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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
VS剣帝3
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クロトが天界突破を行使してから七十分が経過した。
天界突破の効果が終了し、その場に倒れ込むクロト。
満身創痍の全剣帝。
力を振り絞ったクロトへの攻撃は、魔法存在が、体を張って防いだ。
終盤、リスクを負えば仕留められそうな場面もあった。
たが、より確実な道を選択したのだ。
つまりは・・・
「絶対零度の氷棺!」
クロトが倒れ込む寸前、限界突破を付与されたアクア。
氷獄魔法の封印技を発動した。
全剣帝は回避など出来ず、絶対零度の氷棺に捕らわれ、氷漬けに。
絶対零度の氷棺は、一種の封印魔法だ。
対象の動きを完全に封じ込めることができる。
ただし、この魔法を使用すると、自分たちからの攻撃も通らなくなる。
アクアの実力では数分しか持たない超絶技。
「限界突破!」
自らの限界突破も使用する。
マリアの付与と合わせれば、10分程なら、問題なく封印可能。
全剣帝の臨界突破は、残り10分を切っている。
それまでの間、封印出来ればいいのだ。
この隙に、分身が倒れたクロトを回収。
体が動かなくとも、分身の操作くらいは可能だ。
魔法を維持し続けるアクア。
なんとか脱出しようと、渾身の力を込める全剣帝。
並の魔物であれば、意識すら残らない魔法だというのに。
とことん恐ろしい敵だ。
目を閉じ、膝立ちになって、胸の辺りで両手を組む。
その姿は、祈りを捧げる聖女のよう。
同じ女性のヴィオラさえ、見惚れている。
クロトは倒れ伏しながらも、アクアに見惚れていた。
戦闘中だというのに、今すぐ押し倒してしまいたくなった。
やがて、全剣帝が氷棺から抜け出せないまま、十分経過した。
アクアは、精神集中の限界を迎えたのか、その場で気絶した。
同時に、全剣帝を封印していた氷棺が崩れていく。
そこから出て来た全剣帝は、臨界突破の効果が切れていた。
能力値は、平均で500ほどしかない。
一方、クロトたちの状況も、そこまで良くは無い。
マリアも限界突破が切れたため、倒れている。
橙の瞳の限界突破には、副作用が無い。
倒れているのは、自らの限界突破スキルの副作用だ。
戦闘継続が可能なのは、ヴィオラとクロトの分身のみ。
マリアは薄れつつある意識を必死に繋ぎ止めながら、限界突破を付与。
付与を受けたヴィオラとクロトの分身。
そこへ更に、ヴィオラは限界突破を、クロトは天界突破を重ねた。
そして、全剣帝に襲い掛かる。
役目を終えたマリアは、気絶した。
橙の瞳の効果は、付与される方は良くても、する方に負担がかかるのだ。
身動きすらままならない全剣帝へ、剣技が放たれる。
「神天一閃・龍絶!」
「天紫剣・桜花!」
全剣帝は、勝負の行方が決まったことを理解しながらも、諦めなかった。
今度は利き腕を犠牲にし、クロトの絶技を凌ぐ。
それでも、肩口から切り裂かれ、瀕死に。
そこへ、ヴィオラの剣技が迫る。
全剣帝は、残った全ての力を出し尽くし、回避を試みる。
例え回避出来ても、その後は一歩も動けないだろう。
ただの悪あがきでしかない。
しかし、ヴィオラはそれすら許さない。
絶対的な因果操作を発動。
見える因果は、2つだけ。
回避するか否か、それだけだ。
ヴィオラは、回避しない因果を選択。
最後のあがきすら許さず、全剣帝の首を切り落とした。
詰めの手を緩めないのは、クロト譲りだ。
かくして、圧倒的な剣術を持つ全剣帝は、命を散らしたのであった。
なお、ヴィオラはしばらくした後で気絶。
クロトの分身は、クロトが消した。
そして・・・・・・終始、隠密者を発動していた、保険の分身が現れた。
その分身に、自分たちを安全地帯に運ばせ、クロトも眠りについたのだった。
最初に目を覚ましたのは、アクアだった。
気絶した順から言えば、妥当な所だろう。
「んぅ・・・ここは・・・・?」
アクアはすぐに、自分の居る場所が安全地帯だと気づき、一安心した。
そこで、何かが自分に抱き着いていることに気がついた。
「えっ、クロトさん・・・!?」
大声をあげそうになるが、何とか抑え、呟き程度の声を出すことに成功した。
(え、えっ、これは・・・どういう状況、なのでしょうかっ・・・!?)
