異世界隠密冒険記

リュース

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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編

精霊の王冠

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 S+ランク冒険者「無双」のアルレインを圧倒したクロト。


 現在、精霊神殿の中に居る。


「・・・クロト、格好良かった。」

「ありがとう、ヴィオラ。確実に勝てる勝負を放棄するなんて、僕もまだまだだ。」

「・・・あんなことができるのはクロトだけ。」


 ヴィオラは呆れながらも、顔が赤くなるのを止められなかった。

 格好いいというのは、ただの誉め言葉ではない。

 ヴィオラにとって、先程までのクロトは、過去最高に格好良かった。

 間違いなく、クロトに惚れ直した。

 ヴィオラはクロトに寄り添いながら先に進む。


 同時に、少しだけ自分を戒める。

 今のヴィオラは、クロトにベタ惚れ状態だ。

 前々から似たようなものだった気もするが、かなり気分が高揚している。

 今のままクロトに抱かれたら、どうなってしまうのか想像もつかない。


 だが、興奮冷めやらぬまま、無情にも目的地に到着。


「じゃあ、ヴィオラ。準備をお願い。」

「・・・分かっている。」


 ヴィオラは、神殿の祭壇のような場所で、少しずつ服を脱いでいく。

 しかし、興奮は一向におさまらない。

 そしてそのまま・・・


「ヴィオラ・・・いい、かな・・・。」

「・・・いい。もう、我慢できない、から。」


 後半部分は、自分の口から出て来たとは思えない言葉。

 驚愕しながらも、頭がぼーっとするせいで、それ以上何も考えられない。

 
 そして、ヴィオラはクロトに抱かれ、結ばれた。







 ヴィオラは、ようやく興奮が収まり、悶えていた。

 クロトとの行為は、今までになく、甘美だった。

 交わるたびに、頭が真っ白になり、最高の快楽が自分を貫いた。

 
 ヴィオラは、行為のとき、あまり喘ぎ声をだすタイプではない。

 しかし今回は、本当に自分の声なのかと疑いたくなるほどに喘いだ。

 そんなヴィオラに、クロトはいつも以上に興奮し、激しくなった。

 あとはその連鎖だった。


 精霊の王冠が現れた後も、行為を続けた。

 二人とも、やめたくなどなかったのだ。

 結局、余りの快楽の波に耐えられなくなったヴィオラが気絶。

 そこで、ようやく終わった。




「ヴィオラ、凄く可愛かった・・・。」

「・・・忘れて。」

「それは無理。忘れられないし、忘れたくもないから。」

「・・・そんなに酷かった?」

「ヴィオラがあんなこと言うなんて、初めてのことだったからね・・・。」

「・・・・・・!?ぅあああああああああっ!?」


 微かな記憶を思い起こしたヴィオラは、悲鳴をあげた。


(あああああっ!?なんであんなことを!あれではただの淫乱な女だ・・・!)


 なお、内容については頭の中で思い浮かべることもしない。

 それほどの衝撃的な内容だったのだ。




「・・・クロトは恥ずかしくないのか?」


 ようやく落ち着いたヴィオラがそう尋ねた。


「まあ、ヴィオラにあそこまで言わせるくらいに愛されてるとわかったからね。」

「・・・忘れて。」

「あれを思い出したら、恥ずかしさなんて消えて無くなるよ。」

「忘れてっ!」


 ヴィオラに怒られたクロトだった。

 どうやら、揶揄い過ぎたようだ。



 二人は服を着た後も、暫くの間イチャついていた。

 



「ヴィオラの喘ぎ声はさておき。」

「・・・クロトっ!」

「・・・これは何かな?」

「・・・精霊の王冠と、もう1つは、宝玉?」


 クロトの解析では、精霊神の寵愛、となっている。

 そして、詳しい説明を・・・


「・・・えっ?」

「・・・どうかした?」

「・・・いや、なんでもないよ。」


 詳しく解析したクロトは、言うべきか言わざるべきか、悩んだ。

 だが、どうしても気になったヴィオラが問い詰めたために、渋々話した。





「精霊神の寵愛、世界さえ驚く乱れっぷりを見せた女性に贈られる物、だって。」



 声にならない悲鳴をあげたヴィオラは、再び悶え始めた。







 クロトはヴィオラをなぐさめ続け、ようやく元のヴィオラに戻った。

 
「ヴィオラ、どんな君でも愛してるよ。」

「・・・ありがとう、クロト。」

「だから、またあの可愛いヴィオラを見せてね?」

「・・・分かった。」


 真っ赤な顔で肯定の返事をするヴィオラ。

 なんだかんだで、ヴィオラはクロトにベタ惚れのようだ。



 クロトも、今までは上手く言葉にできなかったことを口にできる。

 感情が昂ったままだからだろう。


 決して軽薄になったわけではない。

 クロトは、恋愛が絡まなければ、いつだって冷静なのだ。



 
 その後、再びムードが出来上がってしまった為、収めるのに苦労した二人だった。


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