくれないか?」

「ああ、分かった」


 フレグランスに頼んで部屋の施錠を解いてもらった。

 しかし、何故ミレアが?
 わざわざ来るのを遠慮していたというのに。

 というか、僕の名前の後で大変という言葉を連呼しないでくれ。
 上下反対に聞くと・・・考えるのをやめよう。


「アスト兄ー!フランが・・・・・・フランが負けちゃったっ!!」

「・・・・・・嘘だろう?」


 フランが・・・負けた?
 それは一体、何の冗談だ?








 序盤は一進一退の攻防だったらしい。
 いや、フランが少しずつ押していき、十分経った頃、HP差は歴然だったとか。

 だが、そこから逆転負けを喫した。
 試合終了直前に対戦相手のサクラが取り出したアイテムが原因だそうだ。


「・・・あの時、判定勝ちを狙ったのが敗因だったのだろう。まさか、あんな隠し玉があったとは。安全策になど出るものではないな・・・」

「大音量で鳴り響く鈴で大ダメージ、か。その後で消滅したのなら、使い捨ての切り札ということだな」


 判定狙いで勝負を展開し、接戦を制する。
 決着間際にHP量で負けていたら切り札を切る。

 普通、間近にある勝利を危うくしてまで攻めにはでられない。
 その心理を巧みに突いた、実にいい戦法だ。
 初見ではまず対応できないだろう。

 ・・・うん。賞賛しか湧いてこない。

 卑怯な手段?
 何を馬鹿なことを。
 真剣勝負に卑怯もなにもあるか。勝った者が正義だ。

 強いて言うなら、あのサクラにそんな作戦を立てられるとは思えない。
 そこだけが不可解な点だ。
 彼女はどう見ても頭脳タイプではない天然さんなので。
 
 フラン本人から話を聞いた結果、使い捨ての切り札だと推測できる。
 そんなものが幾つもあるとは思えんからな。


「はぁ・・・ようやくアストと戦えると思ったのだがな・・・」

「・・・慰めは必要か?」

「そんなものは要らない。自分で自分を見つめ直すだけだ。今回の件は、敗因がハッキリしているのだからな」

「そうか・・・・・・」


 この様子なら大丈夫そうだな。
 まあ、元よりフランのことは心配などしていなかったのだが。


「ところでアスト、次はお前の試合だろう?」

「ああ、そうだな。ま、適当に勝ってくるよ」

「・・・随分と余裕だな?私のように足元を掬われても知らんぞ?」

「・・・それは自虐か?」

「違うっ!! 純粋に心配してやっているだけだっ!!」


 そうかい。
 だがまあ、心配は要らないだろう。

 リュウガに負けるとは思えんからな。
 シエラ以上に負けの目が薄いし。

 さて、それでは行こうか。


 ・・・と、その前に一つだけ。



「やーい!負けてやんの!」

「なあっ・・・!?」


 言うだけ言って退散。
 背後から叫び声が聞こえてきたが、舞台までは追ってこれまい。

 ま、その悔しさをバネに強くなることだ。








『続きまして、準々決勝第四試合!対戦カードは・・・こちら!』


 予選二位 『【瞬刻の戦神】アスト』  《ウェザリア》
          VS
 予選七位 『【激拳の竜王】リュウガ』 《龍の咆哮》


『まだ対戦が始まってもいないというのに、両者睨み合っています!この二人、仲が悪いのでしょうか!?解説のエフエスタさんはどのような見解ですか?』

『取ってつけたように解説を強調しなくていいからね?
 それで、この二人なんだけど・・・詳細は不明だが因縁があるようだ。
 種族的に高い能力値を持つリュウガ選手をどう攻略するのか楽しみだよ』

『ありがとうございました!では、準々決勝第四試合・・・開始ですっ!』


 さて、どう料理してやろうかね?
 ギルド《龍の咆哮》には恨みがあるんだ。

 あのとき妨害を受けて、試合に遅れそうになったのだから。

 アリアさんやミア、レインに悲壮な覚悟を決めさせようとしたことは許さん。
 多分三人は、自分たちのハラスメントコードを発動させる覚悟だったと思う。

 まあつまり、自分たちに触れさせて・・・ということだ。

 もし【空中機動】スキルが無かったらと思うと・・・。

 逆恨みに近い感情だが・・・どうでもいいな。


 コイツはボコボコにする。
 これは決定事項だ。

しおりを挟む
感想 715

あなたにおすすめの小説

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

魔境育ちの全能冒険者は異世界で好き勝手生きる‼︎ 追い出したクセに戻ってこいだと?そんなの知るか‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
15歳になり成人を迎えたリュカは、念願の冒険者ギルドに登録して冒険者になった。 そこで、そこそこ名の知れた冒険者Dランクのチームの【烈火の羽ばたき】に誘われる。 そこでの生活は主に雑用ばかりで、冒険に行く時でも荷物持ちと管理しかさせて貰えなかった。 それに雑用だけならと給料も安く、何度申請しても値段が上がる事はなかった。 ある時、お前より役に立つ奴が加入すると言われて、チームを追い出される事になった。 散々こき使われたにも関わらず、退職金さえ貰えなかった。 そしてリュカは、ギルドの依頼をこなして行き… 【烈火の羽ばたき】より早くランクを上げる事になるのだが…? このリュカという少年は、チームで戦わせてもらえなかったけど… 魔女の祖母から魔法を習っていて、全属性の魔法が使え… 剣聖の祖父から剣術を習い、同時に鍛治を学んで武具が作れ… 研究者の父親から錬金術を学び、薬学や回復薬など自作出来て… 元料理人の母親から、全ての料理のレシピを叩き込まれ… 更に、母方の祖父がトレジャーハンターでダンジョンの知識を習い… 母方の祖母が魔道具製作者で魔道具製作を伝授された。 努力の先に掴んだチート能力… リュカは自らのに能力を駆使して冒険に旅立つ! リュカの活躍を乞うご期待! HOTランキングで1位になりました! 更に【ファンタジー・SF】でも1位です! 皆様の応援のお陰です! 本当にありがとうございます! HOTランキングに入った作品は幾つか有りましたが、いつも2桁で1桁は今回初です。 しかも…1位になれるなんて…夢じゃ無いかな?…と信じられない気持ちでいっぱいです。

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

処理中です...