寝起きのことであり、動揺を隠せないアクアなのだった。
天界突破の効果が終了し、その場に倒れ込むクロト。
満身創痍の全剣帝。
力を振り絞ったクロトへの攻撃は、魔法存在が、体を張って防いだ。
終盤、リスクを負えば仕留められそうな場面もあった。
たが、より確実な道を選択したのだ。
つまりは・・・
「絶対零度の氷棺!」
クロトが倒れ込む寸前、限界突破を付与されたアクア。
氷獄魔法の封印技を発動した。
全剣帝は回避など出来ず、絶対零度の氷棺に捕らわれ、氷漬けに。
絶対零度の氷棺は、一種の封印魔法だ。
対象の動きを完全に封じ込めることができる。
ただし、この魔法を使用すると、自分たちからの攻撃も通らなくなる。
アクアの実力では数分しか持たない超絶技。
「限界突破!」
自らの限界突破も使用する。
マリアの付与と合わせれば、10分程なら、問題なく封印可能。
全剣帝の臨界突破は、残り10分を切っている。
それまでの間、封印出来ればいいのだ。
この隙に、分身が倒れたクロトを回収。
体が動かなくとも、分身の操作くらいは可能だ。
魔法を維持し続けるアクア。
なんとか脱出しようと、渾身の力を込める全剣帝。
並の魔物であれば、意識すら残らない魔法だというのに。
とことん恐ろしい敵だ。
目を閉じ、膝立ちになって、胸の辺りで両手を組む。
その姿は、祈りを捧げる聖女のよう。
同じ女性のヴィオラさえ、見惚れている。
クロトは倒れ伏しながらも、アクアに見惚れていた。
戦闘中だというのに、今すぐ押し倒してしまいたくなった。
やがて、全剣帝が氷棺から抜け出せないまま、十分経過した。
アクアは、精神集中の限界を迎えたのか、その場で気絶した。
同時に、全剣帝を封印していた氷棺が崩れていく。
そこから出て来た全剣帝は、臨界突破の効果が切れていた。
能力値は、平均で500ほどしかない。
一方、クロトたちの状況も、そこまで良くは無い。
マリアも限界突破が切れたため、倒れている。
橙の瞳の限界突破には、副作用が無い。
倒れているのは、自らの限界突破スキルの副作用だ。
戦闘継続が可能なのは、ヴィオラとクロトの分身のみ。
マリアは薄れつつある意識を必死に繋ぎ止めながら、限界突破を付与。
付与を受けたヴィオラとクロトの分身。
そこへ更に、ヴィオラは限界突破を、クロトは天界突破を重ねた。
そして、全剣帝に襲い掛かる。
役目を終えたマリアは、気絶した。
橙の瞳の効果は、付与される方は良くても、する方に負担がかかるのだ。
身動きすらままならない全剣帝へ、剣技が放たれる。
「神天一閃・龍絶!」
「天紫剣・桜花!」
全剣帝は、勝負の行方が決まったことを理解しながらも、諦めなかった。
今度は利き腕を犠牲にし、クロトの絶技を凌ぐ。
それでも、肩口から切り裂かれ、瀕死に。
そこへ、ヴィオラの剣技が迫る。
全剣帝は、残った全ての力を出し尽くし、回避を試みる。
例え回避出来ても、その後は一歩も動けないだろう。
ただの悪あがきでしかない。
しかし、ヴィオラはそれすら許さない。
絶対的な因果操作を発動。
見える因果は、2つだけ。
回避するか否か、それだけだ。
ヴィオラは、回避しない因果を選択。
最後のあがきすら許さず、全剣帝の首を切り落とした。
詰めの手を緩めないのは、クロト譲りだ。
かくして、圧倒的な剣術を持つ全剣帝は、命を散らしたのであった。
なお、ヴィオラはしばらくした後で気絶。
クロトの分身は、クロトが消した。
そして・・・・・・終始、隠密者を発動していた、保険の分身が現れた。
その分身に、自分たちを安全地帯に運ばせ、クロトも眠りについたのだった。
最初に目を覚ましたのは、アクアだった。
気絶した順から言えば、妥当な所だろう。
「んぅ・・・ここは・・・・?」
アクアはすぐに、自分の居る場所が安全地帯だと気づき、一安心した。
そこで、何かが自分に抱き着いていることに気がついた。
「えっ、クロトさん・・・!?」
大声をあげそうになるが、何とか抑え、呟き程度の声を出すことに成功した。
(え、えっ、これは・・・どういう状況、なのでしょうかっ・・・!?)
寝起きのことであり、動揺を隠せないアクアなのだった。
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